『WORTH LIFE(ワースライフ)』は、『牧場物語』シリーズを手掛けたはしもとよしふみ氏と、まつやまいぐさ氏のコンビによる完全新作のファンタジーRPG。2021年6月24日に、Nintendo Switch用のダウンロード専用タイトルとしてHAKAMAよりリリースされる。

 物語の舞台は、女神コスモスが授けたクリスタルの輝きが失われ、各地に異変が起きている世界。国の行く末を憂いたエライオ=サマーン31世は、国中から無作為に集めた30人に資金を配り、事態を解決する方法の調査を託した。

 主人公は、集められた30人の内のひとりだが、どのような冒険をくり広げるかはプレイヤーの自由。旅の道中で手に入れた空き地を利用して、作物を育てたり、釣りを楽しんだり、困っている人に家を貸し出したり……。絵本のような世界でスローライフが堪能できる。

Switch『ワースライフ』プレイレビュー。絵本のようなほのぼのとした雰囲気の世界で、スローライフを堪能
エライオ=サマーン31世を筆頭に、冒険で出会うキャラクターたちは個性豊か。旅の道中でユニークなやり取りが楽しめる。

 今回は、ライターのジャイアント黒田による『ワースライフ』のプレイレビューをお届け。ゲームの魅力を詰め込んだプレイ動画と合わせてチェックしてほしい。もちろん、ネタバレには配慮しているのでご安心を!

王様に100万Gもらったら、あなたは何をする?

 100万Gは、エライオ=サマーン31世が用意してくれた支度金。現実世界のお金の価値と比べるのは難しいですが、大金なのは間違いありません。もしも100万円を自由に使っていいのなら、回転しない寿司屋で高級なネタを腹いっぱい食べてみたいなあと、妄想にふけるライターのジャイアント黒田です。

 せめてゲームの世界だけでも派手に使いたいところですが……。ネタバレを避けるために明言はしませんが、主人公はこの支度金で旅立ちの地であるエンロールの町外れに、自由に使える空き地を入手できます。

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ゲーム開始時、主人公の姿や名前を決められます。あとで変更できるので、気分に合わせて姿を変える楽しみも。

 最初のうちは、空き地を耕して作物を育てることしかできません。しかし、ストーリーを進めると、釣り堀を作ってミニゲームの釣りに興じたり、家を建てて特定のキャラクターに貸し出したりと、有効活用できるように。利用できる土地も地方ごとに増えていくのですが、これが寄り道を楽しむいいスパイスになっていると感じました。

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耕した畑ではキャベツやジャガイモ、キュウリ、トマトなどの作物を育てられます。作物の種類は少ないものの、同じ作物でも土地によって異なる成長が見られます。
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 たとえば農作業。作物は放っておいても育ってくれますが、パチンコを使ったミニゲームをクリアーすると、★付き野菜となり強化やプレゼントに効果的。ただし、料理に使うことができなくなるので注意しましょう。

 また、同じ作物でも土地ごとに収穫できるものが変化する要素や、作物を狙う鳥からアイテムを入手するといった要素も用意されており、冒険の道中に楽しむぶんには、ちょうどいい塩梅になっている印象です。

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パチンコを駆使して、作物に近寄ってくる鳥を追っ払うミニゲーム。制限時間までに作物を守りきればプレイヤーの勝ち。

 釣り堀も畑と近いような作り。魚釣りを楽しむミニゲームに挑める一方で、魚をサクッと入手したいときは、別の方法も用意されているのでいろいろ試してみよう。また、家を貸し出すことで住人からアイテムを入手できるようになり、冒険に専念しやすくなるといった利点も。限られた空き地をどのように有効利用するかは、プレイヤーの腕の見せどころです。

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釣りのミニゲームは、カーソルを魚に合わせた後、タイミングよくボタンを押すと成功できる。

“ひらめき”システムで、できることがどんどん増えていく

 横スクロールのアクションは、近距離武器の剣と、遠距離武器の弓を使ってマモノと戦いをくり広げます。剣のアクションは、最初に振り下げ攻撃しか行なえませんが、すぐに振り上げ攻撃を習得可能。さらに、くり返しマモノと戦うことで、新たなアクションを覚えていきます。これが本作の最大の特徴である、“ひらめき”システムです。

 使えるアクションが少ない序盤は、正直、物足りなさを感じましたが、できることが増えてからが本作の真骨頂。フィニッシュ攻撃や三連撃、ダッシュ、2段ジャンプといった新たなアクションを“ひらめき”で覚えていくと、戦いかたの幅が広がります。

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“ひらめき”システムで覚えるのは、戦闘回りのアクションだけではありません。農作業や釣りなどでも、このシステムのおかげでできることが増えていきます。

 剣だけで力押しできないバランスなのも、なかなか好印象。序盤こそ剣だけでなんとかなりますが、だんだん苦戦するように。手強い敵には武器や防具を強化合成(詳細は後述)して挑んだり、弓で遠距離攻撃を仕掛けたりと、攻略方法をちゃんと考えなければ返り討ちにあってしまうこともありました。

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マモノに与えるダメージは、武器の属性が大きく影響します。マモノに有効な属性の武器を使えば、大ダメージを与えられるように!

 強化合成は、その名の通り、武器や防具にアイテムを合成して強化するシステム。プレイヤーの選択で装備品が変わるシステムや、強化したものをさらに鍛えられる装備転生のシステムなども用意されており、やり込み要素としても熱中できます。

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強化合成で鍛えられるのは、装備品の攻撃力や防御力と属性の性能です。強化後の性能をチェックしながらアイテムを選べばオーケーです。

 やり込み要素と言えば、コレクションが充実しているのもうれしいポイント。コレクションには、身につけることでさまざまな恩恵を得られるアピールや、合成のレシピのリスト、さらにキャラクターとエネミーの図鑑が用意されています。これらのコンプリートを目指すのも旅の醍醐味。コレクションでは、設定テキストを通じて登場人物やマモノの新たな一面が楽しめるのも魅力です。

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住人とのコミュニケーションは、相手と共感することが大事。住人のセリフに合わせてベストな反応を選ぶと親しくなりやすいですよ。
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アピールの変更は占い屋で行えます。ポイントの上限の中で、どのアピールをセットするかを考えるのも頭の使いどころ。

自分にピッタリのペースでスローライフを楽しもう

 ストーリーは、さまざまなクエストを達成すると進行していく作り。各地方でクエストに挑みながらクリスタルの輝きを取り戻していくうちに、プレイヤーは世界の異変や脅威を目の当たりにしていきます。ストーリーの続きが気になるところですが、これまで紹介してきた通り、本作の冒険は寄り道を楽しんでこそ。

 農作業や釣りに興じたり、家の貸し出しやクエストを通して困っている人を助けたり、強化合成と装備転生でお気に入りの装備品をとことん鍛えたり、コレクションのコンプリートを目指したり……。プレイヤーの“ひらめき”次第で、思い思いの冒険をくり広げられる作りになっています。

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主人公のレベルが、狩り(戦闘)のほかに、農作業やコミュニケーション、釣りのレベルによってアップするのもミソ。戦闘が苦手な人でも、主人公をどんどん強くできます。

 絵本のような、ほのぼのとした雰囲気の世界観やキャラクターたちは、長引く自粛生活でストレスが溜まりがちないまの時期にもピッタリだと思うので、興味のある方は、『ワースライフ』の世界で、自由気ままな冒険を楽しんでみませんか?

【Switch】『WORTH LIFE(ワースライフ)』絵本のようなファンタジーRPG、プレイ映像