いよいよ本日より発売した(※)、人気ミリタリーFPSシリーズ最新作『コール オブ デューティ ヴァンガード』。その発売に先駆けてメディア向けのマルチプレイモードとゾンビモードの体験会が行われたので、今作の特徴をまとめつつ、プレイした感想をお届けしよう。(※編注:家庭用ゲーム機は発売中。PC版は日本時間の5日午後1時解禁)
相変わらずテンポが速い! マルチプレイ編
まず『コール オブ デューティ』シリーズのマルチプレイ対戦といったら、展開の速いゲームテンポが特徴的と言えるだろう。中でも敵との撃ち合いに関しては比較的TTK(Time To Kill。接敵から決着がつくまでの時間)が速く、サクサクと進行する対戦が人気の要因の1つと言っても過言ではない。
では、本作はどうか? その答えは「変わらず速い」と言える。実際に筆者は「これこれ、この速さこそコール オブ デューティーだよな」なんて思いながらサクサク感も含めて大いに楽しませて頂いた。
ポイント1: 世界の4つの戦線から兵士&マップが登場
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を扱った『コール オブ デューティ ワールドウォーII』と異なり、本作はヨーロッパ東部戦線、西部戦線、北アフリカ戦線、太平洋戦線が舞台。世界各国からマップやオペレーター(使用キャラ。能力の違いはなし)が登場する。
またマルチプレイのコアモードのマップは16種類(これとは別に本作の新モード“チャンピオンヒル”用のマップが4種類ある)。東西のヨーロッパにはじまり、東南アジアのジャングルや乾燥した北アフリカの戦場など、こちらもバラエティに富んだ感じとなっている。
- BERLIN ドイツのベルリン
- BOCAGE フランスの農村地帯
- CASTLE 日本マップ
- DAS HAUS ナチスドイツによるホワイトハウス攻略のための想定練習場
- DECOY こちらもいわゆる練習場系のマップ
- DEMYANSK ソ連のデミャンスク
- DESERT SIEGE 北アフリカの砦
- DOME ナチスドイツの国会議事堂が舞台
- EAGLE'S NEST 総統閣下の別荘“ケールシュタインハウス”がモデル
- GAVUTU ソロモン諸島ガブツ
- HOTEL ROYAL パリのホテルの屋上周辺
- NUMA NUMA ソロモン諸島ブーゲンビル島
- OASIS 北アフリカのオアシス
- RED STAR 雪のスターリングラード
- SUB PENS 潜水艦基地
- TUSCAN イタリアのトスカーナ
ポイント2: 新ルールの“パトロール”は要チェック!
体験会で実際にプレイできたルールは下記の5種類。その一覧を下に書き記すと同時に、今回新しく追加されたルールについても触れておこうと思う。
- サーチ・アンド・デストロイ
- 攻守に分かれて爆弾の設置やその阻止が目的
- ドミネーション
- 3つの目標エリアがあり、エリアが制圧下に入るとスコアが加算されていく
- キルコンファームド
- 倒した敵の落とすドッグタグを集めて規定のスコア到達を目指す
- ハードポイント
- 指定されたエリアを制圧しているとポイントが入る
- パトロール
- ハードポイントの目標エリアが常に移動し続ける変則的ルール
このうちパトロールが本作で新たに収録された遊び方だ。ハードポイントのように指定されたエリアを制圧してポイントを稼いでいくのだが、その中にプレイヤーが進入するとエリアが動き出し、それについていかなければならない、というギミックになっている。
また、この目標エリアの移動はマッチ毎に変わる仕組みとなっている点も注目すべきだろう。制圧している側に対し、“取り返そうとしている側が事前に予測される進行ルート付近の建物で待機し、近付いてきたら強襲する”という戦い方もできそうだ。
実際に遊んでみたところ、常にエリアが移動するのが制圧している側にも結構な負担で、敵がどこから襲ってくるのかビクビクしながら守ることになったり、逆に待ち伏せからの奪還が成功したり、エリアが想定したルートを通らずヤキモキしたり、素直に面白かった。「戦術が固定化されやすいルールに一工夫を入れるだけで大きく変わるなぁ」といったところだ。
ポイント3: キルスト&フィールドアップグレード一覧
またCoDのマルチ対戦で忘れてはならないのが、連続キルを続けることで追加の兵装などを得られるキルストリークと、通算キルによって得られるフィールドアップグレードだ。本作もこれらの要素は強力なものが多い。自分のプレイスタイルに合わせて選択し、使えるようになったら発動させて敵をしばき倒そう。
- キルストリーク
- 3キル
- インテル 一定時間使用者の周りの敵を表示する。効果は使用者にのみ
- 4キル
- ケアパッケージ ランダムなキルストリークを取得
- 偵察機 敵の位置を味方のミニマップ上に表示
- カウンター偵察機 それを阻害
- 5キル
- 滑空爆弾 投下された爆弾を上空視点から操作して落とす
- 迫撃砲 フレアキャニスターを投げてエリアをマークし、迫撃砲を放つ
- ウォーマシーン セミオート式グレネードランチャー。弾薬を使い切るまではデス後も継続
- 6キル
- 番犬 持ち場を守ったり、ついてくるよう命令可能
- 機銃掃射 マークした目標エリアに機銃掃射を行う
- 7キル
- 爆撃機 敵が密集しているエリアに3回爆撃をくわえる
- デスマシーン 炸裂弾を装填した機関銃を装填。弾薬を使い切るまではデス後も継続
- 8キル
- 緊急救援物資 ケアパッケージを3つ投下
- 9キル
- フレイムノート 燃料無制限の火炎放射器と防護服を装備する。デス時に両方消滅
- 10キル
- 軍用犬 近くの敵を一定時間攻撃する軍用犬の群れを呼び出す
- 焼夷弾爆撃 指定のエリアを直線状に焼き尽くす。鎮火するまで敵が通ることができない火炎を発生させる
- 12キル
- 位置情報探知 一定時間敵の位置と方角をマップ上に表示する。
- 3キル
- フィールドアップグレード
- サプライボックス。自分とチームメート用の弾薬と装備が入った箱を投下。撃たれると爆発
- ゴリアテ 爆薬付きの遠隔操作可能な小型車両。30秒経過すると自動的に爆発するが、任意のタイミングで爆破可能
- デッドサイレンス 足音を抑えて、偵察機・インテル・フィールドマイクに感知されなくなる。銃、近接、投げナイフキルにより持続時間がリセット
- ジャマー 敵のミニマップに妨害
- デプロイカバー 遮蔽物を設置して身を守れる
- アーマープレート ボディアーマーを装備し、ボディへのダメージを壊れるまで防ぐ
- フィールドマイク 設置物。近くの敵の動きをミニマップに表示
- 戦術マーカー 次のスポーン地点を指定
- デッド・ドロップ キルストリークスコアを記録し、次のリスポーン時にスコアを還元
ポイント4: 壊せる障害物の登場
今作では、マップ上のさまざまな場所に破壊可能な障害物が存在している。これらを壊すと新たなルートや射線がひらけ、ゲームに変化をもたらせる仕様だ。
また、あえてちょっとだけ壊して反対側が見える程度のピークホール(のぞき穴)を作っておき、敵が通りかかったタイミングでそこから攻撃を仕掛けるといった利用も可能だ。序盤はこの手であっさりやられないように注意しよう。
逆に、サーチ・アンド・デストロイのようなルールではあえて壁を破壊しないで放置しておいて、鳴子のように破壊音で敵の位置を知るといったこともできるだろう。たかが壁ではあるが、使い方によっては武器にもなるのだ。
ポイント5: 銃のカスタマイズに銃弾のバリエーションなども増加
過去作通り、マルチプレイを遊び続けていると使用している武器のレベルが上がっていく。このレベルが上がると、サイトを追加して照準を見やすくしたり、銃身のブレを低減させるストックなどのアタッチメントが利用可能になる。
また今回は銃弾のバリエーションが増えていて、使用する弾薬をホローポイント弾や焼夷弾に変え、副次効果を狙うと言ったこともできる。銃弾のアンロックは結構中盤以降のレベルになるので時間がかかるが、自分のプレイスタイルに合う構成を遊びながら探すといいだろう。参考までにドイツ軍のサブマシンガンMP40ではどういった弾薬があるかを紹介しておく。
- FMJ弾(フルメタル・ジャケット)
- 亜音速弾
- 焼夷弾
- ホローポイント弾
- フランジブル弾
- 長尺弾
ポイント6:銃のマウントは自由度がアップ
使用している銃は遮蔽物の縁などにマウント(固定)することが可能だ。過去作でもマウントさせることは可能だったのだが、一度マウントしてしまうと解除しない限りその場所から移動することができなかったり、射角外からの攻撃に対応できないというデメリットが生じていた。
今作ではこのマウントさせた状態を維持しながら、左右へ固定位置のスライドといった感じで自由度がアップ。これにより、これまで射角外の敵には攻撃できなかったが、固定位置をずらすことで対応できるようになり、マウント時に問題となっていたリスクが大幅に減った。これにより、ライトマシンガンなどの機関銃がより扱いやすくなるのは間違いないだろう。
新システムでプレイの流れが一新されたゾンビモード編
『コール オブ デューティー』シリーズでマルチプレイモードと負けず劣らず人気のあるモードがゾンビモードだ。最大で4人のプレイヤーで遊ぶことができ、ラウンドが増すごとに凶悪になっていくゾンビの軍勢を撃退するといった内容。ここではマルチプレイとは一風異なるPvEのゾンビモードについて触れていく。
オカルティックな新システム“神器”と“盟約”
今作のゾンビモード“デア・アンファング”(ドイツ語で“始まり”)では、ナチスのゾンビ軍団に対抗するためにダークエーテルの世界の神的な存在と契約し、その神器を装備に加えて戦うことになる。
神器はプレイヤーやその味方に影響を与える特殊能力となっており、ゾンビを倒してポイントを稼いでいくとチャージされて使用可能になる。その能力はいずれも非常に強力だ。ローンチ段階で登場する4つの神器の能力とその主は以下の通り。
- 破壊者インビクター
- インビクターの剣(リング・オブ・ファイア) リング状に炎を放ち、15秒間中にいる味方のダメージを増加させる
- 黒魔術師ベルカール
- ベルカールのマスク(エーテルシュラウド) 5秒間ダークエーテルの世界に姿を隠す
- 征服者ノーティスカス
- ノーティスカスのホーン(フロストブラスト) 極寒の渦を召喚し、初撃でダメージを与えるとともにスロー効果を与える
- 暗闇のサラクシス
- サラクシスのドラゴン(エナジーマイン) エネルギーでできた機雷を発生させ、接近した敵に大きな爆発ダメージを与える
こちらはロードアウト画面で装備の一部として設定できるので、事前にセッティングしておくといいだろう。次に説明する“盟約”と組み合わせることで特殊効果のコンボを構築でき、より戦いを有利に進められるはずだ。
“盟約”は、最大3つ持てる特殊効果。ラウンドが終わるごとに手に入る“心臓”を消費することで、ランダムに提示される3つの盟約からひとつを選び、手持ちのものと入れ替えられる。盟約の効果は下記(名称は英語版のもの)。
- Bloodlust 近接ダメージ向上+近接に回復能力がつく
- Resurrectionist ダウンした仲間の蘇生作業が速くなる
- Brain Rot 確率で敵を仲間につけられる
- Cryofreeze 確率で敵にスロー効果を与える
- Death Blow クリティカルキルで弾が弾倉に返ってくる
- Ammo Gremlin 使ってない側の武器が自動リロードされる
- Dead Accurate 攻撃の連続ヒットでボーナスダメージが入る
- Splatterfest 爆発物で死んだ敵が爆発することがある
- Unholy Ground 静止状態でダメージボーナス
- Cull the Weak スロー状態やスタン状態の敵にダメージボーナス
- Mother Lode 装備品使用時に消費しないことがある
盟約は上記の11個あり、さらにそれぞれにレア・エピック・レジェンドといったレアリティがあって、そのレアリティに応じて効果もより強いものとなる。この盟約や神器をうまく組み合わせられると、より効率良く戦うことができるだろう。
- シナジー効果を生む盟約のコンボ例
- Cull the Weak(スロー状態の敵にボーナスダメージ)
- Dead Accurate(連続ヒットでボーナスダメージ)
- Cryofreeze(確率でスロー)
- ※神器でフロストブラストを持っているとさらにヨシ
ゾンビモードのプレイの流れ:ハブエリアとミッションを交互に進行
本作のゾンビモードは、ハブエリアとなるスターリングラードと、ミッションをプレイしていくオブジェクティブエリア(Shi no Numaやパリなど世界各地のマップ)を行き来して進めていく。
1: ハブエリアから出撃してミッションをプレイ
初期のハブエリアは狭く、プレイヤーの行動範囲は限られてしまっている。そこでオブジェクティブエリアへと通じるワープポータルを通過し、行った先でミッションを達成して帰ってくるとハブエリアも拡張されていくというギミックが採用されている。オブジェクティブエリアでプレイできるミッションは以下の3つ。
- “急襲” 周囲から迫りくるゾンビを撃退し続ける
- “伝送” 浮遊しているゾンビの頭が入ったオーブとともにゾンビを倒しつつ進んでいく。オーブは一定範囲内にプレイヤーがいることで進むので、ある程度近くにいないといけない
- “回収” ゾンビからランダムドロップするルーンを集め、“シンイーター”と呼ばれるオベリスクに納品していく
2: ハブエリアに新たにわいたゾンビを掃討
ミッションを終えて帰ってくるとハブエリアに新たなエリアがオープンしており、同時にゾンビも出現している。まずはコイツラを掃討してから買い物などの強化を行い、次のラウンドでまた新たなミッションに挑むというのがひとつの流れになる。
なおラウンドが進むと、ハブエリアやミッションに登場する敵ゾンビも徐々に数が増えたり、より強い敵が出現するようになる。最初は弱いノーマルゾンビも少しずつ耐久度が上がっていくので、ステータスの強化やより強力な武器の入手は必須事項というかマスト。
一方で、敵を倒すと得られるゾンビエッセンスというポイントの入手量も増えていく。ゾンビエッセンスはプレイヤーのステータスを強化するPERKの泉や武器の強化、アーマーの追加などに使えるので、ガンガン敵を倒してキャラクターを強化していくのが攻略のポイントと言えるだろう。
3: 稼いだ報酬で買い物&強化
今作では初期装備以外の武器の入手方法は、強力な敵からのランダムドロップを狙うか、ゾンビエッセンスを消費して武器ガチャをするミステリーボックスからの入手を狙うか、マップ内の箱などから運良くゲットするかの3つしかない。過去作ではウォールバイという自動販売機から買うこともできたのだが、本作は少々厳し目だ。
早い段階で強力な武器が欲しければミステリーボックスからの入手を狙うべきなのだが、1回で950ゾンビエッセンスを消費してしまうため、かなり分が悪いギャンブルと言える。しかし、強力な敵が出現する前に強い武器が欲しいとなると、やはりギャンブルに……という葛藤が生まれる。まさに「ご利用は計画的に」だ。
またステータスや装備の強化は、ハブエリアやオブジェクトエリアにあるPERKの泉や、工作台(アーマー類を作る)、パック・ア・パンチ(武器強化)といった装置を利用することになる。
- パック・ア・パンチ
- 武器の特性強化(3回まで可能)
- PERKの泉(4段階まで購入可能。ハブエリアのゾーンごとにどれかが用意されている)
- 不屈の邪神 体力増加
- 魔性の破壊力 クリティカルダメージ増
- 悪しき活力 回復速度ブースト
- 悪魔の狂騒 リロード速度ブースト
- 幽玄なる加速 移動速度ブースト
※PERKは1段階目のTier1は無料、Tier2は2500エッセンス、Tier3は5000エッセンス、Tier4は7500エッセンスを消費でアップグレードできる
4: ランダム要素を乗りこなしながらどこまで行けるかサバイバル
4ラウンド目のミッションをクリアーすると、選択肢としてハブエリアからの脱出を選べるようになる。最後の襲撃をかわしながら脱出用ワープポータルまでたどり着けば一応クリアーだ。
4ラウンド目あたりはまだまだ序の口なのでどんどんラウンドを進めていくのが基本だとは思うが、脱出に成功するとボーナスXPが入るので、厳しくなってきたら撤退も検討するといい。なお体験会では1時間半ほどぶっ通しでやることになって疲れた……。
そうそう、過去作と同様にゾンビを倒すとまれに“インスタキル”などの即席の特殊効果がドロップするんだけど、ドロップ率がちょっと渋くなっているように感じた。ランダム要素は盟約の方に振った設計になっているのかも。
ゲームに慣れてくると「何ラウンド目くらいにはこれくらいの武器やPERKを揃えて、この辺の盟約を引いておきたいが〜」みたいなセオリーが構築できると思うが、そこに行き着くまでが結構大変かもしれない。
ちなみにマルチプレイモードのランクや武器レベルがゾンビモードと共用となっているので、「対戦に疲れたらゾンビモードで好みの武器を育てる」なんてことも可能。「武器のレベルが上がってアタッチメントが揃い始めるまで対戦でやられるのが辛い」なんて人がゾンビモードでまず武器を育てるのもいいだろう。
なお、盟約やオブジェクトエリアのミッション内容、そして新たな神器などは、12月2日にはじまるシーズン1以降のアップデートで追加されていくとのこと。