ディアブロの討伐を目指し、迷宮へ

 1996年(平成8年)12月31日は、PC用『ディアブロ』が発売された日。本日で発売25周年を迎えた。

 『ディアブロ』は、Blizzard Entertainmentから発売されたアクションRPG。ハックアンドスラッシュ、いわゆる“ハクスラ”に分類されるジャンルのゲームで、同ジャンルをゲームファンのあいだに浸透させたのがこの作品だ。筆者のような昔からのゲームファンが“ハクスラ”と聞いて思い浮かべるのは、まず間違いなく『ディアブロ』だろう。

 プレイヤーはウォリアー、ローグ、ソーサラーといった性能の異なるキャラクターからひとりを選び、ランダム生成されるダンジョンを探索。ワラワラと襲い来る敵を蹴散らして装備を集め、持ち物がいっぱいになったら村へ帰還する。そして装備を整え、再びダンジョンへ……というのが『ディアブロ』の大まかな流れ。この一連のトレジャーハンティングの作業が“ハクスラ”のイメージとして多くのゲームファンに根付いたというわけだ。

PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
『ディアブロ』(GOG.com版)

 基本操作はいたってシンプルで、マウスを左クリックするだけ。地面をクリックすれば移動し、敵をクリックすれば攻撃する。ゆえにとにかくクリック。カチカチカチカチひたすら連打することになる。ゲーム内容的にも上記の流れがほぼすべてで単純明快だが、これがじつに楽しかったのだ。ファミ通編集部でも局地的に大流行していたので、就業中にカチカチ音が聞こえてくるだけで「あいつ『ディアブロ』やってんのか!?」と疑ったものだった。

 本作はMORPG(マルチプレイヤーオンラインRPG)の先駆けとなるタイトルでもあり、環境が揃っていたプレイヤーは最大4人でのマルチプレイに熱中していたのではないだろうか。PvPもできたようだが、筆者は協力プレイ専門で社内LANを利用したマルチプレイに夢中になっていた。

PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
『ディアブロII』

 当時の筆者は自宅にパソコンがなく、会社のパソコンはスペック不足。ゆえに先輩編集者が帰宅してから高性能パソコンを勝手に拝借して『ディアブロ』で遊ぶという暴挙に及んでいた。同僚の3人と平日は夜から朝まで、週末は金曜から日曜まで会社に泊まってぶっ続けで遊んでいた記憶がある。いま振り返ると狂気の沙汰だが、『ディアブロ』にハマっていた連中というのは、まあだいたいそんなものだったのではないだろうか。

 ダンジョン内でやられると、装備品をすべてその場にぶちまけて帰還してしまい、取りに戻らなければ失われてしまうというシビアさも熱中した要因のひとつ。マルチプレイならサルベージ(落とした装備品を回収すること)してもらえたので、そういったところも協力している感覚が強くて楽しかった。

PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
PC版『ディアブロ』が発売された日。“ハクスラ”を浸透させた名作で多くのゲームファンたちが初体験のオンラインマルチプレイに激ハマりだった【今日は何の日?】
『ディアブロII』

 そう言えばネット用語の笑いを表現する「w」を筆者が覚えたのは『ディアブロ』だった気がする。本作は日本語のチャットができず、すべてローマ字でやり取りしていたので当時は「笑」の代わりに「w」で表現していたんじゃなかっただろうか。最初のころは「(warai」のようにいちいちカッコで括っていたが面倒になって省略されていった。もっとも社内で遊んでいた我々は、たいてい大声を出して意思疎通していた気もするが……。

 2000年6月29日には続編の『ディアブロII』が、2012年5月15日には『ディアブロIII』が発売された。現在、最新作である『ディアブロIV』が開発の真っ只中。いつ発売になるかはわからないが、定期的に新情報が公開されているので気になる人はチェックしてみるといいだろう。

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