2021年4月30日に発売を控えるNintendo Switchソフト『New ポケモンスナップ』。本作は1999年にニンテンドウ64で発売された『ポケモンスナップ』のゲーム性をベースにした完全新作のゲームです。

 そんな『New ポケモンスナップ』を一足先に体験できたので、ポケモン担当編集者ゆーみん17が先行リポートをお届けします。

『New ポケモンスナップ』PV “ようこそ!レンティル地方”篇

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 なお、今回の体験は50分の間、7種類のルートを自由に遊べるというものでした。なかには、昼と夜のロケーションを楽しめるルートや、調査レベル(上がることで出現するポケモンや行動が変化する)の段階が複数あるコースも。

『ポケモンスナップ』の思い出

 こちらは、前置きとなりますので、『New ポケモンスナップ』のレビューがすぐに読みたい方は、目次より“『New ポケモンスナップ』の基礎知識”以降へ飛んでいただければと思います。

 自分はニンテンドウ64版『ポケモンスナップ』の大ファンで、この作品を遊んだことは幼少時代のとても濃い思い出のひとつです。

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※画像はWiiUバーチャルコンソール版『ポケモンスナップ』のものです。

 まだゲーム雑誌や攻略本などで情報取集をするという発想がなかった子どもの自分が、どうすれば高得点を取れるのか、いいポケモンの表情を撮れるのか試行錯誤しながら、何度もくり返し遊びました。

 隠し要素として、幻のポケモン・ミュウのみを撮影できるコースがあるのですが、ふつうにカメラを構えて撮影しようとしても、ギミックがあり、ミュウは簡単に撮影ができないようになっていました。

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※画像はWiiUバーチャルコンソール版『ポケモンスナップ』のものです。

 父親といっしょに何度も遊び、どうすればミュウがうまく撮れるようになるのか、最高得点を取れるのか、研究したのも本当に楽しかったです。

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※画像はWiiUバーチャルコンソール版『ポケモンスナップ』のものです。

 ポケモンのいい表情が撮れたとき、つぎのステージへのギミックを偶然解けたとき「自分はもしかしたら、才能があるのかも!」と、気分をよくしてくれるのです。

 カセットを全国のローソンやポケモンセンターに持っていくと、シールプリントしてくれるサービスもあり、当時はこれに本当にうきうきして、親に何度もねだって、シールを手帳に貼るのを楽しみにしていたのを覚えています。大切な思い出のゲームです。

 ニンテンドウ64版『ポケモンスナップ』のファンの方には同じような気持ちの方も多いかもしれませんが、20年以上新作を待ち続けていた人間ですので、『New ポケモンスナップ』の発売を知ったときは、飛び跳ねるほどうれしかったです。

 さて、前置きが長くなりましたが、そんな前作から遊び続けている自分が『New ポケモンスナップ』を遊んで、どこが楽しかったのか、本作をより楽しむためのポイントなどをいくつか紹介します。

『New ポケモンスナップ』の基礎知識

 ポケモンの活き活きとした瞬間をカメラに収める、というゲーム性の『ポケモンスナップ』ですが、そもそもゲームとしての完成度が高く、いまバーチャルコンソールで遊んでも楽しめるゲームだと思っています。現に、いまなお遊び続けている人もいるのではないでしょうか。

 『New ポケモンスナップ』は、『ポケモンスナップ』の発売から20年以上が経ち、もちろん時代に沿った進化をしています。しかも、かなり高いクオリティーで。でも根っこの楽しさはそのまま。あのとき、夢中になってポケモンを撮影していた感覚はまったく変わりません!

 操作は難しくないので、本作から遊ぶ人も、もちろん楽しめます! 後述しますが、ポケモンを好きな方はもちろん、写真を撮るのが好きな方、さまざまなゲームに実装されている“フォトモード”などが好きな方には、ぜひオススメしたい一作です。

 本作のストーリーは、レンティル地方に生息するポケモンやレンティル地方の自然環境をを調査している“カガミ博士”に頼まれ、主人公がポケモンたちの生態を調査するといった内容。調査を重ねることで、新たな発見や、出会いが待っています。

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 操作はシンプル。自身が乗る“ネオワン号”が選択したルート内を自動で動いてくれるので、カメラを構えて撮影するのみ。撮影の途中、どうぐを使うこともありますが、それもボタンひとつですぐに使えます。

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 撮影した写真は“カガミ博士”が評価をしてくれて、ポケモンフォト図鑑に登録されていきます。この採点システムがやりこみ要素のひとつで、どんどん高いスコアや珍しい写真を求めて撮影に行きたくなるのです。採点してもらえると、自分の写真がどれほど出来のいいものだったのかが数値でわかるので、遊びとしての気持ちよさにつながる気がしています。

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 点数の評価軸は、ポケモンたちのポーズ、適正な大きさで写っているか、カメラのほうを向いているか、真ん中に写っているか、ほかのポケモンが写っているか、などの基準があり、これらがばっちり決まっているほど、点数は高くなります。

 この評価項目とは別に、ポケモンの行動の珍しさによって星1~星4に分類され、この星ごとにポケモンフォト図鑑に登録されます。星4の評価の獲得はかなり難しいようで、撮影できるととても嬉しくなります。コンプリートを目指したくなりますね!

まさに“ポケモンの世界”にいる心地

 『ポケモン』のゲームの世界観は、いつも気持ちをその世界に導いてくれるようなつくりなのですが、『New ポケモンスナップ』では、完全に自然体のポケモンを観察する視点となります。まさにポケモンがそこに生きている!

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本作で訪れる世界はとても広く感じます。さらに、細部まで綺麗に見え、およそ20年間でのグラフィックの向上を改めて感じられますね。

 ポケモンの動きや、食べ物の食べかたひとつでも個性がよくわかります。ポケモンにより、食べかたが変化するのです。

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コイキングの食事シーン、初めて見たかも……。

 当たり前のことではあるのですが、こういった細かいモーションを、こだわってつくっていることがとても伝わってきて、気が付けば世界に入り込んだように没頭しています(登場ポケモンは200種類以上とのこと!)。

 ポケモンたちの触れ合いも、ふだん多くのパターンを見られる機会はそこまでないと思うのですが、本作では存分に堪能できます。紹介できるのはごくごく一部ですが、ぺリッパーがナマコブシを運んでいるところや、ルガルガンたちが戦っているところ、進化前と進化後のポケモンが並んでいるところなんかもあって……、いくつ目があっても足りません。

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とっても癒されるウパーとヌオー。親子なのかなぁ?

 なんてったって、360度見渡せるのです。そして、想像をはるかに超えて、ポケモンたちがたくさん登場します。1匹のポケモンを撮り続けていると、つぎからつぎにできごとが起きていくので、何度でも調査に行きたくなって、時間を忘れて没頭してしまう……。もう、何十回も、何百回も、ずっと遊び続けたいと思うほどの中毒性があります。

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実際にプレイすると、どのポケモンを撮ればいいだろう!? と迷うほど、画面内にポケモンがたくさん登場することも。
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こんなに近くにアゲハントが接近!!

 さらに、眺めているだけではなく、自分が行動を起こすことで、ポケモンたちの動きも変化します。先述のように“ふわりんご”などの“どうぐ”を投げるとポケモンが“ふわりんご”を食べたり、“メロディ”を鳴らすと音楽に合わせて踊ったりと、様々な表情をしてくれるので、1匹のポケモンでも撮影したいショットがたくさん!

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かっこよくふわりんごを食べた後のにっこり笑顔! ザングースこんな顔するんだ~!! と大興奮。かわいすぎる。食べ終わりまで見逃せない、ずっとそのポケモンを追っていたくなる要因です。

 そんな風に集中して撮影をしていると、ふとコースの途中で終了してしまうことが……。そう、フィルムは72枚しかないのです! この時代、スマートフォンやデジタルカメラなど、容量の心配はあれど、フィルムの心配なんてすることはありませんでした。ですが、このフィルム制限があるからこそのゲーム性。フィルム管理は大切です。「いいタイミング!」と思った瞬間にフィルムが切れてしまうとショックなので、一度の撮影で、撮影するポケモンをある程度決めておくといいかもしれません。とても一度の調査で全種類は撮りきれないので、何度も何度も調査に行く楽しみがあります。

『New ポケモンスナップ』を遊ぶコツ

 ここまでは、ざっくりと本作の魅力を紹介してきましたが、ここからは少し詳しく、遊ぶ際に意識しておくといいかもしれないコツをご紹介します。

(1)どうぐを有効活用すべし!

 “ふわりんご”や“イルミナオーブ”、“リサーチカメラ"の機能である“メロディ”などを活用すると、ふだんとは違うポケモンたちの表情が見られます。
 たとえば、“ふわりんご”は食べているところを見るだけではなく、ポケモンの誘導などにも使えます。さらに、“ふわりんご”を当てた瞬間の表情などは、少しだけ珍しい評価につながるかも?

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“ふわりんご”を当てた際のドククラゲの表情。“ふわりんご”は当たっても痛くないような代物らしいですが、ごめんね~!! と言いたくなっちゃう。
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とまっているバルジーナにふわりんごを当てると、飛び立った! 迫力満点の写真が撮れました。

 “イルミナオーブ”には、ポケモンの生命エネルギーを活性化させる働きがあるようで、当てるとポケモンたちに“イルミナ現象”という光を放つ現象を起こすだけでなく、ふだんとは異なった生態が見られる効果があります。

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通常時は“ふわりんご”を当てられてもビクともしないカイリキーが、“イルミナオーブ”を当てるとポーズを決めてくれた!

 “イルミナオーブ”はポケモンに当てるだけではなく、“クリスタフラワー”という、レンティル地方にだけ咲く、光を放つ不思議な花にも当ててみましょう。ポケモンが近くにいた場合、珍しい行動が見られるかも?

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オクタンの近くにある“クリスタフラワー”に“イルミナオーブ”を当てると、スミを吐いているところが撮影できた!

 さらに、周囲の環境を調べられる“サーチ”機能は、周りにあるあやしいところや、隠れているポケモンたちを発見できる機能なのですが、音や電波が響くため、ポケモンが反応することも。撮影の途中には、とりあえず“サーチ”や“メロディ”を使用してみるのもひとつの手かも?

(2)“ズーム”も“引き”も大切
 
 本作では、撮影の際にLボタンかZLボタンを押すことで、カメラがズームできます。ズームをすることで、遠くのポケモンの表情がよく見えるのですが、ときにはズームをせずに撮影をしてみるのもいいかもしれません。

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引きの画も魅力的!
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大きいポケモンたちは、引きのほうがうまく撮れるかも。

(3)とにかく撮ってみる!

 偶然撮れた写真が、思いがけず珍しい写真ということも? とりあえず気になる場所があったらシャッターを押してみるというのもひとつの手。

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特に評価を意識せずに撮影したビビヨン。なんと星4がもらえた! 模様も関係していたみたい?

(4)選ぶ写真に迷ったら、カガミ博士に頼ろう!

 カガミ博士に評価してもらう写真は、ポケモンごとに自分で選べますが、ときには迷っちゃうことも。そういうときは、-ボタンでおまかせを選ぶと、カガミ博士がよきように選んでくれます。なかには、「こっちのほうがいいんじゃないの!?」と思う写真もあったりしますが、そういうときはひとつずつ変更もできます。

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カガミ博士チョイスでお願いします!

 登場するポケモンがとても多く、返ってくる反応も、タイミングもそのとき次第! 偶然が偶然を呼び、思いがけない写真が撮れることも多々あると思います。さらに、点数の評価に加えて、珍しさ(星)まであるので、ハイスコアを目指したり、やりこみをしたりしたい方にとっては、まさに、ずっと遊び続けられるタイトルなのではないかと思います。

点数を求めるだけではない! 気分はまるでプロカメラマン

 
 ここまで、長々と『New ポケモンスナップ』の魅力を語ってきましたが、より本作を楽しめる要素をご紹介。

 撮影した写真は、カガミ博士に見せるものをポケモンごとに1枚選ばなくてはなりません。なかには、スコアにはつながらないかもしれないけど、「めちゃくちゃいい写真!」というものもあります。

 そんなときは、採点をしてもらっていない写真も“アルバム”に保存ができます。さらに、撮影後には“エクストラ撮影”や“写真加工”もできて、よりその写真を魅力的に見せることもできますよ。

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コアルヒーの評価としてはそこまで高いわけではない写真ですが、画がおもしろくてお気に入り。
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“エクストラ撮影”では、明るさやぼかしの強さ・範囲などを変更できます。位置を変更したり、撮影した範囲よりズームしたり引いたりもできるのです!
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“エクストラ撮影”を使用して、位置などをいい感じに調整。趣深い写真に……!
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あまりにもかわいすぎて、「いいね~!!」、「かわいいよ~!!」と声をかけながら撮影したフラージェス。“写真加工”ではフィルタをかけたり、スタンプを押したり、フレームをつけたりといった装飾もできますよ。

 これらの要素は、ほかのタイトルでもとくに“フォトモード”のような機能を楽しんでいた自分的にはすごく嬉しい機能でして、本作は“フォトモード”が好きな方は、まさにまるごと楽しめるのではないかと思います。なんてったって、写真を撮るゲームですしね……!

 そして、いい写真が撮れたら、「見てみて!」と言いたくなるもの。そんなときは、オンライン機能があります。SNSにアップもできますが、『New ポケモンスナップ』内の“マイページ”にアップして、たくさんのひとに披露しましょう! ほかの人が撮った写真も気になりますね。

 さらに、ランキングもあり、世界中の人とスコアを競うことができるそうです。ハイスコアのベストショットを自慢するのもひとつの楽しみかも!

※オンライン機能の使用には「Nintendo Switch Online」(有料)への加入が必要です。

 どのポケモンも大好きなのですが、ふだん育てる機会がないポケモンも、本作で活き活きと動いているところを見るととても魅力的にみえて、つい撮影したり、『ポケットモンスター』シリーズなどで捕まえて育てたくなったり、愛着が湧いてきます。『ポケットモンスター』シリーズをプレイしたことがない方や、ポケモンをあまり知らない方にも、入門編としてもいいのかもしれません!  「あのとき、撮影したポケモンはどんなポケモンなんだろう」という興味から、ぜひ『ポケットモンスター』の世界にのめり込んでほしいですね……!

 とにかく、『ポケモンスナップ』ファンの自分としては、と~~~~~~~~っても期待をして楽しみにしていた作品だったのですが、期待をはるかに超えて楽しみましたし、もっともっと遊びたくて、発売日が待ち遠しくてしかたありません! この記事を読んで、本作の楽しさが少しでも伝わるとうれしい限りです。