Blizzard Entertainmentが、モバイル向けアクションRPG『ディアブロ イモータル』のクローズドβテストをカナダとオーストラリアのサーバーで開始した。日本のプレイヤー向けのアクセスは数週間後に予定されている日本サーバー開設に合わせて本格的に展開されるようだ。

 今回プレイ可能な対応プラットフォームはAndroid。クローズドβテスト版のプレスブリーフィングを受けたので、その内容をご紹介しよう。

日本サーバーだけでなく日本語音声も登場予定

 本作はハックアンドスラッシュ型のアクションRPG『ディアブロ』シリーズのモバイルゲーム。『ディアブロII』と『ディアブロIII』の間となる時代を冒険していくことになる。

 本作ではiOS/Androidの双方で日本向けのローカライズ展開が予定されており、クローズドβテストでは日本語音声のローカライズも部分的に導入。まずは収録が完了しているものを実装し、正式ローンチ時にフル対応を目指すという。

ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
モバイルのタッチ操作で普通に遊べてしまう『ディアブロ』となっている。ちなみにこれは新クラスのネクロマンサーのもの。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
これもネクロマンサー。

新クラス:ネクロマンサーが登場

 クローズドβテストでは、クローズドαテストでプレイできた5つのクラス(バーバリアン、クルセイダー、デーモン・ハンター、モンク、ウィザード)に加えて、ネクロマンサーがついに登場。

 『ディアブロII』および『ディアブロIII』に登場したネクロマンサーは、死霊術で死体などを操り戦うキャラクター。旧作のスキルなどをフィーチャーしつつ、本作のシステム“奥義”(アルティメットスキル)をはじめとするオリジナルの要素も追加しているという。

  • 「3分の1はおなじみの要素、もう3分の1は少し変えたもの、残りの3分の1は新しいもの」にするという“3分の1ルール”により設計(ゲームディレクターのワイアット・チェン氏談)
    • 死体を爆破する“コープスエクスプロージョン”はほぼそのまま登場するタイプ
    • 鎌を振るうスキル“グリムサイス”は少し変えたタイプ。今回はクールダウンが存在するが、鎌を振るうたびに死体を作り出す
      • 『ディアブロIII』ではいつでも使えて他スキルのためのエネルギー(エッセンス)を生み出すプライマリースキル扱いだった
    • 新スキルには頭蓋骨を敵に飛ばすものなどがある
      • パネルをタッチすると発動し、ホールドして動かすというもので、タッチ操作に合わせて作られている
  • 他クラスと同様、レジェンダリー装備によりスキルの効果が変わる
    • 旧作にもあった“スケルタルメイジ”の場合、通常はスケルトンメイジを召喚するが、レジェンダリーの効果として翼を持った巨大な死神(※)を代わりに召喚するようになるものがある(※プロダクションディレクターのケイレブ・アーセナー氏いわく「ヘビメタのアルバムジャケに出てくるような」)
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
基本攻撃のひとつ、ソウルファイア。紹介文から読み取った感じだと、“頭蓋骨を敵に飛ばす新スキル”はコレの奥義版?
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
ボーンスピアは奥義版だと鎌を振るうスキルに。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
左の欄に、言及されているコープスエクスプロージョンなどがあるのがわかる。

ゲームコントローラーでの操作に対応

 本作はスマートフォン/タブレットのタッチ操作で結構快適にディアブロをプレイできるのだが、クローズドβテストではテクニカルαテストでのフィードバックを受けてゲームコントローラーでの操作にも対応。マッピング(ボタンの割当変更)メニューなども用意される。

 ただしまだ限定的な対応で、機種が限定されているほか、使用できるのはキャラクター操作や戦闘のみで、メニューなどのUI操作はタッチで行う必要がある。対応コントローラーリストは以下。

  • Xbox One Wireless Bluetooth Controller
  • Xbox Series X/S Bluetooth Controller
  • Xbox Elite Controller Series 2
  • Xbox Adaptive Controller
  • Sony Dualshock 4
  • Razer Kishi
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
クローズドαテストの個人的な感想としてはタッチ操作で結構快適にディアブロをプレイできたのに驚いたが、クローズドβからはゲームコントローラーにも対応。

タッチ操作やマッチメイキングなども調整

 タッチ操作の方もクローズドαテストでの反応をもとに調整が行われており、基本攻撃を放つ方向を狙えるように。地味だが遠距離系の基本攻撃を持つクラスにはありがたい部分だ。

 そして基礎の部分の改善点としては、マッチメイキングを募集する際に、マッチメイキング中であることを示すユーザーインターフェースを縮小化して、募集しながら他のことをできるようになっているそう。

セット装備が登場。独立したスロットでレジェンダリー等とは別に装備可能

 エンドゲームの装備として、ディアブロプレイヤーにおなじみのセット装備が追加される。レジェンダリー装備などを装着するメインの装備スロットとは異なるサブスロットが用意されており、レジェンダリー装備とどちらを取るか悩まなくて済む。

 なお同種のセット装備を装着した場合のボーナスは3点装着時または6点装着時で得られ、2種類のセット装備を3点ずつミックスして3点ボーナス×2というパターンも可能。

 セット装備はダンジョンからの入手となり、各ダンジョンに特定のセット装備の特定のアイテムがドロップするよう設定される。

ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
緑に輝く光はセット装備の証。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
さてどっちにすべきか……。少なくともレジェンダリーとどっちを取るかで悩まなくて良くなったのはありがたいところ。

課金要素が解禁。使った分は正式リリース時に使えるゲーム内クレジットでキャッシュバック

 本作は課金要素つきの基本プレイ無料のゲームとしてサービス予定だが、クローズドβテストではその課金要素が利用可能に。クローズドαでは定期的に課金ポイントの“永遠のオーブ”が配布されていたが、今回はそれを実際に購入してみることができる。

 なお、クローズドβテスト中に課金した額については同額がゲーム内クレジットとして正式リリース時に付与されるそうなのだが、クローズドβテストと正式リリース時で同一のバトルネットアカウントを使用する必要があるそうなので、複数のアカウントを持っている人は注意されたし。

 ちなみに永遠のオーブを何に使えるかというと、個人的にはプレイの進行に応じて報酬をもらえる“強化バトルパス”が大きい。バトルパスには無料版もあるが、有料版にするとバトルパスを進行した際の報酬が増える。それ以外の詳細や本作の課金要素に対するスタンスについては、(少し前のものになるが)公式サイト記事“基本プレイ無料へのアプローチと理念”を確認するといいだろう。

ディアブロ イモータル クローズドαテスト版
クローズドαテストでのバトルパス。無料版では上の報酬しかもらえず、有料版にすると下ももらえるようになる。
ディアブロ イモータル クローズドαテスト版
永遠のオーブで買えるもののひとつ、レジェンダリー版の要石。ゲーム内通貨“プラチナ”でも買えるのだが高い、という寸法。こちらもクローズドαテストでの画面。

PvPシステムも新システムなどが登場

 テクニカルβテストでは、勢力争い要素&PvP要素である“闘争の円環”やレイドなどにも新たなシステムが登場する。

 闘争の円環には、イモータルの座を賭けた最終決戦“イモータルの挑戦”が登場。なんとイモータル側の盟主が巨大なレイドボスとなって登場し、シャドウの精鋭30名と戦うという内容となっている。

  • イモータルの挑戦(闘争の円環)
    • “追放の儀式”でシャドウがイモータル陣営に勝利した場合に行われる最終決戦。イモータルの盟主が巨大なレイドボスとなり、サーバー上位10組のダークギルドに属する上位30名のシャドウプレイヤー(3人×10組)と戦う
      • テクニカルαでは、“追放の儀式”でシャドウ側が勝利した場合、そのサーバーのトップのダークギルドがイモータルになっていた
      • 戦闘中はリスポーンなし
    • イモータル側が勝利すればサーバーの支配権を維持
    • シャドウ側が勝利すれば30名全員が一度復活し、チーム戦のバトルロイヤルが行われる。最後に残ったダークギルドが次のイモータルになる
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
プレイヤーが巨大レイドボスになって立ちはだかるという変則PvPイベント。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
  • 戦場のラダー(PvP)
    • 8対8のPvP戦“戦場”にラダー(ランキング)が追加される
    • ラダーには階級をあげていく成長システムと報酬があり、闘争の円環でのポジションに関わらず戦場に参加するメリットとなる
      • 報酬には新たな強化要素“ホラドリムの遺産”(後述)の鍵となるものも含まれる
      • ホラドリムの遺産はウェストマーチの地下にあり、祠に秘宝をはめると各種ボーナスを得られる
      • デイリーダンジョンをプレイすると秘宝をレベルアップさせるためのリソースアイテムを得られる
    • また、戦場での各クラスのバランスを調整
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
デイリーダンジョンに新要素“ホラドリムの遺産”に使う秘宝の強化につながるものが登場。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
  • ヘリクアリ・レイド(PvEレイド)
    • 強力なボスを倒して自信を強化していく“ヘリクアリ”が8プレイヤーで戦うレイド化。
    • プレイする準備ができているかの目安としてオフェンス/ディフェンスの推奨レーティングが表示されるように
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
ヘリクアリがレイド化したのは、旧ヘリクアリでラッサルを倒そうとプレイヤー募集などが活発に行われていたことを受けたアイデアなのだという。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版

その他の高レベル帯向けコンテンツの調整

  • レーティング関連の調整
    • レジェンダリー宝石がPvEであまり貢献していなかったので、オフェンス/ディフェンスのレーティングを追加
    • 逆にチャレンジリフトなどでレーティングの影響が大きすぎたので、得られるボーナスの幅を調整
  • レジェンダリー宝石の“覚醒”と共鳴
    • ランク10のレジェンダリー宝石をアイテムのソケットにはめることで“覚醒”させられ、ステータスが上昇し見た目もアップグレードする
    • 最初の6つ以降のレジェンダリー宝石は“共鳴”システムによりボーナスを少し増加させられる
  • ワールド・パラゴン
    • 毎日、パラゴンレベルが2ずつ増えていく(0→2→4……)。自分のパラゴンレベルがサーバーのパラゴンレベル以下の場合、経験値・ゴールド・ドロップが2倍獲得可能になる。また装備を分解した際に追加の素材が手に入る
      • 使用キャラクターがレベルキャップ(クローズドβテストではレベル55)以下の場合はこのボーナスは適用されない
    • 1日の獲得可能経験値上限に代わって導入される。
    • 出遅れるとそれによって追いつけなくなる事を避けるため
  • エンドゲームでのアイテム探しを改善
    • 高難度モードのヘル2とヘル3で得られる報酬を改善。新規のヘル4も報酬が魅力的になるように
      • 高難度のレベルで得られるランダムアイテムのステータスを増加させている
    • パラゴンレベルが上がると獲得するアイテムの品質も上がるように
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
高難度モードにヘル4が新たに登場。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
共鳴をすると装備のエフェクトが強化される。これはネクロマンサーの場合。
ディアブロ イモータル クローズドβテスト版
これはウィザードで共鳴をやった場合。