気鋭のライターがとっておきのインディーゲームを紹介。今回お届けするのはNintendo Switch用ソフト『モンケンクラッシャー』。あの飯田和敏氏が原案を手掛ける豪快アクション。担当は、“幼少期の夢は大型重機の運転手”という、常駐戦場常広。
鉄球“モンケン”を振り回す、新感覚のアクションゲーム
クレーン車の先に吊るされた鉄球“モンケン”を振り回し、建物を破壊して人質を救出する新感覚アクションゲーム。本作は、2014年にリリースされたWebゲーム『モンケン』に、“友だちといっしょにコントローラーでプレイしてほしい”との想いから追加要素を加えたもので、2P対戦の実装など、より遊び応えのあるゲームへとパワーアップしている。
『モンケンクラッシャー』ニンテンドーeショップページクレーンに吊るされた“モンケン” をぶん回せ!
本作は、クレーン車を左右に移動し、スティックを回してモンケンを振り回すだけと、操作方法は至ってシンプルで遊びやすい。しかしなが
ら、勢いよくモンケンを振り回すのにはコツがあったり、ときには小さく振って正確に狙ったりとテクニックが求められる。
多彩なステージに挑むひとりプレイ
本作のメインである1Pプレイは、3ステージで構成されたさまざまなマップに挑戦し、決められたスコアを目指すというもの。各ステージには、モンケンをヒットさせることで高得点がもらえる雲人が出現。制限時間内に建物を破壊しつつも、より多く雲人にヒットできるかがクリアーのカギとなる。
■新しいクレーン車を開放!
■立派なお城も破壊できる!?
白熱のふたりプレイで盛り上がろう!
2Pプレイは、Nintendo Switch 本体が1台あれば、Joy-Conのおすそわけプレイで手軽に楽しむことが可能。ふたり同時に同じステージをプレイし、最高スコアで勝敗を決める。お互いのプレイを見合いながら、時間ギリギリまで雲人を狙って高得点を稼いだり、いち早く建物を破壊してプレッシャーをかけたりといった駆け引きがおもしろい。熱いバトルで腕を競い合おう!
■ポイントを稼いでスコアを競い合え!
★開発者インタビュー★親しみやすさはそのままに、新たな楽しみかたとやり込み要素を追求した
最後に、本作を開発したゲーム菩薩グループの3名に、『モンケンクラッシャー』を開発するに至った経緯を聞いた。パブリッシャーであるピグミースタジオの夢工場長からのコメントも到着しているので合わせてお届けする。
飯田和敏氏(写真左上)
ゲーム菩薩グループ 原案
中村隆之氏(写真右上)
ゲーム菩薩グループ ディレクター・サウンド
納口龍司氏(写真左下)
ゲーム菩薩グループ デザイナー
夢工場長(写真右下)
ピグミースタジオ プロデューサー
――クレーンに吊るされた“モンケン”を題材にしたほかにはないアクションゲームとなっていますが、どのようなところから発想を得たのでしょうか?
飯田幼少期にテレビニュースで見た、あさま山荘事件の光景が印象に残っていました。それは鉄球で建造物を破壊する映像でした。この事件についてはあえて掘り下げせず、表面化した光景そのものをゲームにしました。
――2014年にクラウドファンドで資金調達をして制作したWEBゲーム『モンケン』を、『モンケンクラッシャー』としてリリースするに至った経緯を教えてください。何かきっかけがあったのでしょうか? それとも当初からのプランだったのですか?
飯田家庭用ゲーム機での展開も考えておりましたが、当時はWebでの公開がひとまずの目標でした。インディーゲームの状況が変化していく中で、よい機運だと判断しました。
――『モンケン』を『モンケンクラッシャー』にブラッシュアップするにあたり、もっとも注力してポイントをお教えください。
飯田対戦モードです。
中村Web版の『モンケン』はステージクリアー型のゲームで、一度遊び切ってしまうと、やり込み要素が余りないゲームでした。その課題をクリアーするために、ゲームをスコアノルマ型の遊びに変更し、さらに扱えるクレーン車のバリエーションを増やした点がブラッシュアップの大きな点です。
――“友だちといっしょにコントローラーで遊んでほしい”との思いで開発したとのことですが、2P対戦でこだわった点を教えていただきたいです。
中村 『モンケンクラッシャー』は非常にシンプルなゲームです。年齢に関係なく、コントローラーを握れば、誰でもすぐに遊べるように様になるゲームだと思います。実力差があっても、クレーン車の種類などでハンデを付けた遊びかたもできますし、難しい設定やルールを覚えなくもよい点にこだわりました。
――実際に遊んでみると、すごくシンプルなゲーム性で遊びやすく、それでいてステージクリアーや高得点を出すために何度もリトライしたくなる中毒性があるなという印象でした。本作を制作するうえで苦労された点や、もっとも訴求したいポイントはどの点でしょうか?
中村遊びながら、自然とクレーンの操作技術や攻略方法が身につくように、ステージ構成や建物の難易度を考えました。
なかなか壊れない建物を作れば難易度は上がりますが、それでは、クレーンを振り回して破壊する爽快感が失われてしまいます。そういった難易度調整は苦労した点です。
仮にどこかのマップで躓いて、なかなかクリアーできなくても人質を救出し続ければ、新しいクレーン車が手に入って、攻略しやすくなって行きます。技術に差があっても遊びやすくなっている点にはもっとも気を使いました。
――高得点を出すためのプレイのコツを教えてください!
中村雲人(テロリスト)にヒットすることが高得点のチャンスです。雲人の登場頻度はランダムで、建物ごとに異なっています。ただし、登場する場所は建物の残っているパーツに限られています。パーツを残して、うまく雲人だけに連続ヒットできれば高得点を狙うことができます。
――多種多様なクレーン車が登場しますが、実在するクレーン車を参考にされているのでしょうか?
納口実在するものと、空想上のものを混在させました。序盤のトラックに搭載したクレーンのようなタイプは、昔本当にあったそうです。
――個性豊かなステージはもちろん、カッコいい“モンケン”、テロリストの雲人、ユニークな人質といったキャラクターが多数登場しますが、デザインにおいてこだわりを教えていただきたいです。
納口ゲーム自体の操作性がシンプルなので、ずっと見ている画面を“飽きない”ようにいろいろなバリエーションのキャラクター、ガジェットを詰め込むことにこだわりました。その際、内観については、昔のウルトラ怪獣図鑑などにあった、怪獣の解剖図みたいなのから着想を得ました。
――YouTubeにてオリジナルストーリーも公開されていますが、ストーリーを紐解けるような展開は今後も行っていく予定でしょうか?
飯田かなり入り組んだややこしい家族の物語です。これについては動画で解説していこうと思っています。ゲームとストーリーを分離したことで昔のアーケードゲームのようなタイトさが出たと思っています。
――最後に本作をこれからプレイする方やファンの方にメッセージをお願いします。
飯田かつて支援していただいた方、お久しぶりです! ようやく家庭用ゲーム機でリリースができました! そして初めましての方、初めまして! このゲームは操作になじんでいくと、すごい得点を叩き出すことができます。うまくなることがおもしろいという古典的なアクションゲームです。お友だちやご家族と対戦して盛り上がってください!
中村最初はひとりでコツコツ攻略して、マップをたくさん開くことができたら、ぜひ家族や友だちと対戦プレイで遊んでみてください。年齢や経験を問わず、誰とでも楽しく対戦プレイができると思います。攻略動画や実況動画など上げてくれたうれしいです!!
納口いろいろあったモンケンが、『モンケンクラッシャー』としてNintendo switchで遊んでもらえるときが来るなんて、思いもしなかった僥倖です。親指がぶっ壊れるまで遊んでください!
ピグミースタジオ プロデューサー夢工場長からのコメント「本作は、けん玉であり格ゲー」
この度、ピグミースタジオで本ゲームをパブリッシングいたしました。プロジェクトに関わる皆様にお礼を申し上げます。
経緯としましては、BitSummitで繋がったゲームクリエイターの飯田和敏氏が手掛ける“みんなでつくる!インディーズゲーム「モンケン」制作プロジェクト”というインディーゲーム界隈としては当時珍しかったクラファンを使った先駆け的な展開に共感したからです。
また、実際にWebのベータ版を遊んでみて、けん玉のような感覚を刺激するゲームシステムが子どもに向いていると思いました。その上でディレクターに話したことは、コントローラを使用してより感覚的であること、対戦プレイを加え上達する楽しさを提供したいという点がNintendo Switch版への開発に繋がりました。
遊びをくり返すうちに感覚的に頭の“活性化モード”、“集中モード”のふたつを鍛える遊び、まさにけん玉であり、格ゲーだと思います。
モンケンクラッシャー
- メーカー:ピグミースタジオ
- 開発:ゲーム菩薩グループ
- プラットフォーム:Nintendo Switch
- 配信日:3月18日配信
- 価格:999円[税込]
- ジャンル:アクション
- CERO:全年齢対象
- 備考:ダウンロード専売