楽な姿勢でゲームをするなら、クロスプラスのゲーミングクッション『ねおちピロー』である。2021年春に記事で紹介したら大きくバズった。
おもに下の写真のようにうつ伏せで使い、肩や腰、首の負担を和らげるグッズだ。体をいたわる構造をプロ指圧師が高く評価したうえ、撮影モデルさんは「めっちゃ楽!」と連呼していたので胸を張っておすすめできる。
これを広く知ってもらいたい。そのためには伝道師が必要だ。
そこで、『ねおちピロー』が似合う人を“ベストねおちピロニスト”に選出。表彰させてもらうことにした。
YamatoN氏はまじで「何?」という顔をしていました。
※取材は感染対策を徹底して行い、撮影時だけマスクを外しています。
諸先輩方にならってYamatoN氏を選出
ファミ通.comが選んだベストねおちピロニストはYamatoN氏。プロゲーミングチーム・DETONATOR所属のストリーマーだ。
【YamatoN氏の経歴】
- 2007年頃からPC用オンラインFPSのプレイヤーとして頭角を現す
- 『クロスファイア』や『AVA』など、数々のタイトルで日本一の座を獲得
- 『オーバーウォッチ』のプロゲーマーとして活動後、ストリーマーに転向
- Nintendo Switchやスマホのゲームなども積極的にプレイ
- 『PUBG Mobile』公式大会の解説者などを務めている
現時点ではYamatoN氏は『ねおちピロー』ユーザーではない。選考理由は以下の2点。
- 似合いそうだから
- 使ってほしいから
ベストジーニストには「活躍がジーンズ・スピリットに相通ずるものがある人」、日本 メガネ ベストドレッサー賞には「今後メガネをかけてほしい人」という選考基準がある。諸先輩方にならい、これから愛用してほしい人を選んだ。
さて、ここからはYamatoN氏を『ねおちピロー』沼にずぶずぶに沈めてやろう。
長時間ゲームプレイや映像視聴と好相性
何はともあれ、まずはふつうに使ってもらう。
YamatoN氏の最初の感想は「眠くなってきました」。回答が完璧すぎて台本の存在を疑ってしまった。
そう、『ねおちピロー』でうつ伏せになると純粋に寝心地がいいのである。秘密は本体の立体構造。ラインに沿って腕を乗せると中央部分が盛り上がり、胸をやわらかく支えてくれる。
通常、うつ伏せで腕を突っ張ると肩、首、背中が痛くなってくるもの。そこで『ねおちピロー』の出番だ。体重を預ければ重みを分散できる。

背筋が伸びるのも気持ちいい。ずっとゲームしていると、背中が丸まって猫背になっちゃうんです。たまにうつ伏せになるのはいいですね。
頭痛や肩の痛みの原因になる猫背は、多くの人に共通する悩み。長時間デスクやテレビに向かった後は、背中のストレッチがてら『ねおちピロー』でうつ伏せになるのは大いにあり。
うつ伏せが気持ちいいとはいえ、同じ姿勢が続くと体が強張ってしまう。快適な睡眠に寝返りが欠かせないのと同じ理屈だ。
その点も『ねおちピロー』は抜かりない。形が安定しているので姿勢を変えやすいのである。横を向いても耳や肩の収まりがよく、体型に合わせて位置を微調整できる。
『ねおちピロー』は本体に穴が開いていて、僕はこれを“幸せを邪魔しない穴”と呼んでいる。寝落ちして顔をガクッと落としても鼻を痛めないのだ。加えて、通気性がいいので呼吸の妨げにもならない。
お休みの前日など、夜更かししてゲームや読書をしたい人は少なくないと思う。あの独特の浮遊感&多幸感たるや。
顔にダメージを負う心配は不要なので思い切り気を抜ける。理論的には長時間にわたってゲーム配信を観る人とも好相性と言えるだろう。
これはYamatoN氏をベストねおちピロニストに選んだ理由のひとつ。彼は日常的に長時間ゲーム配信をしていて、10時間以上に及ぶこともしばしばだ。

最初からずっと見てくれる人もいます。
どちらかが先に手を引いたら負けのチキンレースでもやっているのだろうか。ともあれ、それだけ長時間となるとファンの姿勢も心配だ。そこで『ねおちピロー』の出番である。
想像してほしい。とある日の昼下がり、『ねおちピロー』で寝転びながらタブレットでゲーム配信を視聴。好きなストリーマーの声を聴いていると、ついうとうとしてしまい、そのまま夢の中へ――。
What a wonderful life.
健康的とは言い難いが、たまにはそういう日があっていい。心には栄養が必要である。

ゲーミングチェアも疲れないですけど、それよりもさらに体勢を選ばないから、どんな人でもリラックスできるのは長所ですよね。

お家でのゲーム大会観戦にもいいですよ。ゲームによっては1試合あたり30~40分。緊迫するシーンが続くと疲れますもん。体勢だけでも楽にしておけるのはすごくいい。
ゲーム大会はもちろん、NetflixやAmazonプライム・ビデオなど、いまは観たい映像コンテンツが花盛り。寝心地のいい厚手のクッションは、この時代を生き抜く必須アイテムと言えるだろう。
かわいい専用カバーをつけて、YamatoN氏もかわいく撮影
いろいろな姿勢を試しているうちに、YamatoN氏も『ねおちピロー』が気になってきた様子。質問や意見が出てくるようになった。
新たな才能に気づいた瞬間

かわいいデザインが増えたらもっとウケるのかなって気がしますね。女の子のゲーマーも視聴者も増えてますし、かわいいもの好きな男の人も多いじゃないですか。

YamatoNさん。

はい?

あります。
かわいいの象徴と言えば、もこもこ素材。『ねおちピロー』は専用カバーも販売されていて、中にはもこもこ素材バージョンもあるのである。
もこもこカバーを装着すると触り心地がアップ。少しぬいぐるみっぽくなるのでアイドルが抱っこしているような写真を撮りたい。
せっかくなので、かわいいもこもこ素材の服を着てもらった。DETONATOR公式グッズにはこういうアパレルもあるのだ。
かわいいルームウェアとピロー(枕)と言えば、羽根がふわーっと舞うアイドルのMVである。ベッドの上で『ねおちピロー』を持った何人かがはしゃぐ映像を撮りたかった。
だが、ビーズクッションなので破れたら地獄を見ることに気付いて諦めた(簡単には破れないので心配は不要なのだが、それだとただクッションで殴り合うだけの画になってしまう)。
この辺の写真はアイドルをイメージ。かわいい写真を撮りたかったわけだが、ときおりYamatoN氏が敵を殺す目をするので何度か撮影が中断した。

あ、すみません。敵を撃ち殺すゲームが好きなもので。
癒しグッズの取材に殺気を持ち込まないでほしい。
なお、『ねおちピロー』本体は7色展開で、チャコール、コーヒー、ネイビー、ミント、グリーンの5色は単色。
記事の序盤でYamatoN氏が試用しているリーフやブロックはおしゃれで部屋にもなじみやすい。
カバーを交換すれば洗濯しにくいという大型クッションの弱点も克服。もこもこ生地は保温性が高いので秋冬シーズンに活躍するのは間違いない。

かわいいと言えば、ちっちゃいのもあります。

かわいっ!
これは通常版の半分ほどのサイズの『ねおちピロー ミニ』。小さいので取り回しがしやすく、デスクワークで肘置きにしたり突っ伏して休憩するときに非常に便利。
ここで、YamatoN氏が「あれ?」と声を上げた。ミニを膝に置き、肘を支点にスマホをぐりぐりと傾けている。

これ、僕たちが求めていたものかもしれません。

肘を置くとジャイロ操作が安定するんですよ。デスクに肘を置いたり(体を横に傾けて)ゲーミングチェアのアームレストに片肘だけ乗せたりする人もいますけど、ちょっと疲れるんですよね。
にわかに興奮しているのがおわかりだろうか。明らかに説明に熱が入っている。

クッションが柔らかいだけでもだめですから。肘が沈み過ぎると可動域が狭くなるかもしれない。この形が大事。すごい可能性を感じます。
モバイルシューティング『PUBG Mobile』、Nintendo Switch版『Apex Legends』、『スプラトゥーン2』など、ゲームパッドや本体を傾けるジャイロ操作を併用するゲームは多い。
プロ指圧師の斎藤充博氏は、以前の記事で「肘や前腕部を支えたら『スプラトゥーン2』がうまくなった」と言っていた。攻略情報は徐々に広まっていくものだが、“肘の置き場所”はいまだに答えが出ていないという。
クッションなら何でもいいというわけでもない。そもそも適度な柔らかさで形状を維持できて膝の上に置きやすく、厚みやサイズ感がちょうどいいクッションは珍しい。
サイズの好みは個人差があるだろうから、より高い位置に肘を置きたい人は通常版の『ねおちピロー』を。もこもこカバーをつければ肌触りも気持ちいい。
商品紹介記事のはずが、力技の攻略情報が生まれてしまった。ジャイロ操作を極めたい人は『ねおちピロー』を試してみてほしい。
でかいとそれだけでおもしろい

こうなると、サイズのパターンがいろいろあるといいかもしれませんね。もう少し大きいのとか。

YamatoNさん。

はい?

あります。

『ねおちキング』です。

笑う。
“もう少し大きい”どころではなかった。たいていのものが大きくなると笑えてくるように、でかい『ねおちピロー』もそれだけでおもしろい。
ちなみに、まだサンプルだけで商品化は決まっていないらしい。取材に同席していた商品担当者さんはノリで作ったと言っていた。テンションに任せて製品を作るな。
しかし、これがまためちゃくちゃ寝心地いいのだ。本体から伸びた足みたいな部分が体を両脇から包み込んでくれるなど、既存の大型ビーズクッションとはアプローチの方向性が異なる。
『ねおちキング』はどこまでも使用者を甘やかす。よくできたうつ伏せ用クッション『ねおちピロー』が包容力を手に入れてしまった。
製品化は未定ではあるものの、「商品化希望の声が多かったら受注生産で販売できるかも」とのこと。ほしい人はクロスプラス公式サイトからお客様の声を送ろう。
『ねおちピロー』がゲームの試合会場に持ち込まれる未来

そもそも、どうしてこんなクッションを作ろうと思ったんですか? やっぱり、ゲームがお好きなんですよね。
単なるビーズクッションではなく、長時間使うための工夫もなされている『ねおちピロー』。幸せを邪魔しない穴などは、限界までゲームをしたりスマホを使いたい人じゃないと、なかなか出ない発想だと思う。
その辺の制作秘話をデザイナーの相田夏実さん(冒頭のフォトセッションにも登場)に教えてもらった。

YamatoNさんみたいにすごいゲーマーというわけじゃないんですけど、『あつまれ どうぶつの森』にハマっちゃいまして。ふだんからうつ伏せ派なので、ゲームもうつ伏せでやってたんですよ。

それで2~3時間やってるうちに腕とか肘が痛くなることに気づいた、みたいな?

あ、いえ、13時間ほど。
ストリーマーやプロゲーマーならともかく、1日13時間はなかなかの数値である。YamatoN氏の想像よりも一段上だったようで、「ゴクリ……」みたいな表情をしていた。
うつ伏せでゲームを遊ぶと体が痛くなる。だから専用枕(クッション)を作って解消しよう。ゲーマーにとってこれほど心強い話はない。
全国のゲーマー会社員のみなさんには、どんどん公私混同して僕らのための商品を作ってほしい。

ふつうのクッションじゃだめなんですか?

全部伸びる素材で作ると横にビーズが流れてしまうので、体をうまく支えられないんですよ。『ねおちピロー』は肌に触れる部分は柔らかくて伸びる生地、支える部分は伸びない生地を使って形を維持しています。
YamatoN氏は「大きいのはリラックスできて、本気でゲームをやるならミニが気になりました」とのこと。たしかに、小回りが利くのはいい。

ミニは旅行に持っていけなくもないサイズですよね。モバイルゲームの試合会場に持ち込んでいいかも。“クッションの持ち込み不可”なんて大会規定はないと思いますし。
スマホはみんなが持っているということもあり、モバイルゲームの競技シーンは徐々に拡大中。YamatoN氏が解説を務める『PUBG Mobile』では、賞金総額およそ6億円の世界大会も発表されている。
「モバイルシューティングの周辺グッズは開拓の余地があると思います」と、YamatoN氏。スマホひとつで遊べるのでプレイ環境を整える人は少なく、だからこそ今後増える可能性もある。

浸透してるのは指サックくらいかな。試合会場で『ねおちピロー』を使ったら盛り上がりますよ。「何あれ!?」って。海外でもウケるかも。「Neochi! Neochi!」って。

でかいほうの『ねおちピロー』を持って入場したら、それはそれでおもしろい。
SushiやKawaii、Mangaのように、“Neochi”がそのまま海外に浸透したらおもしろい。本来の意味とは違う広まりかたをするだろうが、それもまた一興。
相田さんとしてはこの発想はなかったらしく、熱のこもったYamatoN氏の語りを聞いてしきりに感心していた。

『ねおちピロー ミニ』は仕事のおとも用に作ったんですよ。会社のデスクで寝れますし、いまはテレワークが普及しているので、ちょっとしたときにお昼寝するのもいいなと思いまして。

お昼休みに使えるのはよさそう。やっぱり(クロスプラスでも)使ってる人は多いですか?

けっこうみんな使って寝てますね。

ミニじゃなくて通常サイズの『ねおちピロー』を使ってたら、人事には豪胆な精神力を評価してほしい。
YamatoN氏は『ねおちピロー』で仮眠を取っている様子を配信したらいいんじゃないかと思う。需要ありそう。

ゲーマーの方にはどの色が好まれると思いますか?

やっぱり黒系なのかなあ。ゲーミングPCとかデスク周りは黒が多いですからね。そこに馴染むものと考えると黒なのかなって。あとはLEDを仕込んで1677万色に光るとか。

寝落ちしようってのに落ち着きを取っ払うな。

ゲーミングチームのコラボカバーもいいですね。そういうファングッズがあったらおもしろいと思います。

今回は企画をいくつか考えていて、中には“ミシンでかわいいオリジナルカバーを作ろう”ってのもあったんですけど、通らなかったんですよ。

もこもこのかわいいカバーが公式であるんだから作る必要ないじゃないですか。
ぐうの音も出ないほどの正論である。
競技にも使えるゲーミングデバイスの一種
以前の記事ではプロ指圧師から認められ、今回はガチゲーマーの視点からさらなる可能性を見出された『ねおちピロー』。
ふだんの取材ではある程度の流れを想定しつつ、話がおもしろそうな方向にそれたら身を委ねるようにしている。そんな中、『ねおちピロー ミニ』への食いつきは想定以上だった。
まさか競技にも使えるゲーミングデバイスの一種として認識しようとは。YamatoN氏はたまにサイコパスな発言をすることで知られている。ひやひやすることもあるが、今回のような意外性ならウェルカムである。
力を抜いてうつ伏せでゲームをしたい人も、本気で競技性の高いゲームに挑みたい人も、『ねおちピロー』をどうぞ。

そう言えば、どうして僕だったんですか?

『ねおちピロー』は携帯端末とかコントローラーを持ってゲームするときに便利なので、いろいろなゲームをやってる印象がある人がよかったんですよ。PCを使うときのクッションにしてもいいし。

本心は?

いじっても怒らないかなと思って。

おい。
YamatoN氏の愛称は“石油王”。過去の記事で、僕が冗談で石油王の恰好をさせたことがきっかけだ。
今回はアイドルみたいな写真を撮りたかったので、個人的にお願いごとをしやすかったというのもYamatoN氏を起用した理由のひとつである。
記事制作協力:竹内白州