「プレイヤーが物語に関われるような作品を作りたい」
2021年9月2日~3日の2日間、国内最大規模のインディーゲームの祭典“BitSummitTHE 8th BIT (ビットサミット ザ エイト ビット)”が開催。
本記事では、展示されていた数多くのゲームのなかから、ゲームブック風RPG『いのちのつかいかた』を紹介する。
本作はインディーゲーム制作者のだらねこ氏の個人サークル“だらねこげーむず”の作品で、ゲームブック風のシステムが特徴的なマルチエンディング方式のRPGだ。突如現れた巨大な竜に家族や同胞たちがすべて殺されてしまった主人公の“ゴーシャ”の旅が描かれていく。
ゲームのストーリーを担うマップ探索パートでは、全体像の見えないマップを1マスずつ進み、さまざまなイベントが発生していく。また、プレイヤーが選択できる主人公の発言や行動によって、“命への執着”と“力への執着”というパラメーターが変化していき、最終的なエンディングが決まっていくというのも特徴的なシステムとなっている。
マスによってはルーレットで、アイテムの獲得や、敵との遭遇など、どのイベント発生するかがランダムで決まるマスなどもあり、遊ぶたびに内容が変わっていくという部分は、まさにゲームブックらしさを感じる要素となっていた。
マップ探索中に敵と遭遇すると、戦闘パートへ。戦闘もかなり凝ったものになっていて、1ターンにはお互い3つの行動が選択でき、物理攻撃や魔法攻撃をはじめ、防御や回避といった中からプレイヤーはコマンドを選んでいく。敵から攻撃を受ける際にはガードをすることができ、タイミングよくボタンを押す“QTE”をうまく行うことで、ダメージ量を減らすことが可能。また、敵に攻撃していくと“怒り”のパーセンテージが上がっていき、怒り状態になると攻撃力アップに加えてQTEの判定がシビアになるなど、最後まで気を抜けないアクション性のあるコマンドバトルが楽しめた。
ゲームを遊ばせていただいたあと、制作しただらねこ氏に話を伺うと、本作はイラスト部分やBGM・効果音以外の部分は、だらねこ氏ひとりで、約2年の開発期間を経て、現在のバージョンまで作り上げたのだそう。開発経緯については、「プレイヤーが物語に関われるような作品を作りたい」と思ったことがきっかけとなり、最初は選択肢が多めで、マルチエンディングになるようなゲームを目指していたとのことだ。そんななかで、選択という要素がゲームのコアになっているゲームブックと相性がよいことに気づき、いまの本作の形になっていったとのことだった。また、分岐でたどり着くエンディングは4つを予定していることも話してくれた。
現在、基礎的な部分は完成しているということで、今年中にアーリーアクセス版のリリース、そして来年に完成版のリリースを目指して鋭意制作中。そして、今回会場で遊べたバージョンとほとんど同じものがSteamでデモ版として無料配信されているので、興味が湧いた方は、ぜひ一度実際に遊んでみてほしい。また、パブリッシャーも現在募集中とのことだ。
ファミ通で“BitSummit THE 8th BIT”の模様を配信
ファミ通では、“BitSummit THE 8th BIT”の模様を2日間に渡っての配信を予定している。気になる方はチェックしてみてはいかが?
■1日目
■2日目