強く世に伝えたい。ドワっ娘はかわいい。
いきなり何のことかと言えば、NCSOFTのオープンワールドRPG『リネージュ2M』の話だ。ドワっ娘、すなわちドワーフの娘さんのことである。
『リネージュ2M』では2022年3月30日(水)のアップデート以降、このドワっ娘をゲーム開始時から選べるようになったという。
それでは、ドワっ娘のよさについて語り合おうではないか。
ドワっ娘もいいがクロスボウもいい
『リネージュ2M』の世界設定はPC用MMORPG『リネージュ2』がベースとなっている。『リネージュ2』は“ドワーフの女性は小柄でかわいい”と強く打ち出した史上初(おそらく)のゲーム。『リネージュ2M』はそのエポックメイキングな姿勢を受け継いでいるのである。
そう言えば、3月30日にはクロスボウという新武器種も実装されたのだった。とはいえ筆者としては、ドワっ娘でプレイできるなら武器についてはなんでもいいかな、と思っていた。
しかし、ある程度育成が進んだメインキャラでクロスボウのスキルの使用感を試し、その思いを改めることになる。
これは……ファンネル?(※)
※某ロボットアニメシリーズの遠隔攻撃デバイス。一部のファンはこういうものを見ると条件反射でファンネルと呼んでしまう。
さらには同時に3本の矢を撃ち出し、けっこうな連射も可能。クロスボウというよりは近代銃器のような攻撃をくり出す武器種みたいだ。両手に一丁ずつ持つので、さながら二丁拳銃である。やたらめったら撃ちまくるのが楽しい。
そして、クロスボウは育成を進めるとさらにとんでもないことになるらしい。
キャラの周りに浮いているのはファンネルではなく“影の球体”と言う。それと矢で、周囲の敵を無差別にめった撃ちにできるのである。カッコよすぎる。
こうしたカッコよさを実現するには、かなり地道な努力と育成が必要になるが、ドワっ娘愛で乗り越えられる気がする。ドワっ娘とクロスボウの魅力はかわいさだけではなく、『リネージュ2M』を楽しむうえでもなかなか奥深い組み合わせだったのだ。
今回の記事では、ドワっ娘のかわいさをピンナップ30枚くらいで伝える予定だったところを変更し、新武器種・クロスボウをクローズアップ。
加えて、最近の『リネージュ2M』で実際に育成して感じたおもしろさについてお伝えしていく。
ドワっ娘のかわいさを堪能しつつ、いざ育成
『リネージュ2M』は、和製RPG中心で遊んでいる人から見れば、一風変わったタイトルだと思う。プレイヤーの分身となる主人公“継承者”は、さまざまな英傑の魂からその姿と力を借りて戦う。
つまり、本作ではキャラクターの“クラス”を変更すると、キャラクターの種族や使用武器などがまるごと変わるのだ。
キャラクター作成時に選んだものとその上位クラス以外については、手に入るクラスは運しだい。ランダムでクラスを獲得できる“クラス召喚券”の使用や、すでに獲得していて余ったクラスを“合成”して新たなクラスに変換するなど、いくつかの方法で所有クラスを増やしていく。
これ以外にも、高レアリティのクラスを確定で入手する方法がある。キャラクターのレベルを上げていくと“系譜”というシステムにより、キャラクター作成時に選んだクラスの上位版が手に入る。
つまり、クロスボウドワっ娘のキャラを作成すれば、いつかは高レアリティの強いドワっ娘を必ずお迎えできるのである。
ドワっ娘との将来が約束されてひと安心できたところで、“クロスボウ”という新武器種の特徴についても解説していこう。
クロスボウは、両手に1丁ずつ持って使う遠距離武器だ。同じ遠距離武器の“弓”と比べると、射撃速度は早いけど何かで劣るというイメージを何となく抱く人もいるかと思う。
だが、『リネージュ2M』のクロスボウをスキル抜きで使ってみた使用感自体は弓とほぼ同じで、画面外の敵にも余裕で攻撃が届くほどだった。
では、スキルなども含めた実戦での使用感はどうか。
序盤にNPC商店でアデナ(ゲーム内通貨)を使って獲得できる“高級”スキル(名前が緑色のスキル)と、それらが揃った頃から入手を目指せるようになる“希少級”スキル(名前が青色のスキル)を中心に解説していこう。
高級スキルと希少級スキルの中でも、つねに効果が発動するパッシブスキルの効果はかなり高い。“命中”の数値が高くないと敵に攻撃が当たらず火力が活かせないのだが、この命中を大きく高めたり、ほかにも追加ダメージや防御力を高めたりと、汎用性が高いパッシブスキルが揃っている。
さらに、クロスボウは武器自体の特性として、一定確率で通常攻撃のダメージが大きく上がる“ダブル”攻撃の発生率にボーナスを持つ。最初からダメージが底上げされるようになっており、まだ装備を揃える資金が貯まっていない序盤の時期に優しい。
攻撃用のスキルとしては、高級スキルの“ボルト ショット”と、希少級スキルの“インペイル ショット”と“インビジブル ハンター”を長らく使っていくことになる。
ボルト ショットはもっとも基本的な攻撃スキルで、5秒ごとに使用可能な単体遠距離攻撃だ。こちらはシンプルに使いやすいスキルだが、クロスボウならではのプレイ感覚を味わえるのはインペイル ショットとインビジブル ハンター。いずれも“範囲内の対象となる敵にランダムで攻撃する”という変わった特性を持つ。
この“ランダムで攻撃する”という点が、弓などのほかの遠距離武器とは大きく異なる特徴だ。筆者がインペイル ショットとインビジブル ハンターを使って、二刀流で通っているいつもの狩り場に向かってみたところ……。
プレイヤーが攻撃している以外の敵が、スキルを受けてどんどん敵対状態となり、こちらに殴りかかってくる。
こうして、初陣では回復が追いつかなくなり、慌てて村に帰還することになったのだった。
従来とは異なる、新たな育成の楽しみ
勝手にターゲットを取る挙動は予想外だった。筆者のキャラは弓と二刀流では防御面をほぼ捨てたビルド。“やられる前にやる”という戦法を取っていたので、非常に打たれ弱かったのだ。
クロスボウの場合は“多くの敵を集めつつせん滅する”という、先手必勝とは異なる戦法が必要になったわけだ。弱めの敵を、大量にすばやく倒していくのがベストということか。
弓と二刀流を育成する場合、通常攻撃力とスキル攻撃力をひたすら上げるべく、DEX(遠距離攻撃力と命中率に関わる能力値)とWIS(MP回復力とスキルの威力に関わる能力値)を伸ばすのが定石だ。
クロスボウでも筆者はDEXとWISを伸ばした。敵を速くせん滅するためなのはもちろん、攻撃スキルはすべてクールタイムが長めで単発威力が高いため、スキルの“ダメージ増幅”をWISや装備で伸ばしていくと、その恩恵が大きいと考えたからだ。
スキルで敵のターゲットを集めるのは最初は欠点かと思ったが、いざ混み合った狩り場に行ったら感触が違った。ほかのプレイヤーに先んじて敵のターゲットを確保できるため、非常に便利なのだ。
効率よく敵を倒して経験値効率を上げるためには、先に敵のターゲットを取ることが重要。このため、狩り場ではほかのプレイヤーがすでに攻撃している敵を攻撃対象外に設定する人がほとんどだ。敵を攻撃しつつ別のターゲットを確保しておけるクロスボウは、この設定にしていても継続して狩る相手をキープできるので、敵を探す時間を短縮できる。
混み合った狩り場では、この特性がさらに有利に働く。周りの敵がすべてほかのプレイヤーに取られている場合、プレイヤーが攻撃している敵にスキル攻撃が集中して、ものすごい瞬間火力が出ることがあった。敵を集めるだけでなく、目の前の敵をスピーディーに処理することもできるわけだ。
ただ、防御面への配慮が疎かなビルドだと、敵を確保しているあいだに回復アイテムを大量に消費してしまうため、狩り効率の低下につながる。かといって、防御力やダメージ軽減の要となる“ダメージ リダクション”の確保も考えると、ダメージ増幅やMP回復力との兼ね合いが難しくなっていく。
序盤はスキルや武器特性で有利に戦える武器種であり、突き詰めると攻防の両方を高めることで最大の狩り効率が出せる。筆者は以前の記事で、本作に“シミュレーションゲームのようなおもしろさがある”と書いたことがあるが、クロスボウのビルド突き詰めはその極致なのかもしれない。
獲得できたら絶対おもしろい、英雄級以上のスキル
このように、クロスボウは希少級までのスキルでも個性的な立ち回りができる。狩り場でランダム攻撃を連射する姿には、はしゃぎ回るやんちゃな子犬を見守るかのような楽しさがあった。
だが、クロスボウのおもしろさはその程度には留まらない。より上位の英雄級スキルを獲得できれば、さらにとんでもないことになるという。
英雄級スキル“ディシプリン”を覚えると、インビジブル ハンターで出現する影の球体が3つに増加。同じく英雄級スキル“チェーン ボルト”を覚えると、インペイル ショットがより強力な5本の矢を放つスキルに変化する。
ほかにも、敵からHPを吸収でき、クラスしだいではMPも同時に吸収できる“ヴァンパイアリック マインド”など、覚えれば狩り効率が格段に上がるものがいくつも用意されている。
英雄級スキルには、PvP向けの強力なものも用意されている。遠距離武器は敵に接近されると不利になるが、敵を蹴って後方に移動したうえで相手の移動速度を下げる“バック フリップ”や、範囲内の味方の位置にランダムで瞬間移動する“エスケープ”などで簡単に距離を離せるのだ。
さらに、麻痺状態を相手に与える“パラライズ”という絡め手もあり、遠距離から一方的に攻撃し続ける状況を生み出しやすい。1対1ならチェーンボルトやディシプリンも単体高火力スキルになるので、こうした短時間のチャンスでも相手のHPを一気に奪える。
クロスボウは英雄級以上のスキルひとつを獲得できるだけでも強さと楽しさが格段に上がる。さらに上位の伝説級や神話級のスキルとなると即入手は現実的ではないが、英雄級スキルはレベルを60~70くらいまで上げる頃には、対象スキルを覚えられる“スキルブック”をドロップする敵がいる狩り場に行けるようになる。
英雄級スキルを入手する方法はほかにも用意されており、これらの獲得を目標にすると、プレイ方針もわかりやすくなる。筆者はとりあえずディシプリンがほしいので、このスキルを落とす敵がいる“ドラゴン グレイヴ”での狩りに耐えうる装備をどう整えるかと、育成計画を練っているところだ。
最近の『リネージュ2M』は育成勢に優しい
いざ育成という段階で気付いたのだが、筆者は最近の『リネージュ2M』で実装された新要素についてはあまり触れていなかった。今回のクロスボウでの育成を機にこれらに触れたところ、これがまたクロスボウの育成にばっちり噛み合ってくれた。
育成開始前にはひとつの懸念があった。いまの自分のレベルで獲得できる希少級クラスの防具では、いままで気にしていなかったダメージ リダクションなどの能力を上げづらいのではないか、という点だ。
しかし『リネージュ2M』には、ここ数ヵ月のアップデートで“覚醒”や“精霊刻印”、“魂吸収”といった、キャラの能力値を上げるための手段がいくつも追加されてきた。これらを活用すれば、選択しだいでダメージリダクションやダメージ増幅といった能力を直接上げられる。
つい最近に実装された“祝福されたアインハザードの聖水”というアイテムにも驚かされた。この聖水を使用するだけで、即座に大量の経験値と一定量持っていると経験値とお金の獲得量にボーナスが得られる“アインハザードの祝福”を獲得できる。
とくに経験値の獲得量が多めで、レベル59未満のキャラなら一気にレベルアップ可能。レベル59以上になるとレベルアップに必要な経験値がかなり増えるものの、祝福されたアインハザードの聖水を使えば必要経験値の約10~20%になるほどの経験値が得られる。製作で獲得できるということもあり、今後の新キャラ育成などで重要なアイテムになりそうだ。
また、プレイヤー同士が結成する“血盟”に参加することも、スキル獲得への近道となる。
ギルドでの狩りコンテンツによる報酬や血盟商人との“名誉の勲章”を使った交換に加え、血盟プレイヤー間でのスキルブックの譲り合いや交換など、血盟に入るだけでレアスキルの入手機会は格段に増える。ある程度ゲームに慣れてきたあたりで、公式フォーラムなどで自分に合いそうな血盟を探すことをオススメしたい。
以上のように、ドワっ娘で新たに始めても英雄級スキルを狙えるレベル60以上も目指しやすく、その過程もクロスボウならではの楽しみかたを味わいつつ進められる。それがいまの『リネージュ2M』だ。
ドワっ娘にはクロスボウ以外にも、さまざまな武器を使うクラスがすでに実装されているので、それらの入手を目指してみるのもいい。
武器種ごとのおもしろさを味わえる本作だが、筆者はクロスボウには“狩り場でより効率を高めるにはどうすればいいか”という突き詰められる要素が、より多く詰まっているように感じた。この武器なら、その気になればどこまでも深い育成沼に沈むことができる。
ドワっ娘とクロスボウのかけ合わせは、がっちり噛み合う人ならモチベーションとやり込み度合いがとんでもないことになるかと思う。ぜひぜひ、お試しあれ。