2022年1月28日~1月30日にかけて開催された“東京eスポーツフェスタ2022”。本イベントと日本テレビの番組『eGG』のコラボ企画『えなこの東京eスポーツ学校』が、東京eスポーツフェスタ2022の3日目にライブ配信された。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 番組の司会は校長のえなこさんと教頭の平井善之さん(アメリカザリガニ)、担任の佐藤梨那さん(日本テレビアナウンサー)。ゲスト生徒として、貴島明日香さんとゴー☆ジャスさんが招かれた。

 さらに、eスポーツ業界を知り尽くした先生として、プロゲーマーの板橋ザンギエフさん(DetonatioN Gaming)とTokiさん(AXIZ WAVE)、ゲーム実況でおなじみの平岩康佑さんが登壇した。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
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えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

プロ選手から見たeスポーツの魅力とは?

 ひとつ目のテーマは“eスポーツの魅力って何?”だ。この問いに対して板橋ザンギエフさんは、「対戦ゲームは“人対人”で戦うゲーム。対戦相手が異なると内容が異なるため、ゲームの魅力は無限大」とコメント。

 一方、Tokiさんは「まるでスポーツ観戦のように、大会会場で選手やチームのファンが集まり、会場が一体となって盛り上がれるところ」と魅力を語った。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 平岩康佑さんはふたりのプロプレイヤーの意見に同意しつつ、データをもとにeスポーツの現状を解説。「eスポーツは観覧者がプレイヤーでもある。甲子園で野球を観ている人で、実際に野球をプレイしているのは7%だけと言われている。93%は野球をプレイしていない。でも『Apex Legends』などのeスポーツタイトルは、ほとんどの観覧者が実際にプレイしている」という。

 白熱した試合を観た直後に自分もゲームを遊べるのがeスポーツは大きな魅力であると語った。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 ゲストの貴島明日香さんはゲーム好きとしても知られるタレント。「大会のインタビュアーのような仕事をさせていただいたこともあります。eスポーツが徐々に浸透していっていると肌で感じています。ゲーマーとして嬉しいですね」と、eスポーツやゲーム関連の仕事が増えている現状を紹介した。“好きなことを仕事にできる”のは、ゲーマーにとって大きな魅力だろう。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

eスポーツ選手のトップは“いい生活ができる”

 続くコーナーでは“プロ選手を徹底解剖!と題し、板橋ザンギエフさんとTokiさんがプロゲーマーの生活を紹介した。会場を沸かせたのは、ゴー☆ジャスさんの「ぶっちゃけプロ選手は稼げる?」という質問だ。

 板橋ザンギエフさんは「昔は難しかったが、いまは食べていけるチャンスは広がっている」、Toki選手は「僕がプレイしている『IdentityV 第五人格』はまだ歴史が浅いゲーム(※)なので答えづらいが、トップになる人はいい生活をしているのではないか?」とコメントした。

※歴史:“非対称対戦ゲーム”というジャンルに分類される『IdentityV 第五人格』は、2018年7月に日本でのサービスがスタート。板橋ザンギエフ氏が主戦場とする格闘ゲームには30年以上の歴史があるため、そこと比べるとまだ若いジャンルと言える。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 また、番組が事前にゲームファンの高校生から募集した質問「勉強とゲームの両立はどうする?」に対して、板橋ザンギエフさんは「それは勉強と部活の両立と同じ話だと思う」と持論を語った。出演者一同がうなずくなか、「やりたいことをする前に、やるべきことを片付けておくのは社会人でも同じ。学生の頃から、そのスキルを養っておくといい」と、学生に向けてアドバイス。

 ちなみに、えなこさんは子どもの頃からゲームが大好きで、ずっと遊び続けていたそうだ。そんな幼少期を過ごしたうえで、「勉強は好きではないので試験を受けたくなかったんです。だから序盤でいい成績をとって、高校も大学も推薦で入りました」と自身の体験談を披露。

 楽しく遊ぶためにも、やらなければいけないことを順序立ててクリアーしていくのは大切。それは実生活でもゲームでも同じということだ。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
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eスポーツ大会の裏事情を実況者が語る

 3つ目のテーマは“実況者になるには?”。平岩康佑さんは「キャスターの会社を2018年から経営していて、仕事の量は右肩上がり。毎年新人を入れているが、まだ人手不足」と、好調な業績を紹介。それだけイベントやeスポーツ大会の数が増えているということだ。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 話題が“ゲーム実況者に必要な人材”に移ると、「ゲームが好きなだけでなく、話す技術も重要」と、平岩さん。ゲームの実況は不測の事態との戦いでもあるからだ。機材トラブルや突発的なサーバーダウンは当たり前。突然ゲームのアップデートが始まることもある。

 平岩さんは「試合中に1時間半~2時間くらい、ゲームができない状態のまま放送席で番組を続けなければならないこともあります」と、ゲーム実況者ならではの苦悩を語った。

 ここで再び、ゴー☆ジャスさんが会場を沸かせた。

ゴー☆ジャス「実況者ってどれくらいもらえるの?」

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 平岩さんは「儲かるけど……」と前置きをした後、ゲーム実況の業務内容を紹介した。

 平岩さんの会社では、仕事が決まったら、まずそのゲームを100時間以上プレイするそうだ。実際にプレイしてゲームの内容や魅力を体験的に理解してから実況に必要な資料を作成。その後も、選手のデータを調べたり、ゲーム動画を観ながら実況の練習を行い、ようやく本番に挑むとのこと。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
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 平岩さんは「これらすべてを含めて仕事。仕事のためにゲームをしていたはずなのに、気づいたらおもしろくてランクマッチを回してた……なんてこともあります。仕事なのかプライベートなのか切り分けが難しい仕事です」と、ゲーム実況解説者の裏話を披露した。

誰でもゲーム実況者になれる時代

 ラストのトークテーマは、ゲームファンから届いたメッセージへの回答。テーマは“配信について”だ。板橋ザンギエフさんは、「いまは機材はほとんど使わずに動画配信ができる。気軽にどんどんやってみたらいいと思う」、Toki選手も「スマホのゲーム実況はPCが必要ありません。僕はふだんから、スマホだけでリスナーの方とコミュニケーションをとって楽しんでいます」と質問者にエールを送った。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 「昔からゲーム実況を見るのが好きだった」というえなこさんは「私が始めた理由は、自分でもやってみたいと思ったから。それだけではなく、YouTuberさんみたいなこともしてみたいので、プレゼント開封企画などもやっています(笑)」と自身のYouTubeチャンネルを紹介。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 一方、プロ選手とは違ったアプローチでゲーム実況を行っているのはゴー☆ジャスさん。ゴー☆ジャスさんはゲームが得意ではないため、配信を観てくれた視聴者は「俺の方が上手いじゃないか!」と思うこともあるそうだが、「俺も買って遊んでみようかな」とも受け取ってもらえるそうだ。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 最後に、自身のすばらしいゲーム部屋の写真を持参した貴島明日香さんは、「私も10年以上前からニコ動、ニコ生でゲーム実況を見るのが好きでした。でも必要機材を揃えられなくて、自分では配信できなかった」と回想。とは言うものの、番組で紹介されたのは、LED電飾が施されたゲーミングPCが鎮座するゲーム専用部屋だった。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 貴島さんは「配信をするなら多少のスペックが必要かと思って(笑)」と話していたが、どう見ても“多少”では済まないスペックである。愛機のこだわりを紹介しつつ、必要な機材としてマイクと高速回線、可能ならばWebカメラをオススメした。

 「最近はPCとソフトがひとつあれば簡単に配信できるので、ゲームをしたり雑談したり、お酒を飲みながら配信しています。やりたかったことが自宅で気軽にできるのは楽しいです」と、貴島さん。楽しそうな笑顔が印象的だった。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】
えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】

 『えなこの東京eスポーツ学校』はこれにて終了。ゲーム実況の楽しみ方だけでなく、自分でも配信をしてみたいと思わせてくれる番組だった。近い将来、この番組の視聴者から新たなゲーム実況者が誕生するかもしれない。

えなこ校長と学ぶeスポーツ業界。食べていけるチャンスは広がり、トップ選手はいい生活ができる【東京eスポーツフェスタ2022】