スクウェア・エニックスが手掛ける『ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ』（以下、『ブリリアントライツ』）は、ニンテンドー3DSやNintendo Switchを中心に、スマートフォンやSteamなどで展開されたRPG、『ブレイブリー』シリーズのスマートフォン向け最新作だ。
2022年1月27日にサービス開始予定で、新天地のヴェルメリオ大陸を舞台に、新たな光の４戦士が冒険をくり広げる。オリジナルキャラクターに加えて、過去作の登場人物がプレイアブルキャラクターとして参戦するのも本作のポイント。しかも過去作で味方だったキャラクターだけではなく、敵だったキャラクターも仲間にできる、オールスタータイトルとなっている。
今回は、2022年1月27日の配信に先駆けて、本作をひと足早く体験した記事担当ライター・ジャイアント黒田のプレイレビューを公開。ストーリーのネタバレには配慮しているので、安心して読み進めてほしい。
オールスターのキャラクターが紡ぐ新たなストーリー
『ブレイブリー』シリーズは、1作目を遊んで以来、ハマっているタイトルのひとつ。本作の配信も心待ちにしていたが、正式配信前に先行プレイしてみて、オールスタータイトルとして配信後の展開が期待できそうだと手応えを感じた。
その理由のひとつが、クレア、スティール、サンドラ、ルーファスの新たな光の4戦士を軸に展開されていくメインストーリー。個性豊かな4人の男女が妖精に導かれてクリスタルを巡る物語は、シリーズ作の舞台であるルクセンダルクやエクシラント大陸からキャラクターが突如、新天地のヴェルメリオ大陸にやってくるなど、序盤から波乱続きでプレイ意欲を刺激された。
前作キャラクターが最新のグラフィックで多数登場し、メインストーリーに絡む展開もファンにはうれしい。ネタバレになるので詳細は語らないが、1章はエクシラント大陸の魔法の国ウィズワルドが舞台。クレアたちは、この地でセス、グローリア、エルヴィス、アデルの一行（エクシラント大陸を舞台にした『ブレイブリーデフォルトII』の主人公たち）と交流することに。また、2章では過去のルクセンダルクで若きヴィクター・S・コート（『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』に登場するアスタリスク所持者のひとり）と邂逅する。
スマホの作品らしく、メインストーリーはクエストを選択し、スタミナを消費して攻略していくのだが、ストーリーを閲覧するだけのステージも用意されており、さくさく進んでいく印象だ。スタミナは、３分で１回復するように設定されており、今回のプレイではスタミナの回復待ちをすることもなく、テンポよく遊べていた。
オリジナルキャラクターもシリーズ作のキャラクターに負けず劣らず魅力的。プレイする前は、前作キャラクターをメインパーティーにしようと考えていたが、メインストーリーを進めるうちにどんどん愛着が湧いていき、ずっとスタメンを任せることに。オリジナルキャラクターの4人は盾役、攻撃役、回復役のバランスがいいので、攻略が安定するという点も魅力だった。
ちなみに、4人のオリジナルキャラクターの中ではルクセンダルクからやって来た冒険家のサンドラが好み。パーティーの最年長者で頼れるお姉さんなのだが、じつは虫が苦手というふだんとのギャップにやられた。サンドラを演じる伊藤静さんの声も、キャラクターのイメージにピッタリ。“物知り冒険家”という図鑑機能で、お気に入りのキャラクターのボイスやモーションを堪能できる仕様なのもうれしい。
『ブレイブリー』シリーズと言えば、敵対するアスタリスク所持者の人気も高いが、本作もまた、クレアたちと敵対するキャラクターが憎めない存在。序章から第2章にかけて土の将ガイラ、第3章からは水の将ソーニャが立ちはだかるのだが、みずからの信念をかけて戦う姿は、敵ながら応援したくなる。ガイラは脳筋、ソーニャは仲間想いなところもグッド。ゆくゆくは仲間にできないかなと、妄想しながらストーリーを楽しんだ。
本作は、プレイアブルキャラクターを仲間にしやすいのも好印象。新たなプレイアブルキャラクターは、ミスリル（いわゆる課金石）2000個と交換するか、街の広場で交流し、友好度を最大まで溜めると仲間にできる。友好度を溜めるのは時間がかかるものの、ガチャと異なり、ミスリルを使えば意中のキャラクターを確実に仲間にできるのはうれしい仕様だ。
今回のプレイ時に実装されていたのは下記の16名。ミスリルの使い道をプレイアブルキャラクターの獲得に優先したところ、第3章の途中までに8人の仲間をゲットできた。配信後も同じようなペースでミスリルが配布されるのであれば、プレイアブルキャラクターを揃えるのはそれほど難しくなさそうだ。もちろん、装備品のガチャなどの誘惑に負けない強い心が必要だが……。
初期の実装キャラクター
- 防御タイプ：セス、イデア、リズ、アルジェント
- 近距離タイプ：アデル、ティズ、ジャン、イクマ
- 遠距離タイプ：エルヴィス、リングアベル、ヴィクトリア、ニハル
- 支援タイプ：グローリア、アニエス、ニコライ、セレネ
スマホ向けに遊びやすく調整された“ブレイブ&デフォルト”のシステム
続いてはバトルに関して。シリーズの特徴でもある “ブレイブ＆デフォルト”システムは本作にも活かされており、スマホ向けのアプリながら戦略性に富んだバトルが楽しめる。未経験者のために簡単に説明すると、“ブレイブ＆デフォルト”はターンの“貯蓄”と“前借り”を行うシステム。バトル中、デフォルトを行うと、ガードしながら“BP”を溜められる。この溜めたBPを使ってブレイブすると、自身の行動回数を1ターンで最大4回まで増やすことが可能だ。
事前にBPを溜めていなくてもブレイブによる行動回数の増加はできるが、BPを前借りしただけ行動できなくなってしまう。敵を倒しきれそうなときや、ピンチの仲間を連続で回復して体制を立て直したいときなどに有効だが、敵を倒しきれなかったときや、完全に回復しきれなかったときは、最大で3ターン行動できなくなり、ピンチになってしまう可能性も。“ブレイブ＆デフォルト”の使いかたが、バトルの勝敗に大きく影響する。
さらに、敵のシールドを破壊して一定時間行動不能にしたり、画面左に表示された敵味方の行動順をチェックして行動を考えたりできるのも、勝敗を有する重要な要素。ブレイブ&デフォルト、シールド破壊は敵も使ってくるので、敵との強さが拮抗しているバトルでは、これらの被害をいかに防げるかもプレイヤーの腕の見せどころだ。
ブレイブ&デフォルトを活かした戦略性はそのままに、スマホ向け作品ならでの仕掛けも導入されている。そのひとつが、バトルに“Wave”が導入されている点だ。Wave1に出現した敵を倒すと、そのままWave2のバトルに移行するのだが、このとき最初のバトルの状態が引き継がれる。つまりWave1の最後に敵を1体残してBPを溜めたり、HPやMPを回復したりしておくと、Wave2を有利に進められるのだ。
また、倍速機能のほかに、オートプレイ機能や周回プレイ機能、電力の消費を抑える待機モードが用意されているのは親切。これらの機能は、同じクエストをくり返しプレイして素材を集めたいときなどに非常に便利だった。オートプレイ機能は、強さが拮抗した相手に使うのは心許ないが、格下の敵が登場する素材集めのクエストに使うぶんには問題なし。キャラクターや装備が整ってくれば、強さが同程度の敵にも使えるかもしれない。
お気に入りのキャラクターや武器を強化できるやり込みシステムも満載
今回の先行プレイの段階で、やり込み要素が満載だったのもうれしいポイント。メインストーリーのほかに、素材を集める“強化クエスト”、気の合うプレイヤーと強敵のボスに挑む“レイド”、登場人物たちの個別エピソードが楽しめる“キャラストーリー”、毎週月曜日にクリアー状態がリセットされる“ブラス地下遺跡”が実装されていた。
これらのコンテンツの中でも、サービス開始後にプレイするのが楽しみなのは、レイドとキャラストーリーだ。レイドに出現するボスの強さは、レベル50まで育成した自慢のパーティーでもすぐに全滅するほど。ほかのプレイヤーと協力して倒すことが前提の強さに設定されているので、苦戦するのは当たり前なのだが、負けっぱなしは悔しい。スタミナを何度も回復して力技で倒しはしたものの、ひとりで無理やり倒しても達成感はイマイチ。正式サービス開始後に、仲間と協力して倒すのが楽しみだ。
また、キャラストーリーでは登場人物たちの新たな一面が楽しめたほか、シリーズ作に登場したキャラクターとの交流が描かれるのもたまらない。たとえば、クレアのキャラストーリーにはアニエスが登場。アニエスの方向音痴っぷりは本作でも健在で、クレアたちが驚愕する様子をニヤニヤしながら堪能できた。アニエスファンの方はお楽しみに！
コンテンツのほかに、プレイアブルキャラクターの育成要素や、武器の強化要素も豊富。キャラクターはレベルアップによるパラメーター強化のほかに、“覚醒”で★を増やしてレベルの上限を上げたり、“サポートアビリティ”や“覚醒アビリティ”をセットしたりすることで強化できる。
工房で行える武器の強化方法は、レベルを上げる“強化”とランクを上げる“覚醒”、レアリティーを上昇させる“精錬”、装備特性を鍛える“特性強化”、新たな特性を付ける“特性付与”、装備の魔石スロットに魔石を取り付ける“魔石装着”の6つが用意されている。
やり込み要素が多いぶん、今回のプレイだけでは素材が集まらず、試す機会が少ない強化システムがあったものの、じっくりプレイするぶんには、お気に入りのキャラクターや武器をとことん強くできそうだと感じた。
2022年1月27日の正式サービス実装後は、プレイしきれなかった要素を楽しみに、3つの大陸を巡る冒険を堪能したい。ほかのプレイヤーとチームを組んでレイドに挑んだり、チャットで盛り上がったりできる機能もあるので、皆さんもいっしょに楽しみましょう！
