『シドニアの騎士』完結へ

 2021年6月4日、アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』が公開となる。弐瓶勉氏のマンガ『シドニアの騎士』(『月刊アフタヌーン』2009年~2015年連載)を原作とし、2014年~2015年にテレビアニメ化され、テレビシリーズ第1期編集版の劇場公開も行われた。

 日本屈指のCGスタジオであるポリゴン・ピクチュアズが制作を担い、派手なバトルとかわいいキャラクターを両立したセルルックCGアニメーションとなっている。

 その人気SFアニメシリーズが、この『シドニアの騎士 あいつむぐほし』でいよいよ完結となる。主演声優である逢坂良太さんと洲崎綾さんにインタビューを実施。見どころのシーンから好きなおにぎりの具まで訊いたその模様をたっぷりお届け!

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』 | 劇場アニメーション映画 本予告2

Blu-ray『劇場版 シドニアの騎士』(2015年)

逢坂良太 さん(おおさかりょうた)

声優。代表作に『シドニアの騎士』谷風長道、『ダイヤのA』沢村栄純、『ハマトラ』ナイス、『戦国無双5』徳川家康など。徳島県出身。1986年8月2日生まれ。(文中では逢坂)

洲崎綾 さん(すざきあや)

声優。代表作に『シドニアの騎士』白羽衣つむぎ(星白閑、紅天蛾、エナ星白)、『たまこまーけっと』北白川たまこ、『キルラキル』満艦飾マコ、『アイドルマスター シンデレラガールズ』新田美波など。石川県出身。1986年12月25日生まれ。(文中では洲崎)

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)
つむぎ(左)と谷風長道(右)

――本作は『シドニアの騎士』ひさしぶりの新作になります。また、作品内では前作より10年という月日が流れています。演技もひさしぶりだったかと思いますが、長道やつむぎが変わっていたところ、ご自身で変えた点はありますか?

逢坂長道は変わってないなと思いました。色々な経験を経て精神的には成長していても、身体的に大きな変化はなく、根本的な性格は変わらないキャラクターです。

 生身の我々は実際に歳をとってきていますから、そういった意味ではやりやすくてよかったなと(笑)。僕たちは人生経験をすこしずつ積んでいまにいたっているので、そのあいだに得たその経験値を本作の長道たちに使えましたね。昔だったら本作の長道を演じられなかったかもしれません。

 逆に、いま「昔と同じ演技をやれ」と言われても、昔できていたことができなくなっていることもたくさんあるので。そう言った意味では劇中の設定が10年経っていてありがかったと思います。

――洲崎さんはいかがですか?

洲崎10年経ったことは意識し過ぎていないというか、つむぎはとくに、ちょっとお姉さんぶるんです。その中で、見ていただいた方に「やっぱりつむぎかわいいままじゃん」って思ってもらえるところを目指して演技をしました。

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)
長道が操る機体“一七式衛人 白月改 継衛”(左)と、つむぎ本体(右)

――『シドニアの騎士』は、SFロボットアニメというコンセプトがありつつ、本作ではラブストーリーも大きな魅力となっているかと思います。おふたりの「ここがいちばんおもしろいポイント!」というところを教えてください。

逢坂戦闘シーンと、さらにそのスピード感がほかのアニメとぜんぜん違うなと思っています。なんだったらたまに目が追いつかないくらい早くて(笑)。

 完成映像は台本を読んだだけではわからない部分なので、作品ができあがったときは、その迫力にただただ「すごいな」と思うと同時に、「演じられてよかったな」と思いましたね。

洲崎私はつむぎと長道のシーンがすごく好きです。ふだんは戦闘シーンで激しく戦って、飛び回ってるつむぎが、居住塔の上空を長道に連れられて飛んでいる時は、等身大の女の子に戻って「怖い!」となっているところがすごくかわいいので、ぜひ観ていただきたいです。

――つむぎは非人間の生物で、大きくて触手を持ち宇宙空間での飛行能力まであるという存在ですけど、かわいいですよね(笑)。

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)

――そんな作品のなかで「このシーンは絶対見どころ!まばたきせずに見て!」というところはどのシーンでしょうか?

洲崎いやもう、「全部」としか言いようがないくらい……。

逢坂全部だよね! 泣けるシーンがたくさんあって。

洲崎私3回泣いたよ! ぼろぼろ泣くシーンが3個あった。

逢坂泣く感情がそれぞれ違うんですよね。悲しくて泣くシーン、うれしくて泣くシーン、感情が昂ぶって泣きたくなるシーン、全部違っていてそれぞれのよさがあるので、いちばんを選べと言われると難しいですね。

洲崎選べない!(笑)

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)

――ご自身が演じた人物以外でお気に入りのキャラクターはいますか?

洲崎みんな好きなのですが、ひとり選ぶとしたら誰だろう……。

逢坂僕は小林艦長です。

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)
シドニア艦長の小林(声:大原さやか)。複雑な過去と強い覚悟を背負っている。

洲崎即答だね(笑)。小林艦長もかっこいいけど、私は岐神海苔夫かな~。テレビアニメ2期だとかわいそうな役回りだったのですが、今回の劇場版でいちばん報われるのが海苔夫じゃないかなと思うので。

逢坂それを言ったら小林艦長も今回の劇場版で救われた感じがしますね。“憑き物が落ちた”というか。

――ほうほう。

洲崎(今回の劇場版で)みんな救われていると思います。

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)
岐神海苔夫(くなとのりお)(右)(声:櫻井孝宏)。

――すこし、おふたり個人に迫る質問もしてみたいと思います。長道はおむすびが好物で作中でもおいしそうに頬張るシーンがありますよね。おふたりが好きなおにぎりの具はなんですか?

逢坂おにぎりの具!?(笑)

洲崎鮭です。

逢坂即答だね(笑)。僕は具ではないんですけど、わかめご飯のおにぎりが好きですね。

洲崎海苔はいらないの?

逢坂海苔はあってもなくてもいい。

洲崎海苔夫が泣くよ(笑)

逢坂ごめん海苔夫(笑)。海苔だと、ふつうの海苔より味付け海苔が好きですね。

――変な質問でスミマセン(笑)。映画の話に戻りましょう。本作では、長道がつむぎに対する想いを伝えるシーンがあります。あのシーンは「こういう風に演じた」と意識したところはあるでしょうか。

逢坂とくに意識はしなかったです。その場で長道として生きて、演じて、気づいたら終わっていたくらい自然な状態でした。極端に言うと長道が乗り移っていたような感覚です。

 しいて言えば、ラブシーンと言いつつ、見ていてほほえましく応援したくなる初々しいシーンなので、“恋愛強者”にはならないように意識していました。実際に僕も恋愛経験がそんなに多くはないので、それが功を奏したのかなと思います(笑)。

――あの長道の“告白”は、つむぎ的にはもちろん100点だったと思いますが、洲崎さんご本人としてはどんな風に感じましたか?

洲崎長道は性格的に告白するタイプではないかなと思っていたので、自然な流れで長道が告白するストーリーの繊細さが好きでした。「身長差なんてたったの15メートルだ!」というセリフもすごく長道らしくてかわいいなって。私はベストな告白だと思います。何と比較してかはわからないですが(笑)。

アニメ映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』洲崎綾&逢坂良太インタビュー!「長道のセリフはベストな告白」(洲崎)

作品情報

  • タイトル:『シドニアの騎士 あいつむぐほし』
  • 公開予定:2021年6月4日(金)公開予定

キャスト(敬称略)

  • 谷風長道:逢坂良太
  • 白羽衣つむぎ:洲崎綾
  • 科戸瀬イザナ:豊崎愛生
  • 緑川纈:金元寿子
  • 岐神海苔夫:櫻井孝宏
  • 岐神海蘊:佐倉綾音
  • 仄姉妹:喜多村英梨
  • 小林艦長:大原さやか
  • 勢威一郎:坪井智浩
  • 落合:子安武人
  • ヒ山ララァ:新井里美
  • サマリ・イッタン:田中敦子
  • 佐々木:本田貴子
  • 弦打攻市:鳥海浩輔
  • 丹波新輔:阪脩
  • 田寛ヌミ:佐藤利奈
  • 科戸瀬ユレ:能登麻美子
  • 山野稲汰郎:内田雄馬
  • 浜形浬:上村祐翔
  • 端根色葉:水瀬いのり
  • 半間乙希:岡咲美保

スタッフ(敬称略)

  • 原作/総監修:弐瓶勉『シドニアの騎士』(講談社『アフタヌーン』所載)
  • 総監督:瀬下寛之
  • 監督:吉平“Tady”直弘
  • 脚本:村井さだゆき/山田哲弥
  • プロダクションデザイナー:田中直哉
  • アートディレクター:片塰満則
  • CGスーパーバイザー:石橋拓馬/上本雅之
  • アニメーションディレクター:永園玲仁
  • 美術監督:芳野満雄
  • 色彩設計:野地弘納
  • 音響監督:岩浪美和
  • 音楽:片山修志
  • 主題歌/挿入歌:CAPSULE
  • 作詞/作曲:中田ヤスタカ
  • 音楽制作:キングレコード
  • アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
  • 配給:クロックワークス
  • 製作:東亜重工重力祭運営局