こんにちは。ファミ通.com編集者のミス・ユースケです。酒を飲んでいます。座右の銘は「酒はだいたい全部うまい」。
僕が飲んでいるのは『真・女神転生V』とコラボした日本酒『大吟醸 直毘神(ナホビノカミ)』。2021年12月1日より予約受付が始まった。
※お酒は20歳になってから!
メロンのようなフルーティーな香り。たしかな旨味と上品な甘さを感じた後にスッと切れていく後味。日本酒に苦手意識のある人がイメージするツンとしたアルコール感はなく、自然に体に入っていく。
日本酒にはお刺身や漬物をつまみに飲むイメージがあると思うが、メロンやスイカ、マスカットみたいなフルーツと合わせるのもよさそうだ。懐が深い。
『真・女神転生V』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)小澤酒造の『澤乃井』と『真・女神転生V』が悪魔合体
『真・女神転生V』の日本酒が出る。『真・女神転生』で思春期がたいへんなことになった(いい意味で)40代としてはこれだけでお祭り騒ぎなのだが、コラボ相手を知ってさらに興奮した。心のバッシュがキュキュッと鳴った。
『大吟醸 直毘神』を醸しているのは、『澤乃井』で知られる小澤酒造(東京・青梅市)なのである。僕も好きでふだんからよく飲んでいるブランドだ。お世話になっております。
販売されるのは、酒造好適米の山田錦を50%まで磨き(※)、低温で時間をかけて仕込まれた“大吟醸酒”。この大吟醸酒というセレクトが絶妙だ。
※磨く:原料となるお米の外側を削ること。度合いは“精米歩合”という割合で表され、精米歩合60%の場合は“お米の内側60%分を使っている”という意味。お米の外側には多くの栄養素があり、酒造りの際にはそれが雑味に変わることも。一般的に、数値が小さいほど華やかで香り高くなりやすい。
今回のコラボで初めて日本酒を買う『真・女神転生V』ファンもいるだろう。大吟醸酒という選択には、ファンへの配慮が見て取れる。
食通はもちろん、日本酒ビギナーでも飲みやすいのが大吟醸酒だからだ。
日本酒には“特定名称酒”という分類がある。“純米酒”とか“純米大吟醸酒”とか、そういう名前を聞いたことがある人も多いと思う。
特定名称酒は8種類あり、中でも大吟醸酒は“米、麹、醸造アルコール”を用いた“精米歩合50%”以下のお酒を指す。純米酒はベースとなる原料が米だけのお酒。本醸造酒や大吟醸酒などはそこに醸造アルコールを加えたものだ。
“醸造アルコール”という名称から科学的な悪いものをイメージする人も多いようだが、要は焼酎である。クリアな焼酎で味を調整するので、すっきりした味わいになりやすい。
日本酒にはフルーツと同じ香り成分が含まれている。その香りを最大限に活かしているのが大吟醸酒だ。すっきりした甘さとフルーツの香り。だから初心者でも飲みやすい。
それに、“別のものを足す”という行為は『真・女神転生』シリーズの悪魔合体を想起させるようでおもしろい。
世間には“純米信仰”があると感じている。お米だけで作った純米酒は醸造アルコールを添加したお酒よりも格上、みたいな。そんなことはない。特定名称酒の基準はランク分けではなくカテゴリー分けだ。
一方で、純米大吟醸酒や大吟醸酒は値段が高い=ランクが高い=ほかのお酒よりうまいと考える人の気持ちもわかる。お米を50%以上磨くので、ほかより多くの原料が必要。きれいに磨くには高い技術が必要。だから高い。シンプルな理由である(時間をかけて熟成させているとか、そもそも生産量が少ないとか、いろいろな理由はあるのだろうけど)。
『真・女神転生』シリーズは周囲の信仰や信念にもまれつつも、自分の道を歩む物語だ。仮に“純米信仰”があったとして、それに抗うのはどこか『真・女神転生』的な気がする。
簡単つまみといっしょに『大吟醸 直毘神』を楽しむ
僕はとくに料理上手というわけではないが、せっかくなので『大吟醸 直毘神』に合う簡単なつまみを考えてみた。
「日本酒には○○を合わせるのが通」的な考えは不要。好きなものを食べればいい。気を付けることがあるとすれば、「大吟醸酒の香りを楽しみたいから、香りは強すぎないほうがいい」とか、それくらいだ。
白菜蒸しのマヨポン和え
さっぱり系の料理なら香りを邪魔しないはず。マヨネーズで味とコクを加えたら『大吟醸 直毘神』の旨味にも負けない。たぶん。
メイン食材には栄養満点の白菜を選択した。冬はスーパーで安く買えるので。
白菜はちぎればいいので包丁もまな板も不要。これをレシピ紹介と言っていいか悩むレベルだ。しゃくしゃくとした食感もあり、お酒が進む。
岩下の新生姜のちくわ&ロースハム巻き
マヨネーズ&ポン酢は万能ソースである。『真・女神転生』の魔法で言ったらメギド系。
これとスーパーやドラッグストアですぐ買える食材を使ってもう一品くらい作ろう。メインは『岩下の新生姜』。
さっき以上に書くことがなかった。『岩下の新生姜』をちくわに詰めるだけ。ロースハムを巻くだけ。そこにマヨネーズ&ポン酢をかけるだけ。
これは『岩下の新生姜』オフィシャルレシピを参考にした(パクらせていただいた)。公式サイトで公開されているレシピでは大葉もいっしょに巻くのだが、ふだん料理をしない人は冷蔵庫に大葉をストックしない。
大葉の爽やかさをマヨネーズ&ポン酢でカバーできそうな気がして試したら大正解だった。お酒が進む進む。
ちなみに、日本酒にはポテトチップスのうす塩味なんかもわりと合う。味の構成要素がじゃがいも、塩、脂とシンプルだから。フライドポテトもおすすめ。
つまみも飲みかたも、これくらい自由でいい。行儀悪く残したりしなければ、おいしく味わったらそれでいい。
『真・女神転生』と日本酒の共通点
『真・女神転生』は『ペルソナ』や『デビルサマナー』といった派生タイトルを生み出してきた源流だ。宗教的なお話も相まって、少し難しい印象はあると思う。
そんな中、『ペルソナ』シリーズがきっかけで『真・女神転生V』に興味を持った人は少なくないだろう。難しいイメージはあったけど、飛び込んでみたら居心地がいい。そして、深さを知ってそこから出たくなくなる。
日本酒もいっしょだ。何となく悪酔いしそう、小難しそう、どんな料理と合わせていいかわからない。そんなイメージはいったん捨てて、とりあえず飲んでみたらいいのだ。酒はだいたい全部うまい。
『大吟醸 直毘神』を飲んで『真・女神転生V』を遊んで、いっしょに沼にはまろうぜ。心地いいよ。
『大吟醸 直毘神』販売ページ