年末年始はゆっくり過ごしたい！ そんな人にはPCを新調しよう。高性能なゲーミングPCなら秀作・佳作のゲームをプレイでき、YouTubeやNetflixといった映像コンテンツもストレスなく楽しめる。まさに日常生活のパートナー。
本稿では、これからのシーズンを快適に過ごしたい人にお手ごろ価格のノートPC『IdeaPad Gaming 360（15）』を紹介する。この機種をひと言で表現すると、“ちょうどいいノートPC”といった感じ。いまPCゲームをプレイするには申し分ない性能で、約17万円で購入できる。
超高性能で高額なゲーミングPCまではいらないけど、PCゲームを始めたい、くつろぎながら動画視聴したい。そんな人にとっての“正解”が詰まった性能なのだ。
CPUはRyzen 7 5800H、GPUはGeForce RTX 3050 Ti Laptop
『IdeaPad Gaming 360（15）』は、黒で統一されたシンプルなデザインのボディーに、15.6インチ・リフレッシュレート120HzのフルHD（1980×1080）モニターを搭載。
リフレッシュレートとは、画面を一秒間に何枚描画するかを示す値。120Hzモニターは秒間120フレームを描き出せるということで、動きの速いシューティングゲームや格闘ゲーム、レースゲームなどで威力を発揮する。
PCを構成する最重要パーツのCPUはAMD Ryzen 7 5800H（8コア 16スレッド、3.2GHz）で、GPUはNvidia GeForce RTX 3050 Ti Laptop（4GB GDDR6）。20万以下で買えるノートPCにも関わらず、なかなか豪華なスペックだ。
とくにGPUは3Dゲームを遊ぶには欠かせない。GeForce RTX 30シリーズは昨今の最新GPUで、RTX 3050 Ti Laptopは2021年5月に発売されたばかり。ノートPC向けのGPUでありながらリアルタイムレイトレーシング（※）などの最新機能に対応。前世代のグラフィックから品質が大幅にアップするので、一度迫力のグラフィックを体験したらもとに戻れなくなるだろう。
この点において『IdeaPad Gaming 360（15）』は、PCゲームを始める人だけでなく、古くなったPCを買い直したい人にもオススメできる機種だ。
※リアルタイムレイトレーシング：光の反射などをリアルタイムで計算し、よりリアルなグラフィックを描き出す技術。
シンプルなデザインのボディーは持ち運べる重量約2.2kg
ブラックで統一されたボディーはじつにシンプル。“Lenovo”のエンブレムは、天板の隅に控えめに付いていて、“IdeaPad Gaming”の文字はモニターの左下にうっすらと印刷されているだけ。それ以外の華美な装飾は施されていない。自宅にも学校にも職場に馴染むデザインだ。
本体サイズは15インチノートPCとして標準的。サイズは幅359.6mm×奥251.9mm×厚24.2mmで、重量は約2.25kg。実際に手に持ってみると、15インチのサイズと重厚感のある黒いボディーのおかげか、重量はもっと軽く感じた。
デスクトップPCとは異なり片手でらくらく運べるので、机でもリビングでもベッドの上でも、好きな場所でゲームを遊べるのは地味にうれしいもの。キッチンに持っていけばレシピを確認しながら料理もしやすい。
もちろん、カバンに入れてしまえば屋外にも持ち出せる。喫茶店に気軽に持ち出したり、友だちの家に持って行ったりできるのは、デスクトップPCにはないノートPCの魅力だ。
外出時に気になるバッテリーの持続時間は約7時間。こちらも十分なスペックだ。もし、もっと長時間使いたい場合は付属のACアダプターを持ち歩けばいい。『IdeaPad Gaming 360（15）』のACアダプターは持ち運びを考えて作られているため小型で薄型。重量は約410gなので、カバンの空いたスペースにサッとしまえるはず。
ちなみに、『IdeaPad Gaming 360（15）』にはサイドボタン付きのマウスも付属。モニターもキーボードもついているので、すぐにセットアップして使い始められる。別途購入するとお金がかかるので、オマケがついているのは大歓迎だ。
本体横のインターフェースはいたってシンプル。各端子の間隔は広めで、マウスやUSBメモリーなどを刺しやすい。
特筆すべき端子はないが、USB Type-CやHDMI、有線LANなど、必要十分な機能はしっかり揃っているので、とくに困ることはないだろう。
じつは最大のウリかも。入力しやすいテンキー付きのフルキーボード
『IdeaPad Gaming 360（15）』に搭載されているキーボードは、テンキーが付いたフルキーボード。小型のノートPCでは省かれがちなテンキーやHome、Endキーなどが独立して備わっているため、たくさんのキーで操作する必要があるゲームも問題なくプレイ可能。
これらのキーにより、ゲーム以外にWordやExcel、Photoshop、Premiereなどのツールまで扱いやすいのも大きな利点。人によっては仕事用のPCとしても活躍しそうだ。
キーボードを使ううえで重要なキーピッチは約1.8cmで、キーストローク1.5mmだった。標準的なキーボードと遜色ないサイズに設計されている。
ライターという仕事柄、筆者はキーボードの打鍵感が気になってしまう。試しにしばらくテキストを入力してみたところ、とても打ちやすかった。キーピッチの広さはもちろん、キートップが指で押しやすいように若干カーブしているおかげだろう。長時間タイピングしても疲れなさそうなキーボードだと感じた。
キーボードがこれだけ優れていると、ゲームだけに使うにはもったいないと思えるほど。遊びにもクリエイティブワークにも活用しよう。
キーボードのバックライトはホワイトのみで、明るさは2段階。バックライトはFn＋スペースキーを押すと点灯する。
明るさの1段階目と2段階目はさほど光量が変わらない気がしたが、この辺は単なる主観。暗闇でキーが認識できればいいので、困ることはなさそうだ。
各種ベンチマークで性能を検証
ここからはいくつかのベンチマークソフトと実際のゲームをプレイして、『IdeaPad Gaming 360（15）』の性能を調べてみる。買い替えを検討している読者は、数値を参考にしてほしい。
バトルフィールド2042
搭載パーツのスペックを見る限り、動作が軽量なゲームがさくさく動くことは間違いない。そこで、あえて推奨環境が高めのゲームでテストしてみた。2021年11月19日発売の最新オンラインFPS『バトルフィールド2042』である。
CPUとGPUの必要環境は
【必要環境】
- CPU：AMD Ryzen 5 1600、Intel Core i5 6600K
- GPU：AMD Radeon RX 560、Nvidia GeForce GTX 1050 Ti
なので、『IdeaPad Gaming 360（15）』ならサクッとクリアー。推奨環境は以下の通り。これがどう影響するか。
【推奨環境】
- CPU：AMD Ryzen 7 2700X、Intel Core i7 4790
- GPU：AMD Radeon RX 6600 XT、Nvidia GeForce RTX 3060
グラフィッククオリティーを変更しながらフレームレートをチェック。なるべく同じ条件で計測したところ、このような結果となった。
- 低：平均78.2FPS
- ノーマル：平均63.0FPS
- 高：平均26.6FPS
“グラフィッククオリティー：低”に設定すれば、ストレスなく快適にプレイ可能。“ノーマル”でも63FPSほどなので、十分遊べるラインだろう。ただし、“高”ともなると、突然画面がガクガクすることがあった。本作をプレイする場合は“低”か“ノーマル”が現実的だ。
『IdeaPad Gaming 360（15）』はゴリゴリのハイスペック機ではないのに、それなりに快適なのは好感触。美麗なグラフィックは『バトルフィールド2042』の魅力のほんの一端。核はゲーム性にある。多少は設定を落としても本質的なおもしろさは変わらない。
なお、Nvidiaの超解像技術“DLSS”をオンにするとFPSが下がるので、つねにオフに設定しておくといいだろう。
『ストリートファイターV』ベンチマーク
画面品質“最高”の状態で平均“60FPS”を記録した。とくに手のかかる設定変更をすることなく、何も考えずに最高画質のままプレイできる。
※ベンチマーク結果は編集部が独自に計測したものです。
ファイナルファンタジーXIVベンチマーク
計測はフルスクリーンモードで実施。“標準画質（ノートPC）”では非常に快適で、“高品質（ノートPC）”と“最高品質”ではとても快適でプレイできる結果に。計測中は画面がもたつくことなく、スムーズに描画されていた。
どのモードでも問題なく遊べそうだが、リフレッシュレート120Hzのモニターの性能をフルに活かすのならば“高品質（ノートPC）”に設定するのがいいだろう。
【計測結果】
- 標準画質（ノートPC）：非常に快適（17187）
- 高品質（ノートPC）：とても快適（14924）
- 最高品質：とても快適（12730）
※ベンチマーク結果は編集部が独自に計測したものです。
ファイナルファンタジーXVベンチマーク
フルスクリーンで計測すると、3種類のモードで数値が大きく異なった。快適にプレイするには“軽量品質”がベストのようだ。このモードなら100fpsを超えるなめらかな描画で快適に遊べる。
なお、“標準品質”でもプレイに支障はなさそうだが、“高品質”はたまにフレームレートがガクンと下がる場面があった。
【計測結果】
- 軽量品質：とても快適（9234）
- 標準品質：快適（7244）
- 高品質：やや快適（5148）
※ベンチマーク結果は編集部が独自に計測したものです。
3DMark
定番ベンチマーク『3DMark』で計測した結果、Time Spyでのスコアは5490だった。この程度のスコアが出れば、たいていのゲームをプレイできる。フルHDより大きなモニターに出力でもしない限りは快適に遊べるはず。
【計測結果】
- Time Spy Score：5490
- GPUスコア：5205
- CPUスコア：7973
※ベンチマーク結果は編集部が独自に計測したものです。
財布にやさしいお手頃なノートPC
筆者が『IdeaPad Gaming 360（15）』を“ちょうどいいノートPC”と評価した理由がおわかりだろうか。
最新の3Dゲームを最高のグラフィックでバリバリ遊ぶためのPCというわけではないが、そもそもゲームとはそういう派手なものばかりではない。ちょっとした驚きに満ちた秀作PCゲームは、家庭用ゲーム以上に存在している。
まだゲームを遊べるPCを持っていない人が1台目に購入するには、性能と価格のバランスが取れた機種。この先、ずっとPCゲームを遊び続けるか未定だけどチャレンジしてみたい！ という人には適したノートPCだろう。
そもそも、PCの性能の進化はとても早い。同じ機種をこの先何年も使い続けるよりも、いまプレイしたいゲームが遊べる機種を選択し、数年おきに買い換えるのが賢い。とりあえずこの機種でいろいろなゲームをプレイしてみて、性能に不満が出てきたら買い替えを検討する……くらいのつもりで選択するのもアリだ。
フルキーボードと高リフレッシュレートのモニターを搭載しているため、たとえゲームを遊ばなくなっても用途はたくさんある。優れたCPUとGPUのおかげで、文章作成やお絵かき、ビデオ編集など問題なくこなせるし、YouTubeやAmazon Prime Videoの視聴においては贅沢すぎるほど快適。『IdeaPad Gaming 360（15）』はゲームだけでなく、さまざまなエンタメを楽しみたい人にちょどいいノートPCなのである。
おもなスペック
- OS：Windows 10 Home 64bit (日本語版)
- CPU：AMD Ryzen 7 5800H
- 3.20GHz (最大ブースト・クロック: 4.40GHz)、8コア
- GPU：NVIDIA GeForce RTX 3050Ti Laptop GPU 4GB GDDR6
- モニター：LEDバックライト付 15.6型 FHD IPS液晶 (1920x1080ドット、約1,677万色、120Hz) 、光沢なし
- メインメモリ：16GB（8GB×2）
- DDR4-3200 SDRAM SODIMM
- ストレージ：512GB（PCIe NVMe/M.2）
- 本体サイズ：約 359.6×251.9×24.2mm
- 重量：約2.25kg
- バッテリー：3セル リチウムイオンポリマーバッテリー（固定式）
- 使用時間：約7時間
