スネークと雷電、ふたりの主人公の物語
2001年(平成13年)11月29日は、日本でプレイステーション2用ソフト『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』が発売された日。本日で発売から20周年という大きな節目を迎えた。
『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(当時)から発売されたステルスアクションゲーム。世界中のゲームファンに衝撃を与えた傑作『メタルギア ソリッド』の続編にして、『メタルギア』シリーズとしては4作目に数えられる作品だ。
つい先日、小島秀夫監督が海外版の発売日だった11月14日に合わせて当時の思い出や裏話をツイートして話題になっていたので、そこで本作の20周年を知ったという人も多かったのではないだろうか。当時のゲーマーたちは約2週間も早く発売する北米がさぞかしうらやましかったに違いない。
なんと、あれからもう20年?!!! https://t.co/MWDnEJfpf7
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo)
2021-11-13 12:14:47
MGS2の冒頭ではスネークが火のついた“歩き煙草”を橋に捨てる。それで発売後にモラルが低いと、皆さんからお叱りを受けた。それでMGS3での輸送機からのHALO降下時には、火のついた煙草をブーツで踏み消す様にした。それでも尚、お叱り… https://t.co/345Ry3nBob
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo)
2021-11-13 14:43:37
これも何処かで言った裏話。最初にMGS2のロゴデザインを発注した時のコンセプトは「MGS Ⅲ」だった。担当者から「どうして“3”なんですか?“2”を抜かしてますよ」と言われた。そこで答えた。「そうやろ、疑問に思うやろ。話題になるや… https://t.co/UnmBASGTVO
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo)
2021-11-13 23:30:39
前作の時点でもリアルな映像表現には目を見張るものがあったのだが、ハードをプレイステーション2に移したこともあってさらなる飛躍を遂げていた。筆者的には“タンカー編”の雨のシーンがかっこよくて、タイトルが表示されるところまでを何度もくり返し観た記憶がある。それにしてもタバコを捨てるシーンで当時お叱りを受けていたとは……あそこがめちゃくちゃイカしていたのだが。
アクション要素もより充実しており、敵兵に後ろから近づいて銃を突きつけホールドアップさせるなど、ほかのゲームにはなかった動作も可能になり、ステルスの楽しさにシビレたりもしたんじゃないだろうか。主観攻撃やエルード(ぶら下がり)、ローリングのような要素も加わって以降シリーズの定番アクションとなっていった。
そして何より、ゲームファンの誰もが驚愕させられたのが主人公の交代劇。当然スネークが主人公だと思っていたのだが、スネークを操作できるのは序章に当たる“タンカー編”のみ。以降は新キャラクターの“雷電”を操作することになるのだから、驚かないわけがなかった。筆者などは最初こそ「誰コイツ?」と思ったものの、いつの間にかスネークとは違うかっこよさに惚れ込んでいた気がする。ちなみに、雷電は『メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』や『メタルギア ライジング リベンジェンス』(主役)にも登場している。
また、文化的遺伝子(ミーム)が物語のテーマとして掲げられていて、インターネット社会における問題を予見するかのような会話やエピソードが多数登場する点も興味深いものだった。シリーズでおなじみの小ネタも満載で、思い出すのが大変なくらいの種類が仕込まれている。無線での笑える掛け合いはもちろん、前作の敵バルカン・レイブンの影が見えたと思ったらフィギュアの影だったなんてオチのネタも。ロッカー内に貼られたクラビアポスターをツンツンしたり、ロッカー内に隠れていかがわしいことをしそうになったりしたプレイヤーも多かったのではないかな。
2002年12月19日には、パワーアップ版の『メタルギア ソリッド 2 サブスタンス』が発売。2011年11月23日には、本作と『メタルギア ソリッド 3 スネークイーター』の移植版を収録した『メタルギア ソリッド HD エディション』が発売された。