2021年9月30日(木)~10月3日(日)にわたって開催される“東京ゲームショウ 2021 オンライン”。幕張メッセにも一部メーカーが出展しており、中にはあまりゲームのイメージのない企業のブースも見受けられた。それはスウェーデン発祥の家具ブランド・イケア(IKEA)

 イケアが東京ゲームショウにやってきたのである。

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イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】

 安くておしゃれなイメージのあるイケアがゲーム業界に進出。ちょっとしたお祭り騒ぎだと思うが、急に出展が決まったわけではない。

 イケアは3年ほど前から大手PCメーカー・ASUSのゲーミングブランド“ROG”と手を組んでゲーム市場をリサーチ。2021年4月には日本でもゲーム用途に特化した家具などの販売をスタートさせている。

 2021年現在、ゲームを楽しむ人口は25億人とも言われている。総人口のおよそ3分の1がゲームに触れているわけで、自宅のゲーム環境を整えて快適な毎日を送りたい人は少なくないはず。それなら安くて高品質なゲーム空間を提案したい。シンプルな話である。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
ROGのゲーミングデバイスとともに展示。デバイスをかけている有孔ボードもゲーム用途のアイテムとして販売されている。
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
イケアと言えばサメのぬいぐるみ。かわいい。

 東京ゲームショウのブースでは白と黒の2色イメージで展示されていた。家具のデザインの基本は“家での暮らしになじみやすい”こと。

 ゲーミングデバイス類は黒系のアイテムが多いが、色が強すぎるとほかの家具と合わせにくいこともある。とくに、リビング内にゲーム用スペースを設けていて、明るめの色が好きな人からしたら、カラーバリエーションがあるだけでうれしいはず。

 白にこだわっているわけではなく、あくまで大事なのは室内へのなじみやすさ。今後、白黒以外の色が出てくる可能性も大いにあるらしい。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
リングライトも木製の手(通称、ゲーミング手)もゲーミング家具の一種。手はヘッドセットやマウスなどを置くスタンドである。
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
明るい色のケーブルは白い有孔ボードでまとめるとすっきりする。
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
そしてサメがかわいい。

 イケアとROGが提供するゲーム関連アイテムは25種類以上。中でも僕はゲーミングチェアを試すのが楽しみだった。なぜなら、安いからだ。

 日本で販売されているゲーミングチェアのボリュームゾーンはおおよそ3~4万円。対して、現在発売中の3製品はそれぞれ4999円、12990円、15990円。いちばん高いモデルでも市場相場の半額ほど。

 内部構造や機能面に違いはあるので一概に他社製品との比較はできないが、手を出しやすい価格なのは間違いない。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】

 4999円の『HUVUDSPELARE』(フーヴドスぺラレ)は背もたれがメッシュになっていて通気性に優れている。

 構造がシンプルだからかフィット感はあまり感じられなかったものの、体重に合わせて背もたれの張りを調整してくれるらしく、寄りかかったときの感触は悪くなかった。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】

 12990円の『UTESPELARE』(ウーテスペラレ)は素材が合皮系。ゲーミングチェアによく見られる“車のシート風”デザインで、体の動きに合わせて背もたれと座面が少し動く機構を備えていた。

 色は黒とグレーの2色。グレーのアームレストとキャスター周りはほぼ真っ白なので、白系のデスクにも合わせやすそう。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】

 15990円の『MATCHSPEL』(マッチスペル)は背もたれがメッシュ、座面が合皮という複合タイプ。ヘッドレストとアームレストの高さを調節でき、『UTESPELARE』と同様に動きに合わせて本体が傾斜。3つの中ではいちばん姿勢をキープしやすい印象だった。

 個人的に気に入ったのは座面が広めでフラットな点。「これ、あぐらをかきやすいんですよ!」と興奮してしまった。日本人にフィットすると思う。

 色は白と黒の2色展開。白は背面のフレームが青く、いかにも「北欧!」といった感じだった。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
サメも納得の座り心地。
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】

 耐荷重は110kgで、12990円の『UTESPELARE』と15990円の『MATCHSPEL』は3年保証付き。チェアは長く使うものなので、保証が手厚いのはありがたい。

 なお、2022年1月発売予定の『GRUPPSPEL』(グルッスペル)も展示されていた。『MATCHSPEL』よりさらに高機能で、アームレストの角度も調整可能。スタッフさんに価格を確認したところ、もう1ランク上になりそう、とのこと。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
『GRUPPSPEL』単独で写真を撮っていなかったので、かっこつけて座る僕の写真をどうぞ。

 ゲーミングチェア以外でもうひとつ気になっていた製品がある。電動の昇降式デスク『UPPSPEL』(ウップスペル)だ。

 幅180cm×奥行80cmの大型デスクで、高さは72cm~120cmの間で調整可能。120cmにすればクリエイティブなオフィスによくあるスタンディングデスクとしても使える。立ったままゲームできるぞ。

 大型の電動昇降式デスクは10万円以上する製品もざらなのだが、この『UPPSPEL』は84990円だった。安い。最後の最後で広告みたいになってしまったが、1円ももらっていません。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
高めに設定するとこんな感じ。かなり幅広なので複数のディスプレイを設置しやすい。幅140cmのモデルも用意されている。

 ゲーミングチェアは多くのブランドから発売されているが、それ以外の家具はまだまだ数が少ない。イケアの参入によって、たとえば日本の家具メーカー・関家具などが製品開発に本腰を入れてくれれば、より高品質・低価格な家具が出てくる可能性もある。

 また、パートナーがPCメーカーのASUSであり、イケアがPCゲーマーの多いヨーロッパ企業ということで、メインの製品はPC系のアイテムだ。日本は大画面で家庭用ゲーム機を遊ぶ人やスマホゲーマーが多い。そういったゲーマーの意見も吸収して、新たな製品開発に活かしたいという。

 群雄割拠の家具戦国時代に突入するのか、注目していきたい。

[2021/09/30 22:02修正]
※耐荷重の数値に誤りがあったため修正いたしました。

イケアのゲーミングチェアは4999円から。東京ゲームショウ初出展のブースは白と黒のおしゃれ空間だったしサメもいた【TGS2021】
「サメをキャンペーンに活用してください」とお願いしたところ、「検討させていただきます」だそうです。