THQ Nordicより、Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC、そしてスマートフォンで配信中の3Dアクション・アドベンチャー『スポンジ・ボブ:Battle for Bikini Bottom - Rehydrated』。
本作は、アメリカで熱狂的な人気を誇るアニメ『スポンジ・ボブ』が題材となったゲームで、以前にプレイステーション2で販売されたタイトルのリメイク作だ(同作に関しては日本では発売されなかった模様)。
本作は、グラフィックがリニューアルされたのはもちろん、オリジナル版でカットされたコンテンツの追加やマルチプレイなどの要素も盛り込まれており、至れりつくせりの内容になっている。
今回、プレイステーション4版をプレイすることができたので、『スポンジ・ボブ』の世界観やキャラクターに触れつつ、詳しいゲーム内容についても紹介していこう。
※本記事は、THQ Nordic Japanの提供によりお送りします。
奇妙でユニークな『スポンジ・ボブ』の世界
まずは、『スポンジ・ボブ』という作品の世界観や登場キャラクターについて簡単に紹介していこう。
『スポンジ・ボブ』は、架空の海底都市“ビキニタウン”を舞台に、主役のスポンジボブとその仲間たちが巻き起こす出来事をおもしろおかしく描いていくギャグアニメだ。アニメを見たことがない人でも、キャラクターグッズで知っている人も多いのではないだろうか。
海底都市が舞台ということで、魚などをモチーフにしたキャラクターが登場する中、主役が四角形のスポンジという不可思議さも特徴のひとつだ。
そんな『スポンジ・ボブ』の魅力となっているのが、個性的すぎるキャラクターたち。ハイテンションすぎるスポンジボブを筆頭に、個性の強いキャラクターたちがシュールでブラックな会話や出来事を引き起こす、いい意味でぶっ飛んだ話が展開されていくのだ。
主役でもあるスポンジボブは、つねにポジティブでテンションが高く、お調子者なキャラクター。他人に皮肉を言われてもまったく通じておらず、前向きにしか物事を捉えないパワフルな性格だ。
他人の言うことを何でも信じてしまうので、すぐ利用されてしまう。しかし、利用されたことにも気づかず自分なりにハッピーになってしまうので結果オーライという、どこまでも前向きな考えかたをしたキャラクターだ。
ゲームのプレイアブルキャラのひとりでもあるパトリックは、スポンジボブの親友のヒトデ。のんびり屋で天然、物忘れが激しくトラブルを拡大させたり、意図せず悪化させてしまうことがある。
幼い子どものような発想力と着眼点で、自由に行動をすることが多いキャラクターとなっている。自分自身を蒸発させたいと言ったり、見ている人を困惑させるような発言も。スポンジボブといっしょになると、彼らのフリーダムさに歯止めが効かなくなってしまう。
3人目のプレイアブルキャラであるサンディは、前者ふたりとは打って変わり、賢い科学者であるリスの女の子。リスなのに海底で過ごしているので、外では潜水服を着て活動している。格闘技を使えるほか、さまざまな道具も活用する非常に頼れるキャラクターだ。
スポンジボブ、パトリックだけだと無軌道に飛躍し続ける会話に歯止めをかけられる、いわゆるツッコミ役。
そのほかにも、ゲーム版で事件を起こすキッカケを作ったプランクトンや皮肉屋なイカルド、スポンジボブの働くお店のオーナーであるカーニなど、海の生物たちがユニークな姿で登場するのが本作のおもしろいところ。
もはや生物なのかもわからないシャボンくんなど、どこまでも不可思議で何でも許容されてしまうような世界観で描かれる作品なので、彼らの会話劇を楽しみながら、ゲームを進めてみてほしい。日本でもテレビで放送されている、その声優さんの声でゲームが楽しめるのがうれしい。
昔懐かしい3Dアクションアドベンチャーの世界を冒険しよう!
というわけで、ゲームの詳しい内容について紹介していこう。本作は、フィールドを自由に動きながらステージを攻略していく3Dアドベンチャー系の作品だ。
リメイク前のゲームが発売されたのは2003年。2000年前後は有名な3Dアドベンチャー系タイトルが多数出ていたので、当時のプレイヤーとしては昔懐かしい雰囲気を味わえそう。
ゲームの操作性もなじみ深く、ダブルジャンプやスピン攻撃、落下攻撃などを駆使して敵を倒したり、ギミックを解除しながら冒険をしていく。登場するステージも『スポンジ・ボブ』の世界観を踏襲した不可思議な海底の世界を舞台にしているだけあり、幻想的でコミカルな雰囲気に仕上がっている。
懐かしの3Dアドベンチャーの楽しさはそのままに、グラフィックや操作性が向上して遊べるというのが、本作をプレイして最初に得られる感覚だった。
本作の大まかな目標はステージを攻略しながら、事件の原因であるロボットたちの謎に迫るというもの。基本的にはステージを攻略しながらストーリーを進めていくのだが、探索要素が豊富で行動の自由度も高いのが魅力のひとつとなっている。
最初に挑むステージ以外は、各所で手に入る“黄金のフライ返し”を集めることでアンロックしていく。この“黄金のフライ返し”がさまざまな場所に隠されているので、探索して発見していくのがプレイの醍醐味だ。
“黄金のフライ返し”さえ手に入れば、攻略するステージの順番も問われない。最初からひとつも見逃さずに集めていけば、早い段階で高難度ステージに挑んだり、新しい技を習得することも可能だ。こういったプレイヤーの努力次第で選択の幅が広がっていくのも、3Dアドベンチャー系の大きな魅力と言えよう。
ちなみに、“黄金のフライ返し”はステージでの発見だけでなく、ビキニタウンの住人たちとの交渉によってもゲットできる。敵を倒したりブロックを破壊するとドロップするキラキラアイテムとの交換や、イカルドの家で飛び跳ねて暴れまわったら手に入ったりと、隠し要素のようなものも多い。
すべての“黄金のフライ返し”を集めるのもやり込み要素のひとつなので、ステージの隅々まで探したり、住人に話しかけてコンプリートを目指したい。
肝心のステージでの手触りも、おおむね良好だ。最初から多彩なアクションが使えることに加え、通常の敵であれば一撃で撃破できるのでサクサクと進められる。ダッシュができないので移動速度についてはややもどかしさを感じる部分はあるが、操作性も良好で戦闘時にストレスを感じることがないのが好印象。
敵は簡単に倒せる反面、シビアな部分もある。それが、水に少しでも触れるとコンテニューすることになる点だ。スポンジボブは泳げない設定なので、海に落ちるとその時点で所定の位置まで戻されてしまう。
片足がほんの少し入水しただけでコンテニュー扱いになるシビアな判定なのだが、個人的にはそれが緩急を生んでいておもしろく感じた。探索と発見、敵との戦闘、ジャンプを駆使した水上の移動。そういった要素がそれぞれ嚙み合っており、ステージ攻略を退屈にさせないバランスになっている。
また、コンテニューとはいえとくにペナルティーもなく、すぐにリトライできるのでストレスを感じることはほとんどないだろう。ステージにはチェックポイントや一定距離をワープできるギミックもあるので、やり直しや発見に時間を取られることがないのがありがたい。
ステージギミックについても豊富で、シンプルにスイッチを押すものから、特定キャラのアクションを必要とするものまでさまざま。スライダーを滑りながらアイテムを集める場面もあり、プレイヤーを退屈させない。
最初はスポンジボブしか使えないが、早い段階でパトリックとサンディもプレイアブルになり、ギミックの数も増えてくる。操作キャラの変更も、ステージにあるバス停から手早くできるので、何度もステージを往復したりせず、その場その場で必要なキャラに切り換えられるのがありがたい。
パトリックの場合は、重い物を持ち上げて投げることができ、遠くにあるスイッチを押したり、飛んでいる敵に物を投げて倒す役割を持つ。
攻撃方法もスポンジボブとは異なり、正面に向かってタックルするパワフルなモーションに。攻撃後の隙は大きいが正面からの戦いには強い、パワー系のキャラクターといった感じだ。
もうひとりの操作キャラ、サンディは小柄で通常攻撃のリーチも短いが、ロープを駆使した多彩なアクションを披露してくれる。ロープを投げて敵を倒したり、特定の場所ではロープを投げてぶら下がるなど、高い機動力を持つ。
ジャンプ後のロープを回してふわふわと浮かぶこともできるので、高い場所から飛び移る際にも余裕をもって動ける、安定感のあるキャラクターだ。
個性的な技を持つ3キャラを駆使してステージを攻略し、最後に待ち受けるボスを倒していくのが本作の基本的な遊びかたとなる。ボスもそれぞれ特徴があり、一定のタイミングでしかダメージが通らないなどギミックを解きながら戦っていくのがおもしろい部分。
また、原作にはなかったリメイク版の特徴として、最大ふたりで遊べるマルチ要素が追加されている。コントローラーをふたつ使用してのローカルマルチのほか、オンラインでのランダム、プライベートマッチで遊べるので、オンライン上のフレンドや見知らぬ人とも遊ぶことが可能。
マルチプレイ最大の魅力は、シングルプレイで使えるキャラのほか、イカルドやカーニなども選べるという点。好きなキャラを使ってつぎつぎと襲ってくる敵を倒していくモードになっているので、好みのキャラを使って遊び尽くそう!
昔懐かしい3Dアドベンチャーとしての魅力が詰まった『スポンジ・ボブ:Battle for Bikini Bottom - Rehydrated』。要所要所で『スポンジ・ボブ』らしい設定や要素が盛り込まれているので、原作を知らない人でも突き抜けたユニークさを堪能できるはずだ。
そもそもキャラのライフがパンツ(初期時点で3枚まで履ける)だったり、ライフを増やす黄金のパンツが置いてあったりするので、『スポンジ・ボブ』の世界に浸ってみてほしい。
ちなみに、パトリックでパンツを拾うと微妙な反応をしたりと、キャラごとの反応やボイスを楽しめるのもポイントだ。コミカルで、いい意味で騒がしいほどに元気なスポンジボブたちの会話を聞きながらステージを冒険してみてほしい。