スクウェア・エニックスとエイチームが開発しているスマートフォン向けバトルロイヤルアクションゲーム『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』(以下『FFVIIFS』)。今回は、東京ゲームショウ2021に先駆けてメディア向けに開催された体験会でプレイできた『FFVIIFS』について、今年6月に実施されたクローズドβテスト(以下、CBT)からの改善点や追加された要素、再度プレイして感じた『FFVIIFS』の魅力などについて紹介していく。
なお、本稿で紹介する特徴や仕様などについてはメディア体験会でのもので、変更される可能性もあることをご理解ください。
『FFVII ザ ファーストソルジャー』プレイ動画

ついにコントローラに対応! 慣れた操作でプレイできるのはうれしい
公式番組などでアナウンスされていた通り、ついにコントローラでの操作にも対応。今回は、PS4のDUALSHOCKでのプレイを体験してみた。その感想は当然ながら、本当に快適。最近はスマホゲームも数多くプレイしているが、生まれた直後からPSのコントローラを握っていた(誇張あり)自分にとって、コントローラが使える環境はありがたい。スマホをモニターにつなげたら、もはや家庭用ゲーム機の感覚でプレイできる。操作も一般的なFPS、TPSの操作を踏襲しており、その手のゲームを経験している人ならすぐに戦場に出て行ける仕上がり。スマホでのバトロワの操作に不安を感じている人は、ぜひコントローラを使ってみるといい。
もちろん、バーチャルパッド(タッチ操作)も快適だ。とくに持ち物の整理やマテリア、射撃などは、指ひとつで操作できるバーチャルパッドの方が断然操作しやすい。ただ、移動や近接攻撃などのアクションはコントローラが快適だと感じた。そのあたりは好みなので、慣れているほうで操作するといいだろう。
親切すぎる! チュートリアルがわかりやすく進化
CBTでは、開始直後フィールドに飛び込み、武器やマテリアを拾うことでチュートリアルが始まったが、今回から新たに訓練場マップが用意され、操作の基本を学ぶことができるようになっていた。「そんなに注目すること?」と思われるかもしれないが、本作は射撃はもちろん、マテリアやアビリティ、ときには召喚獣の操作も必要になるので、ひと通りの操作は経験しておいたほうが戦場で戸惑わなくてすむ。マテリアや召喚獣は、使いかた次第で戦況を大きく変えるほどの効果があるので、とくに重要だ。





自動射撃(照準をターゲットに合わせると自動で射撃)、フローティング射撃(カメラ操作に射撃ボタンが追従)、固定射撃(射撃ボタンをタップで射撃)といった射撃モードの選択もチュートリアル内で選べる。設定画面に戻ることもなく、その場で3種類の射撃モードを試せるので便利。今回の試遊ではコントローラでも自動射撃に対応しており、TPSが苦手な人でも照準を合わせるだけで射撃ができるのは一気に難度が下がって遊びやすいだろうと感じたが、果たして正式リリースではどうなるか。


新スタイル“ニンジャ”
CBTでは、ウォーリア、モンク、レンジャー、ソーサラーの4つのスタイルのみだったが、今回、新たに“ニンジャ”が追加されていた。ニンジャのおもな特徴は下記の通り。

・スタイル特性――軽業
ジャンプ中に再度ジャンプができる。パルクール(障害物を乗り越えたり、壁を登ったりできるアクション)失敗時にも実行可能。
・アビリティ――かくれる
自分の姿を一定時間見えなくする。効果時間内は攻撃、アイテムの使用などは行えなくなる。
・スキル――逃走
HPダメージを受けた際に移動速度を一定時間上昇する。

近接攻撃は1撃、2撃で距離を詰めながら斬り、3撃目で手裏剣を前方に投げる連続攻撃に。3撃目の手裏剣投げは攻撃モーションが大きく、クセは強め。だが、3発目はヒットさせれば相手を突き飛ばすとができ、さらなる攻撃のチャンスが生まれる。



機動力が大幅に向上する“軽業”
個人的に、ニンジャのもっとも魅力的なポイントだと思っているのが、この“軽業”だ。再度ジャンプ、いわゆる二段ジャンプで、1回のパルクールで登り切れない段差や建物も楽々と登ることができ、ニンジャだけの景色を見ることができる。戦闘時は、一回のジャンプでは避けきれないサンダーなどのマテリア攻撃も、二段ジャンプすることで、被弾することなく避けられた。

”かくれる”で生存率もアップ!
『FF』シリーズでたびたび登場する、ニンジャの得意技“かくれる”が本作にも存在。使用すると、敵プレイヤーの画面では、中心の鬼火のみが見える状態になる。「見えるなら意味ないのでは?」と思われるかもしれないが、鬼火は注視しなければ見つけられない。実際にプレイしていると、二段ジャンプが使えるニンジャの鬼火を追うことはなかなか難しい。この“かくれる”はエネミーにも効果があり、他プレイヤーやエネミーに気づかれず、危機を脱すことができる。また、奇襲を仕掛ける際にも使えそうだ。


ニンジャ対トンベリ “うらみのいちげき”もニンジャなら……
戦場では他プレイヤーだけではなく、RPGのようにモンスターとのバトルも楽しめる本作。今回の試遊でとくに印象に残ったモンスターはトンベリで、そのトンベリにニンジャで挑んでみた。トンベリはかわいい見た目とは裏腹に凶悪な“ほうちょう”を持っており、おもに宝箱の近くに出現し、宝箱を守る番人のような役割を担っていた。攻撃したら反撃されるのはもちろん、トンベリを倒さずに宝箱を開けようとすると、HPを1にする“やつあたり”や、瀕死になるレベルのダメージを与える”包丁”をくり出してくる。

トンベリには近寄らず、遠距離から銃や魔法を撃ってみると、すぐ近くにワープする“うらめしや”を使用し、直後に“やつあたり”をしてくる。トンベリさん、つ、強い……。


対トンベリでも便利だったのが“軽業”。近接攻撃の3撃目はスキが大きいので、2撃目で抑えて“軽業”で避ける。ニンジャではそうした攻撃が効果的だったが、ほかのスタイルではまた違った攻略法があるはず。このようにアクションゲームのような一面も楽しめるのが本作の魅力のひとつだろう。
魔法の効果が変更
ここからはCBTからの変更点を気付いた範囲でピックアップしよう。まず、大きな変更点として確認できたのは魔法の仕様変更。CBTでのファイアは、直線に飛ぶ形で誤爆しやすかった。今回の試遊版からは、放物線に軌跡が変更され、敵に当てやすくなった。サンダーは、効果範囲内の稲妻のHIT率が向上するなど、より戦闘で使いやすくアップグレードされた。

使いどころの見極めが、より重要になった召喚獣
CBT時では敵がいない状態で召喚獣(CTB時はイフリートのみ)を呼び出すと“暴走モード”になり、呼び出したプレイヤーに襲い掛かってしまっていたが、その暴走モードの仕様がなくなり、その代わりに終盤まで召喚獣を持っていると使えなくなる仕様に変更されていた。圧倒的な攻撃力を誇る召喚獣を終盤で呼び出すと有利になりすぎる、という配慮からだろう。筆者はラストエリクサーなどはけっきょく使わない温存派なので、召喚獣も温存してしまいそう……。

今回プレイして改めて感じたのは、『FFVIIFS』は『FFVII』の世界観を活かした斬新なバトルロイヤルゲームだということ。射撃武器や近接攻撃、魔法に加え、今回のニンジャに代表される自由度の高いアクション要素もあり、エネミーを討伐したり宝箱を明けてアイテムを得ていくRPG要素もあり、この手のジャンルを遊んだ経験が少ない『FF』シリーズのファンはもちろん、バトロワ好きの人も他のバトロワとは違う新たなプレイ体験が味わえるはず。また、コントローラ操作にも対応したことで、スマホのタッチ操作が苦手な人もぜひコントローラで触れてみてほしい。