Playismが、海外インディースタジオのZA/UMによるアドベンチャーゲーム『ディスコ・エリジウム - ザ・ファイナルカット』のローカライズ及び国内パブリッシングを行うことを発表した。
Playismから発売予定となっているプラットフォームはNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4で、2022年春に発売予定。なおPC版などのZA/UMが自社で配信しているプラットフォームについても同時期に日本語にアップデート対応するとのこと。
傑作インディーADVが完全版でついに日本上陸
『ディスコ・エリジウム』は、海外で2019年10月にPC向けに発売。同年のThe Game Awardsでベストインディーゲーム、ベストRPG、物語賞を取るなど、世界的に高い評価を受けた作品だ。
ファイナルカット版は、PCオンリーだった本作をフルボイス化して家庭用ゲーム機などにも対応し、追加クエストなども収録したバージョン。ハードボイルドな言い回しとスラング等が入り乱れた膨大なテキスト量を持つ本作を、いよいよ日本語で楽しめるということになる。
記憶をなくした中年男が首吊り変死体の謎を追う
ゲームの主人公となるのは、とあるホテルの一室で目を覚ました記憶のない男。昨晩は飲んで相当荒れていたらしい“彼”が、迎えに来た捜査官“キム・キツラギ”を相棒に、ホテル裏に放置されていた首吊り死体の謎に迫っていく。
テーブルトークRPG的システムを採用
基本的には探偵アドベンチャーゲームの体裁となっており、関係者への聞き込みや実地検証などの捜査を行っていくのだが、そこにテーブルトークRPG的なシステムを採用しているのがポイント。
主人公はレベルや各種ステータス値を成長させることができ、それによって変動する確率値をもとにシビアな質問や行動を行えることがある。『フォールアウト』シリーズなどに見られるクラシックな海外RPGの確率付き選択肢などをイメージしてもらってもいいかもしれない。
場合によってはバイオレンスな事態に発展することもあるが、本作ではそういったシチュエーションでもアクションゲーム的な戦闘はなく、あくまで自分のステータス値や知識に応じた選択肢から行動を決定し、時にダイスロールの確率勝負に挑む（6が揃えば勝ちが確定）という感じだ。
自分なりのキャラを形作っていく
ゲームを進めていくと、男の性質を構成する24の要素を強化したり、捜査中の会話などから得た考えをつかさどる“思考キャビネット”でさまざまなサブ効果を持つ考えをセットすることにより、自分なりの主人公が形作られていく。
本作では見聞きしたことや自分の判断に対しての“内なる声”のハードボイルドな問いかけやツッコミの比重も大きいので、同じようなルートを辿っていてもそれによって物語の様相が変わってくるという寸法だ。
陰鬱としたディストピア世界をハードボイルドに生き抜け
舞台となるのは、貧困が蔓延し、さまざまな社会的軋轢が存在するシビアでダークな架空世界。それがゆえにロクでもない対応をされることもあり、ゲーム開始早々に現場にいた悪ガキに煽られまくって気力ゲージがなくなったりすると、辞職してゲームオーバーになる。
プレイヤー/主人公はそんな中を、手がかりなし、そもそも自分が誰かの記憶もなし、バッジも銃もどっかにいってしまった……というないないづくしで運命を切り開いていかなければならない。
適当な思いつきを内なる声にツッコミ返されたり、記憶があるフリをして適当に合わせたり、捜査のためとゴミ箱に手を突っ込んだり空き瓶を売ったり、時にカラオケで発散したり、その前途は多難だ。しかし本作は、そんな哀愁込みで楽しむゲームとなっている。そういった機微をちゃんと味わい尽くせるローカライズ完全版になるのを期待したい。
