皆さんこんにちは、リプ斉トンです。

 さまざまな情報が跋扈するインターネット空間。そこでは日々さまざまなネタが生まれては消えていっています。

 そのなかでも、数こそ少ないものの、ネタのひとつひとつが大きな人気を博しているのが、動物の見間違い画像、錯視画像です。

▲こういうの。

 本来はかわいいはずの動物が、錯視によってヘンテコリンな姿となって映し出されいている画像や動画。そこに言葉は必要なく、国籍を問わず愛され続けています。

 マッチョに見えるキツネ、胴体がないネコ、豪腕のイヌ……さまざまな画像が出現しては、大きなバズを生み出し続けています。それらのネタを、皆さんもSNSなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 そして、そんな錯視動物を題材としたゲームが発売されていることを、皆さんはご存知でしょうか!?

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!
『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 その名は『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』。前述のとおり、インターネット上に登場した動物のインターネットミーム(最近覚えた言葉)をモチーフとしたキャラクターが登場する2D対戦格闘ゲームです。

 本記事では、この『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』のその魅力をご紹介いたします。

リプ斉トン

動物大好き系ゲームライター。家では白と黒、2匹のネコを買っている愛猫家。猫って漢字って「びょう」って読むんですね。「あいねこ」だとずっと思っていました。

 なお、すでにダウンロード版がリリースされている本作をなぜこのタイミングで紹介するのかというと、2021年4月22日にパッケージ版がNintendo Switchで発売されるからなんです。マジかよ!?

Switch『Fight of Animals』の購入はこちら(Amazon.co.jp)

 パッケージ版では、ダウンロード版で追加ダウンロードコンテンツ(DLC)として発売されていたものが、最初から全部入りになっています。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!
『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 ダウンロード版はNintendo Switch版、プレイステーション4版、PC(Steam)が配信中ですので、追加DLCが欲しい人はパッケージ版を、不要な人はダウンロード版を購入するといいですね。

 ダウンロード版の価格はNintendo Switch版なら1000円[税込]! めっちゃ安い!

Switch『Fight of Animals』ダウンロード版(My Nintendo Store)
PS4『Fight of Animals』ダウンロード版(プレイステーション Store)
Steam『Fight of Animals』(Steam公式サイト)
『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!
パッケージ版の初回特典、パワーフックドッグ・オリジナルアクリルスタンド
『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!
パッケージ版の初回特典、オリジナルマルチクロス

「プッ」と笑えれば、それでゲームは8割プレイ完了です

 本作の最大の特徴であり、魅力の大部分を占めているのが、登場キャラクターのデザインです。

 もう見てくださいよ、このインパクトを。どこかで見たことのある“アイツ”が、おのれの拳をぶつけ合うガチバトルをくり広げるのです。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 操作キャラクターは、全8匹。そこからアーケードモードをクリアーすると、隠しキャラクターが2匹追加されます。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 今回は、初期に登場する8キャラクターを解説とともにご紹介いたします。

POWER HOOK DOG

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 強烈な右フックをくり出しているように見えるイヌの画像がたぶん元ネタのキャラクター。

 能力としてはオーソドックスで、前方向に強い技や対空技などを持っています。まずはこのキャラクターで操作を覚えるのがよさそうです。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

CROWRILLA

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 その姿から、まるでゴリラがナックルウォーキングをしているように見えるカラスがたぶん元ネタ。

 実際には羽を広げて立っているだけのはずだが、その角度が絶妙にゴリラ。

 下+スキルボタンでウ●チっぽい飛び道具を出すのが汚い……がその性能はバツグン。

 空中で前+スキルボタンを押すとちょっとだけ空を飛ぶことができます。ゴリラだけどカラスだもん。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

WALKING CAT

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 走っている姿を正面から捉えたため体が写されず、顔から手足が生えているように見えた画像がたぶん元ネタ。

 ネコらしく(?)爪を使った技が多い。加えて、なぜか鉄山靠のような中国拳法も使用できます。

 下+スキルボタンで出せる必殺技が連続でヒットできて強い。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

MAGIC SQUIRREL

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 そのポーズから、水を操っているように見えたリスの画像がたぶん元ネタ。元ネタの水は、じつはコラージュだという説もあります。

 ゲームでは水を操るスキルを持ち、前+スキルボタンで出す飛び道具は画面の端から端まで届くのでかなり強い。

 スーパーボタンで出せる超必殺技も、端から端まで一気に飛ぶ飛び道具となっており、非常に当てやすいのがマル。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

MIGHTY FOX

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 じつは集まって暖を取っているキツネなのですが、その姿が腕組みしているマッチョなキツネに見える画像がたぶん元ネタです。

 おもに足技を使って攻撃する(頭突きもする)スタイリッシュなキャラクター。

 下+スキルボタンで出せる対空技は、某アメリカ軍人が使っていそうなモーションになっており、非常に頼れます。

 超必殺技は乱舞攻撃になっていて、なんかすっごく格闘ゲームのキャラクターっぽいんですよね。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

MUSCLE BELUGA

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 海中でポージングを決めているようなイルカがたぶん元ネタ。

 体のどこかの部分が胸筋や腹筋に見えてしまい、尋常じゃないマッチョに見えてしまうという錯視になっています。

 後ろ+スキルボタン>前+スキルボタン>下+スキルボタンの技が簡単に連続ヒットするため、コンボしている感が味わいやすいナイスなキャラクター。

 イルカなのに、尋常じゃなく鍛えてある上半身がキモい。というか、手があるからもはやイルカではない……?

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

EGG DOG

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 もとは真っ白なポメラニアンですが、トリミングサロンで毛をカットしてもらった結果、卵のような見た目になってしまった画像がたぶん元ネタ。

 作中のキャラクターのなかでも屈指のかわいさを誇りますが、その超必殺技のモーションのキモさも随一。

 後ろ+スキルボタンで出せる技は時間差で爆発するため、攻撃してきた敵にいやらしくヒットします。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

SLENDER CAT

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 “のびーるたん”の愛称で親しまれてきた白ネコがたぶん元ネタ。ゲーム中でも体が非常に長~~い。

 キャラクター選択画面の画像とは打って変わって、バトル中にはリアルな顔をしており、そのギャップが笑えます。

 後ろ+スキルボタンで出す突進技は攻撃のリーチが長くて頼れるので多用してオーケー。

 このキャラクターも歩きのモーションがキモい。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 いずれのキャラクターも、一度見ると「どこかで見たことある!」と言いたくなるような造形。それらが格闘ゲームのキャラクターとして動いているところを見ると、爆笑必至です。

 しかし、しっかりと技が設定されていて、あら不思議、ちゃんと格闘ゲームのキャラクターとなっているんです。

 いずれも、基本的なアクションの性能は同じですが、キャラクターによって長所となる部分やスキル(必殺技)の性能やモーションが異なっています。

 まずは見た目からキャラクターを選んでしまっていいと思いますが……どうやって選んだらいいんだこれ。かわいらしさ? ヘンテコさ?

ネタゲーだと思いきや格闘ゲームとしても秀逸でした

 キャラクターを紹介したところで、まずは本作のゲームシステムを解説。

 本作は弱攻撃、強攻撃、スキル、スーパーの4ボタンが存在し、スーパー以外のボタンは後ろ、前、下を同時押しすることで異なる技がくり出せます。

 ほかの2D対戦格闘ゲームのように、コマンド入力をする必要がなく、技が簡単に出せるのがポイント。

 全員ともに弱攻撃>強攻撃>スキルまたはスーパーの順番に攻撃がつながるので、どのキャラクターも扱いやすい性能になっています。

 また、スキルで出せる技の一部は前を2回押すことで出せるダッシュで行動をキャンセルすることができ、組み合わせることでスタイリッシュなコンボにつなげることも可能です。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 本作は、ただのネタゲーだと思いきや、プレイしてみるとその考えが一変。失礼ながら、非常にきちんとしたゲームシステムに整理されていて、対戦格闘ゲームの醍醐味をしっかりと味わうことができました。

 おそらく製作者の方は対戦格闘ゲームの大ファンなのでしょう。

 弱・強・スキルとつながるシステムとダッシュを活用したシステムのおかげで、非常に自由度の高いコンボを生み出すことができます。

 また、敵に攻撃を食らっている最中にスーパーを押すと、ゲージが満タンだと敵を吹き飛ばす技が出せます。

 こちらも、さまざまな格闘ゲームで緊急回避の技として愛されているシステムですが、けっこうマニアックなシステムだと思うんですよね。

 こういったところからも、開発者の方の格闘ゲーム愛が感じ取れるようです。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 本作のダッシュのように、キャラクターの行動を強制的に停止させるシステムがあると、自由度が高い反面、ヘタをすると永久コンボが生まれてしまう可能性も秘めてしまうもの。

 ですが、本作ではヒット数が増えていくとキャラクターがだんだん浮かなくなってきて、永久コンボが成立しないようになっているのです。

 う~ん、本当にちゃんとした格闘ゲームだ……。

 キャラクターこそ個性的ですが、技と技の駆け引き、コンボを研究すればダメージがアップするやり込み要素、練り込まれたゲームバランスなどがしっかりと内包されており、対戦格闘ゲームの醍醐味を味わえる内容のゲームになっています。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 しかも、トレーニングモードやバーサスモード、オンライン対戦モードなども完備! ここまでできて、Nintendo Switch版は1000円、プレイステーション4版は1540円でプレイできてしまうのだから驚きです。

 立ち位置としてはインディーゲームにあたると思うのですが、そのつもりで購入してみたら、失礼ながら意外にもハマってしまいました。

 ただし、ひとり用のアーケードモードは、難易度を普通にしても敵がかなり強いのでご用心。

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!

 『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』は、ネタゲームの皮をかぶったガチ対戦格闘ゲームでした。

 ボリュームはフルプライスの格闘ゲームと比べると薄めですが、肝心の格闘ゲームとしても魅力はかなりのもの。それこそフルプライスの格闘ゲームに負けず劣らずの出来栄えです。

 操作はボタンを押すだけ。格闘ゲームに不慣れな人でも、技を出している感覚がバッチリ味わえます。コマンド入力などはないので、アーケードスティックなどの専用コントローラがなくても十分にプレイできます。

 ぜひ友だちを誘って、アニマルファイティング(いま名づけた)を楽しんではいかがでしょうか。

 俺はSLENDER CATを使うぜ!

『Fight of Animals(ファイト オブ アニマルズ)』プレイレビュー。ネタゲーの皮をかぶったガチの格闘ゲームでした!
  • Fight of Animals
  • ジャンル:対戦格闘
  • 開発:Digital Crafter
  • パブリッシャー:Digital Crafter/JUSTDAN INTERNATIONAL CO., LTD.
  • プラットフォーム:Nintendo Switch
  • パッケージ版 発売日:2021年4月22日
  • パッケージ版 価格:4180円[税込]
  • 対応言語:日本語/繁体字中国語/簡体字中国語/韓国語/英語
  • CERO:A(全年齢対象)
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