セガの『チェインクロニクル』チームが手掛けた『シン・クロニクル』は、2021年10月1日に “東京ゲームショウ2021 オンライン”(TGS2021 ONLINE)に関連して配信された番組“セガにゅー”内で、詳細が発表された話題の新作RPG。
『チェインクロニクル』シリーズの後継作にあたり、プラットフォームはiOSとAndroidで展開。基本プレイ無料(アイテム課金制)で楽しめる。
2021年12月15日のサービス開始を予定しているが、正式リリースに先立ち、ゲーム動作の確認やゲームバランスの把握などを目的としたクローズドβテスト(以下、CBT)が2021年10月14日から21日まで実施される予定だ。
※『シン・クロニクル』の概要はこちら
本記事では、CBTの冒頭(想定プレイ時間はおよそ1時間から1時間30分程度)を体験した、ライター・ジャイアント黒田のプレイリポートを公開する。
ドラマチックなストーリーと魅力的なキャラクターの虜に
物語の舞台“ヘルドラ”は、“黒の軍勢”と呼ばれる魔物の脅威にさらされていた。巨大な大穴“奈落”から無限に出現する黒の軍勢に対抗すべく、人々は奈落を囲む巨大な障壁を建築。この大障壁を守る騎士たちは“境界騎士団”と呼ばれ、黒の軍勢と戦いをくり広げていた。
プレイヤーの分身となる主人公は、境界騎士団に所属する新米騎士。黒の軍勢による大侵攻“蝕”が起こるなか、主人公は隊長のヴィオレットとともに壁の防壁にあたる。
これが本作の冒頭のストーリー。つぎつぎと湧き出てくる黒の軍勢に対して、劣勢を強いられる主人公たち。ヴィオレットは状況を打開すべく、ある作戦を敢行する。
ひとり、またひとりと散っていく隊員たち。過酷な戦いのなかで、主人公はヒロインのセラとクロエ、相棒のミュトスとの出会いと、悲しき別れを体験する……。
ストーリーに力を入れていた『チェンクロ』チームの手掛ける新作だけあって、本作のストーリーも序盤からクライマックス。息もつかせぬ展開で、夢中になって画面をタップしていた。
メインストーリーだけではなく、キャラクターごとに用意された個別のストーリーも充実している模様。界層ごとにキーキャラクターが設定されており、そのキャラクターを編成して物語を進めるとストーリーをより深く楽しめるほか、キャンプで仲間と語り合うイベントなども堪能できる。
また、酒場のガチャで新たなキャラクターを仲間にしたときも注目を。主人公やヒロインたちとのちょっとした会話イベントが展開されるので、キャラクターの個性がわかりやすく、見た目以外でお気に入りの要素を見つけやすいのも好印象だった。酒場で仲間が増えるのも、『チェンクロ』と同じで懐かしい。
クライマックスで突きつけられる究極の2択。あなたはどちらを選ぶ?
ストーリーでもっとも特徴的なのが、各章のクライマックスで迫られる“究極の2択”。選択肢はストーリーの合間にも登場するのだが、究極というだけあって、クライマックスの選択は重さがケタ違い。
セーブ&ロードが可能な家庭用ゲーム機のゲームなら、すべての選択肢をプレイして、お気に入りのルートで先に進められるものだが、このゲームではプレイヤーに二者択一の決断を迫ってくる。選択はやり直せない。選ぶチャンスは一度だけ。だからこそ、真剣に悩んだし、結果がどうあれ、筆者の心に深く刻まれた。
ちなみに、今後のクライマックスの選択肢の中には、選んだ結果によってキャラクターの生死が決まるものもあるという。正直、気が進まないが、自分が選んだ道だからこそ、登場人物たちがどのような運命をたどるのか、見届けたくなる気持ちが強まりそうだ。
3Dで表現されたリッチなフィールドとバトル
クエストを選び、APを消費して挑むのは従来のスマホゲームと同じ作りだが、3Dで表現されたダンジョンを探索しながら進んでいくプレイ感覚やコマンド選択式のバトルは、スマホゲームと家庭用ゲーム機のRPGのハイブリッドという印象。『チェンクロ』とは異なる新しいプレイフィールを体感できた。
ダンジョンは目的地が設定されており、目的地に到達するとボス戦などが発生。倒すことでストーリーが進行していく。ダンジョンの移動はタップやバーチャルパッドで行えるが、目的地まで自動的に移動してくれるオートランの機能も実装されていた。
オートランは便利な機能だが、目的地への移動を最優先に設定されているようで、道中の敵や宝箱をスルーしてしまうことがある。経験値やアイテムを稼ぎたいときにはやや使いにくいため、目的地まで一直線に進むか、宝箱などを取得するかなど、目的にあわせて使い分けるのがよさそうだ。
バトルは、ダンジョンのモンスターに触れると発生するシンボルエンカウントを採用。移動中に画面右下の“ATTACK”のアイコンをタップして敵に攻撃することで、戦闘を有利な状態で始められる要素が実装されており、より爽快感が増すのがうれしい。
バトルはターン制で、素早さの高い数値のキャラクターから順番に行動できる。行動が回ってくると、BPに応じて通常攻撃や多彩なスキルをくり出せる。バトル中の3Dフィールドで移動もできるのだが、操作はいたって簡単。
ターゲットを決めて通常攻撃やスキルのアイコンをタップするとオートで移動してくれるので、敷居はかなり低い印象だ。もちろん、タップやスワイプなどで移動させることもできる。
また、バトルでは仲間との連携が重要に。仲間が攻撃すると、画面左上に表示された“Chain”が上昇してダメージボーナスが発生する。行動順をチェックし、仲間と仲間のあいだに行動する敵を狙って倒せば、“Chain”がグングン上昇して大ダメージを与えやすくなるというわけだ。
ほかにも攻撃の属性によるダメージの増減、特殊な効果(敵の注意を引きつけるなど)を持つスキル、必殺技のオーバードライブなど、バトルを盛り上げる要素が多数存在。冒頭だけのプレイでも、バトルのさまざまな要素がうかがい知れた。
好きなキャラクターをとことん強化できる育成要素も盛りだくさん!
今回の範囲ではあまり体験できなかったが、スマホのRPGらしい育成&強化要素も充実。キャラクターはレベルアップのほかに、アビリティパネルでのスキルの強化や、★の数(レアリティー)を増やす覚醒といったシステムで育成できる。
レアリティーの低い★2のキャラクターも、基本的には★5まで覚醒できるようで、お気に入りのキャラクターをとことん成長させる楽しみも味わえそうだ。
キャラクターは、武器や精霊を装備して能力を上げられるのもミソ。武器や精霊は、限界突破や強化といったシステムで強くできるうえ、武器にはハック&スラッシュの要素も用意されている。シングルプレイのゲームだが、最強を目指してキャラクター、武器、精霊をとことん強化する楽しみも。
なお、ガチャで手に入るキャラクターには、前述の通り、編成した状態でストーリーを進めるとさらに物語が深く楽しめるキーキャラクターというカテゴリーがある(通常の★3よりも排出率が低い、特別な★3キャラクター)。
今回体験した中では、キーキャラクターの有無でストーリーがどれくらい変わるのかはわからなかったのと、あとから入手した場合のストーリーの体験方法が不明だったが、どんな変化が生まれるのかが気になるところだ。
オートランの機能や正式サービス時のガチャの仕様など、一部気になる要素はあるが、全体的な仕上がりは好感触。配信されるのが待ち遠しいが、『シン・クロニクル』が配信されたら、夜更しする日が続きそうでちょっと怖い(苦笑)。
ちなみに、セガのスタッフによると、CBTで体験できる範囲の想定プレイ時間は、10時間程度とのこと。CBTだけでもかなりのボリュームを楽しめるので、CBTに当選された方は遊び尽くして、要望を伝えるといいだろう。