2021年4月15日(木)~5月5日(祝・水)の期間中、東京・銀座にある松屋銀座8階イベントスクエアにて開催中の“「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった”。この展覧会の、先行内覧会の模様をお届けします。
『ナウシカ』などのジブリ作品はもちろん、『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』、押井守氏の『天使のたまご』の貴重な資料も
現在もアニメファンに支持され続けている、徳間書店が刊行するアニメ専門誌『アニメージュ』。今回の展覧会で焦点を当てるのは、現在はスタジオジブリ作品などのプロデューサーとして有名な鈴木敏夫氏が、この雑誌の編集者だった1970年代末~1980年代。アニメ文化が大きな飛躍を見せた当時の、貴重な資料が多数展示されています。
エントランスに並ぶアニメージュの歴代表紙モービルは、まさに壮観。アニメ史に名を残す作品の数々が、当時どのように取り上げられていたかが一望できます。当時を知る人にとっては懐かしく、若いアニメファンにとっては歴史の一端に触れるような心地がするのではないでしょうか。
奥に進むと、日本のアニメ史を一望できる年表や、当時の記事、生原画、イラストなどがズラリ。丁寧な解説付きで、見応え、読み応えともに抜群。内覧会の時間だけでは堪能しつくせないボリュームでした。
とくに当展覧会の目玉となっているのが、公開当時の資料などと一緒に、初公開となる“風使いの腐海装束”などを見ることができる『風の谷のナウシカ』に関する展示物。劇中のビジュアルを模して造形作家・竹谷隆之氏が手掛けた造形物の緻密なディテールは、圧巻のひと言。
そしてジブリ作品以外にも、『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』といったいまでも続くシリーズ作品をはじめ、当時を彩った作品群の歴史的資料も多数。撮影不可だったものの、原案・監督・脚本を押井守氏が手掛けたOVA『天使のたまご』に関する展示は、非常に貴重な機会とのこと。押井氏のファンの方にもぜひ足を運んでいただきたいです。
ナウシカ役・島本須美さんを交えたトークセッション
内覧会では『風の谷のナウシカ』の主人公・ナウシカや『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスをはじめ、数々の有名キャラクターを演じてきた声優・島本須美さんと、当時アニメージュ編集部に在籍しており、“三鷹の森ジブリ美術館”のシニアアドバイザーにして、当展覧会の監修者でもある高橋望氏とのトークセッションも行われました。
島本さんは展覧会について「ついつい立ち止まって見てしまって、あっという間に時間が経ってしまいました」と、その情報量の多さ、濃密さをアピール。
高橋氏はアニメージュに在籍しはじめたころ、ちょうど鈴木氏がジブリでの作品制作に注力し始めた時期だったとのことで、鈴木氏が中心になっていたころよりよい雑誌にすべく、鈴木氏を「戦う相手」のようにライバル視していたとのこと。
また、当時の島本さんとの接点について聞かれると、「残念ながら鈴木さんが独占していたので、お会いできませんでした」と語り、取材陣の笑いを誘いました。
なお当展覧会は音声ガイドにも対応しており、こちらにも島本さんと高橋氏によるクロストークを収録。610円[税込]のスマートフォン用アプリを購入するか、展覧会入口横で専用機を600円[税込]でレンタルすれば、当時を知るおふたりによる、展示物に関する貴重なお話を聞くことができます。
『オール アバウト 鈴木敏夫』ほか、公式ショップは限定グッズが充実
公式のグッズショップも充実の品揃えで展開。アニメージュの表紙を模した数々のグッズのほか、『風の谷のナウシカ』の製作当初の設定を再現したという青いテトのぬいぐるみ、ナウシカやラピュタのオリジナルイラストのグッズなどは限定商品です。
また、展覧会の公式本である『オール アバウト 鈴木敏夫』は、この展覧会で取り上げられた作品や、当時の歴史をより深く知りたい方は必読。
なお、会場にて取得できるパスコードを入力すれば、オンラインショップでのお買い物も可能になります。どれを買うか迷って、すぐに決められなくなってしまった方も安心ですね。
MGカフェのコラボメニューには『ナウシカ』、『ラピュタ』、最新作『アーヤと魔女』をモチーフにしたものも
会期中は松屋銀座8階の“MGカフェ”にてコラボメニューも販売。ナウシカ、ラピュタ、『未来少年コナン』などの不朽の名作に加え、最新作『アーヤと魔女』をモチーフにしたフードも登場します。
展覧会概要
- 名称:『「アニメージュとジブリ展 」一冊の雑誌からジブリは始まった』
- 会期:2021年4月15日(木)-5月5日(祝・水)
- 会場:松屋銀座8階イベントスクエア
- 開場時間:午前10時30分-午後7時30分《日時指定制》
(最終日は午後5時閉場、入場は閉場の30分前まで)
料金
- 一般 ¥1,500/高校生 ¥1,000/中学生 ¥800/小学生 ¥600
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況により営業日・営業時間が変更となる場合がございます。詳しくは松屋ウェブサイトをご覧ください。
- 企画制作:株式会社ニュートラルコーポレーション
- 企画協力:株式会社スタジオジブリ・三鷹の森ジブリ美術館
- 協力:株式会社徳間書店、マクセル株式会社