Cygnus Entertainmentが開発中のアドベンチャーゲーム『Colossal Cave 3D Adventure』を体験してきたので、その内容をお伝えしよう。

 本作は“アドベンチャーゲーム”の語源ともなった作品『Colossal Cave Adventure』を原作とする一種のリメイク作品。手掛けるのは2020年のGDCアワードでパイオニア賞を受賞した伝説的ゲームデザイナーのロバータ・ウィリアムズとケン・ウィリアムズの夫妻だ。

 同夫妻は、テキストのみで洞窟の冒険を描いた『Colossal Cave Adventure』に影響されて、そこにグラフィックを加えた“グラフィックアドベンチャーゲーム”を生み出し、自分たちの会社シエラエンターテインメント(旧シエラオンライン)で一時代を築いた伝説的な存在。

 そのふたりがパンデミック下で現代のゲーム技術であるゲームエンジンのUnityやVRに興味を抱くに至り、ゲームづくりへの意欲が復活して現役復帰して手掛けるのが本作ということになる。

Roberta Newsweek
Ken Roberta Standing on Dock
現地ではマジの超レジェンドなので、本作が出展されたGDCに来ている業界関係者、中でも40代前後で結構偉い連中が「マジでウィリアムズさんいるぞ」と興奮してたり。

 ゲームは2022年秋にMetaのVRヘッドマウントディスプレイのQuest 2および非VRのPC/Macでのリリースを予定しており、今回遊んだのは関係者いわく「プレα版」という扱いのQuest 2版。小屋で鍵を入手して洞窟に入って進んでいく序盤を遊ぶことができた。

 ゲームは座って遊べる形で、操作は両手のモーションコントローラーで全て操作可能。干渉可能なアイテムを拾ったり、それをインベントリーから取り出して使うといったアクションもモーションコントローラーで行う。

 一人称視点&VR対応&3Dグラフィックになっているといった以外、ゲーム内容自体は基本的にテキストオンリーで表現されていたオリジナル版の忠実な再現を目指しているそうで、たとえば今回のプレイ範囲では、洞窟内のあるセクションにいる“鳥”や、鳥をめぐる謎解きに関係するアイテムなどもオリジナル版そのままに登場。プレイヤーはあれこれ試行錯誤しながら謎解きをして洞窟を進んでいき、宝物の回収を目指すことになる。

Bird
原作同様に鳥も出てくる。コレ捕まえるのはどうやるんだっけ……。(実はいくつかのアイテムが絡む手順がある)

 謎解きアドベンチャーゲームとしてよくある形式ではあるし、Quest 2での安定動作のために3Dグラフィックも結構簡素なものではあるのだが、ミステリアスな洞窟をVRで没入しながら進んでいくという冒険感はなかなかいい感じ(ちなみに割とノーヒントなので悩まされる)。

 なおいわゆる“VR酔い”については一定の配慮がなされていて、移動やプレイヤーの回転なども酔いを低減するモードとより没入感を求めたい人向けのモードの2種類が用意されていた。

 ベンチャーキャピタルからの出資やクラウドファンディングに頼らず、本当に自己資金で作っているそうなので、まずはしっかり仕上げて欲しいし、できれば日本語にも対応して欲しいところだ(シエラは昔日本支社があった)。

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