スクウェア・エニックスが手掛けるRPG『サガ』シリーズと、佐賀県。“さが”の響きを持つ両者が、初めてコラボレーションしたのは2014年3月のこと。“ロマンシング 佐賀”と謳い、六本木ヒルズのヒルズカフェ/スペースを会場に、特別展示やコラボメニューの販売などが行われた。

 当時は『サガ スカーレット グレイス』(2016年12月発売)はまだ発表されておらず、大きなヒット作となった『ロマンシング サガ リ・ユニバース』(2018年12月サービス開始。そろそろ3周年。以下、『ロマサガRS』)も影も形もないころで、『サガ』ファンとしては、『サガ』に新しい動きがあるというだけで嬉しい状況であり、多くのファンが六本木に集った。

 あれから7年半……『サガ』周辺の動きはとても活発になった。『サガ スカーレット グレイス』や『ロマサガRS』、『インペリアル サガ エクリプス』などの新作がリリースされたほか、過去作のリマスター版が発売されたり、コンサートが開催されたりと、数えきれないほどのコンテンツが生まれた。

 そして、『サガ』の盛り上がりとともに、佐賀県とのコラボもどんどんスケールアップしていき、2021年11月、佐賀県の3つの温泉地(リージョン)を舞台にした“ロマンシング 佐賀 2021”が、ついにスタートしたのである。

『サガ』と佐賀県のコラボ“ロマンシング佐賀”の新企画、“SaGa風呂”をリポート! 3つの温泉地(リージョン)を巡り、コラボマンホールなどを楽しもう
ロマンシング 佐賀 2021 特設サイト

 ちなみに『ロマサガRS』のゲーム内では、2021年7月に佐賀コラボイベントが開催されており、プレイヤーは佐賀県を舞台にした“制圧戦”を楽しむことができた。この佐賀県のマップが非常に細かく作り込まれていて、プレイしながら「あ~、佐賀県行きたいわ~」と何度も思ったものである。とはいえ、当時はまだ、気軽に旅行に行けるような状況ではなかった。

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『サガ フロンティア』、『サガ フロンティア2』のボスキャラが温泉を楽しんでいたりと、見どころ満載だったSaGa風呂制圧戦。

 それから数ヵ月。コロナウイルスの状況がようやく落ち着いてきたいま、満を持して、佐賀県でのコラボイベント開催となったのだ。

 先ほど紹介した通り、今回のメイン舞台は3つの温泉地。佐賀県にある“武雄(たけお)”、“嬉野(うれしの)”、“古湯(ふるゆ)”という温泉地で、“SaGa風呂(サガフロ)”をテーマにしたコラボレーション施策が展開されている。『サガ』キャラクターが描かれた有田焼陶板のモニュメントや、特別デザインの下水道マンホールなどが来訪者を出迎えてくれるのだ。さっそく、各地の見どころを紹介していこう。

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佐賀空港などで配布されている“冒険ガイドブック”を手に、いざリージョンの旅へ!
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武雄、嬉野、古湯では、スマートフォンアプリ“SAGATOCO”と連携したデジタルスタンプラリーが開催中(2022年2月28日まで)。
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デジタルスタンプラリーをクリアーして、“アイテム交換所”に指定された場所を訪れると、ロマ佐賀マンホールステッカー10種セットがもらえる。ぜひチャレンジを!

※もらえるステッカーのデザインは、どの温泉地でも同じもの。また、なくなり次第終了となる。
※温泉地によって、アイテム交換所の営業時間は異なる。また、嬉野のアイテム交換所は木曜定休、古湯のアイテム交換所は水曜定休。ほか、年末年始などに休業する場合もあるので、事前に調べておこう。

武雄 ヒーローの如くアツいお湯が待つ

 温泉地のひとつ、武雄の特徴は、お湯が高温であること。源泉の温度は、なんと約52度。色は無色透明で、疲労回復に効果があるそうだ。

 このリージョンには、『サガ フロンティア』(以下、『サガフロ』)のアルカイザー&レッドが描かれた有田焼陶板と、5つのマンホールが設置されている。マンホールに描かれているのは、エミリア、T260G、アセルス、レッド、クーンという、『サガフロ』の主人公たちだ。

 ロマンシング 佐賀 2021開催初日である11月8日には、この武雄の地で、オープニングセレモニーが開催。佐賀県知事の山口祥義氏、武雄市長の小松政氏、『サガ』シリーズプロデューサーの市川雅統氏、『サガ』シリーズ総合ディレクターの河津秋敏氏が参加し、“Romancing 佐賀 2021”の開催を祝った。

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『ロマサガRS』をプレイしているという山口知事。お気に入りのキャラクターはコーデリアとのこと。
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コラボに関してたくさんの問い合わせがあった、と盛り上がりを喜ぶ小松市長。来年秋、武雄市では新たに新幹線“かもめ”が開業予定。ロマ佐賀と新幹線の相乗効果で、佐賀県のさらなる盛り上がりが期待される。
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高温で焼かれた有田焼陶板は、鮮やかな色合いがかなり長持ちするという。何年経っても、色鮮やかなレッドが出迎えてくれると思うと、胸熱ですね。
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カラフルで目を引くコラボマンホール。これだけ色を使うマンホールは珍しいそうで、制作には苦労したそうだ。
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武雄の中でも記者イチオシのマンホールは、アセルスの横顔が印象的な、武雄市役所前のマンホール。小林智美氏の繊細なイラストを再現したマンホールは一見の価値アリ。

 また、武雄を訪れたら、同地のシンボルである朱塗りの楼門もチェックしよう。赤レンガの東京駅などを設計したことで知られる著名な建築家、辰野金吾氏が手掛けた門だ。

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楼門は現在改修中のため、全景を味わうことはできないが、上部分だけでも見ておきたい。
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楼門の先にある、入泉券販売所。各湯の温度が表示されているのだが、よく見ると45度超えのお風呂もある! さすが熱さで有名な武雄温泉。

嬉野 妖魔のような美肌を目指すならココ

 “日本三大美肌の湯”と言われる嬉野温泉。この地にある嬉野温泉公園には、アセルスと白薔薇姫という、麗しいふたりの有田焼陶板モニュメントが設置されている。

 また、足湯を楽しめる“湯っつら広場”、“シーボルトの足湯”、“湯宿広場”には、『サガ』キャラクターのパネルが設置されている。足湯で旅の疲れを癒しつつ、撮影を楽しもう。

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あいにくの雨だったが、しっとりと濡れた有田焼モニュメントも趣がある。
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足湯を楽しむ市川P。運営の疲れを癒してください。

 また、嬉野にある“すーべにあしょっぷ笑蔵”では、“SaGa風呂 湯みくじ”が販売中(1回300円)。お湯につけると、ラッキーキャラクターやラッキーアイテムが浮かび上がってくるというおみくじだ。ここでしか購入できないので、お見逃しなく。

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記者も湯みくじに挑戦。タリアさんでした。やっぱり佐賀県と言えば有田焼……ありた……タリアさんですよね。
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嬉野に来たら、名物の温泉湯どうふも食べておきたい。『ロマサガRS』で、SSスタイルのリッチ[豆腐はアニマを養うぞ]が食べていたヤツです。
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嬉野の名所のひとつ、公衆浴場“シーボルトの湯”。江戸時代に、日本近代医学の父とも言われるシーボルトが利用したというエピソードから、この名が付けられたとか。

古湯 雄大な自然とナイツ一行がお出迎え

 約38度という、ぬるめのお湯が特徴の古湯温泉。この地には、『サガフロ2』のキャラクター、ジニーとウィルが描かれた有田焼陶板モニュメントと、5つの下水道マンホールが設置されている。

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マンホールに描かれているのはミーティア、コーデリア、グスタフといった『サガフロ2』キャラクター。
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ジニーのマンホールは、“古湯温泉 山水”という旅館の前にある。山水の外観も素敵なので、ぜひチェックを。

 古湯温泉の見どころは、なんといっても豊かな自然。広がる山々を眺めながら温泉を楽しめる。喧噪を離れてゆっくりしたい人にオススメだ。

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古湯の観光スポットのひとつ、嘉瀬川にかかる赤い橋(宮淵橋)。グスタフとウィルのマンホールにも描かれている橋だ。
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自然に囲まれたこの地で温泉に浸かれば、水のアニマを感じられる……かもしれない。

佐賀駅~佐賀本丸歴史館周辺

 せっかく佐賀を訪れるのなら、温泉地以外にも足を延ばしたいところ。
 昨年(2020年)、佐賀駅から佐賀本丸歴史館までの道のり(約2.5キロ)に、『サガ』とのコラボマンホール7つが設置された。SAGATOCOアプリを利用すると、この7つのマンホールを巡るデジタルスタンプラリーが楽しめる(2022年2月28日まで)。

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佐賀の風景を楽しみながら、ポルカ、アルベルト、ウルピナ、ギュスターヴ、カタリナ、最終皇帝、アセルスのマンホールをチェック!

 7つのスポットを巡って、“サガ工房 バルーンミュージアム店”に行くと、“2020年版 ロマ佐賀 マンホールステッカー7種セット”がもらえる。武雄、嬉野、古湯で配られているものとはデザインが異なるので、『サガ』ファンなら、こちらもゲットしておきたい。
※ステッカーはなくなり次第終了。

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佐賀空港

 佐賀の窓口となる佐賀空港の1階には、閃きの電球を模した『サガ』バルーンが設置されている。

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 また、2階では“ロマ佐賀2021 空港写真展”が開催中で、佐賀の名所を観光する『サガ』キャラクターの写真の数々が飾られている。飛行機が飛び立つまでの時間、これらを眺めながら“ロマ佐賀”の余韻を味わおう。
※展示は2021年12月31日までを予定。

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2014年のコラボ時に小林智美氏が絵付けした有田焼大皿も展示。最終皇帝たちの凛々しい姿が印象的。

 また、佐賀空港に来たら必ず食べてほしいのが“ねんがんのブラックモンブラン”(300円)。九州の皆さんにとってはソウルフードと言われるブラックモンブランの、空港限定デザインバージョンだ。

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どんなに欲しくても、「うばいとる」は禁止! 佐賀工房 空港店にて購入しましょう。

 ほか、ロマ佐賀グッズとして、“SaGa風呂タオル”やクリアファイル、ポストカードセットも発売中。『サガ』と佐賀の思い出を振り返るのにぴったりなアイテムだ。

 もちろん、有田焼や嬉野茶、有明海苔といった佐賀の名産品も、空港にて購入可能。とくに、『ロマサガRS』プレイヤーなら、“ワラスボ”の干物はマストバイ。ボスモンスターとして登場したアイツはどんな味なのか、ぜひ確かめてみてほしい。

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SaGa風呂制圧戦のレイドボスだったワラスボは、有明海に生息する珍魚。
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『ロマサガRS』のSSスタイルのジニーちゃん[お土産が楽しすぎる]が手に持っているのがワラスボの干物。
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佐賀県内の飲食店でも、ワラスボを食べられるところがある。佐賀県内で食すのもいいですね。