皆さんこんにちは、ホラーゲーム大好きライターのリプ斉トンです。今回の記事では、2021年4月15日にダウンロード専用で発売されます『廃深』(はいしん)のプレイレビューを掲載します。
視覚と聴覚からじわじわとした恐怖が味わえる本作。ワンプレイはコンパクトながら、ホラーゲームの醍醐味に溢れ、しっかりとしたゲームプレイが楽しめる本作の魅力をご紹介いたします!
ホラーゲームなので口調もふだんとは違う感じでいきます!
リプ斉トン
ホラーゲームと、お色気要素が大好きなシャイボーイ。ホラーゲームを探しては日々恐怖に胸を踊らせている。キャーッ!!
イラスト:高橋きの
耳と目で恐怖を感じろ!
本作のタイトルは『廃深』(はいしん)。“配信”をもじったタイトルになっている。
ストーリー
動画配信者である生駒、桜井、白石の3人は、「廃墟へ撮影に行きたい」という桜井の提案で、地元で有名な心霊スポット“ホテル イザナミ”へと訪れた。
とりたてて大きな逸話があるわけでもないよくある心霊スポットでの撮影。何事もなく撮影を終え、ホラーっぽい動画が作れればいい、ただそれだけだった。
撮影中、ひとりはぐれた生駒は、突如動き出した着ぐるみに襲われる。その後も閉じ込められたレジャーホテルの中で数々な危機に襲われる3人。
なぜ着ぐるみは3人を襲うのか、どうしてホテルに閉じ込められたのか。果たして生駒たちは、無事にこの廃レジャーホテルから脱出することはできるのか――?
廃ホテルを舞台に、命をかけた動画配信が始まる……。
廃墟での動画撮影を目的に廃レジャーホテルにたどり着いた生駒、桜井、白石は、撮影中にバラバラにはぐれてしまい、仲間を見つけようと探索するうちに廃墟に閉じ込められてしまう。
さらに、廃墟には動く謎のぬいぐるみが徘徊しており、少女たちを殺そうとつけ狙ってくる……。
このぬいぐるみの攻撃をかいくぐり、廃墟からの脱出を目指すというのが、ゲームのおもなストーリーだ。
ゲームは、横スクロールタイプの探索ゲーム。スマートフォンのライト片手に廃墟を探索し、怪しいところをタッチして調べていく。
怪しい場所は、近づくと?マークが表示される。怪しい場所でアイテムを発見したら、それを使ってつぎの場所へ。探索ゲームに慣れていないという人でも迷うことなくプレイできる内容だ。
カギが掛かった場所を開けるような謎解き要素もあるが、こういったアドベンチャーゲームに不慣れた人でもサクサクと攻略していける難度になっている。
アドベンチャーゲームにありがちな、行き詰まってしまい最初の地点から総当りしてアイテムを探すようなことにはなりづらいと感じた。
ただし、暗闇を探索するのはおっかないし、プレイヤーをビックリさせるような仕掛けにたま~に遭遇することも。
サクサク進めるからといって油断していると心臓バクバクになってしまうのも、うれしいやら怖いやら……。
そんな展開もホラーゲームの醍醐味だといえるだろう。
また、道中を探索していくと、不気味なぬいぐるみに襲われることも。
ぬいぐるみに捕まってしまうと、即ゲームオーバー。廃墟内には姿を隠せる場所が点在しているので、焦らずに身を隠してやり過ごすべし。
プレイヤーが頼れるのは、キャラクターが手にするスマートフォンのライトのみであり、ゲーム画面はつねに暗めで視界が悪い。ときには、超常現象的なビックリも用意されており、恐怖を感じる楽しみをバッチリと味わうことができる。
また、通常の移動時にはBGMは用意されておらず、聞こえるのは主人公の吐息と足音のみ。この静寂がいいスパイスになっていて、恐怖がさらに高まってくれる。
さらに注目してほしいのが、ぬいぐるみが登場するシーン。彼(?)が登場する際には、手に持ったナタを引きずる音が先に聞こえてきます。音は小さめで、うっかりしていると聞き逃してしまうこともあるので注意。
ナタを引きずる「カラカラ……」という音が聞こえたら、何がなくとも逃げるべし!
音がすると、少女たちが早足になります。左右のどちらから来ているのかはわからないので、あまり急ぎすぎるとぬいぐるみとバッティングしてしまう場合も……。
画面の端に姿が見えたら、逆方向に逃げましょう!
このぬいぐるみが登場する場面が、本作で唯一コツが必要なアクションシーン。操作にはちょっとしたコツがあり、ナタを振りかざす瞬間以外ならすれ違ってもオーケー。
焦って行き止まりまで進んでしまっても、ナタを振りかざすまえなら逃げられることを覚えておくといい。
それ以外のシーンではゲームオーバーになることはないので、じっくりとゲームに取り組んでいいだろう。
少女たちのピンチを救え! お色気要素もいいスパイスだぜ!
ゲームを進めていくと、少女たちにさまざまなハプニングが訪れる。
ハプニングが発生したら、プレイヤーは画面をタッチしたり、所持しているアイテムを駆使して問題を解決していくことになる。
このハプニングで誤操作をしてもゲームオーバーにはならないので安心しよう。
ハプニングには、美麗なグラフィックが表示され……、おやおや、ピュアな男子なら思わず「おやおや」と言ってしまいそうなシチュエーションのグラフィックばかりじゃないかお嬢さん。
さきほど、プレイヤーは画面をタッチできると書いたが、焦って手もとが狂い、脱出とは関係のない女の子のハプニングな部分をタッチしてしまうこともあるかもしれない。
ハプニングな場所をタッチすると、女の子にもハプニングが!? うっかり誤操作をしてもゲームオーバーにはならないので、安心してタッチしよう(2回目)。
ゲームは、ワンプレイ数時間でクリアーできるコンパクトなものだが、1度ゲームをクリアーすると隠し要素が開放される。
その隠し要素をすべて楽しめば、通常のアクションゲーム1本分くらいのボリュームになりそうな予感がしている。
あまり書くとネタバレになるので控えるが、誰でも数回に渡ってプレイしたくなる内容になっている。エンディングを一度見ただけでプレイを終了したくなる人はいないのではないだろうか。
視覚も恐怖、聴覚も恐怖。進みたくないのに、脱出するためには暗闇を進まなくてはいけない。やっとこさクリアーした後も、隠し要素を楽しむためにもう一度プレイしたくなる……。
『廃深』は、怖い! でもプレイしたい! と思えるような魅力にあふれたゲームとなっている。
本作はいわゆるお化け屋敷的なホラー体験ができるゲームだ。
グラフィックはかなりのクオリティーで、イラストレーターである乾和音氏が描くキャラクターは非常にかわいらしく、いずれのビジュアルも見ていて(いろいろな意味で)楽しい。
こういった探索型のホラーゲームはPCで人気を博すものが多いが、そういったタイプのゲームが好きな人にこそオススメなタイトル。
ただ、アクション要素はそれほど必要ないので、アクションタイプのホラーゲームが好きというコアなユーザーにとっては、少々退屈に感じてしまう可能性もあるかもしれないので、そこはご承知あれ。
また、本作はNintendo Switch用タイトルということで、3つのモードで遊ぶことができるが、筆者がオススメするのは断然TVモードでのプレイだ。
せっかくホラーゲームをプレイするのだから、なるべく大画面でプレイすることにより、恐怖を最大限に高める努力をしておきたいところ。
TVモードでプレイしつつ、部屋の電気を消し、ヘッドフォンでプレイすれば、もう準備は万全。しばらくプレイしていくと、ぬいぐるみのナタを引きずる音が耳に残って離れなくなること、間違いなし(かもしれないっすね)。
ジャパニーズホラーならではのしっとりじっとりとした雰囲気に包まれつつ、無音で足跡の響く廃墟を探索する……。
コンパクトながら、ホラーの醍醐味が詰まった本作。価格も2280円[税込]とお手ごろなので、探索型ホラーゲームを探しているという人は、選択肢のひとつとして本作を選んでみてほしい。
ぜひ3人のパンツを……、いや、行く末を見届けよう!!
製品概要
- タイトル:廃深(はいしん)
- 発売日:2021年4月15日発売
- 対応機種:Nintendo Switch
- ジャンル:サバイバルホラーアクションADV
- 価格:2280円[税込]
- CERO:17歳以上対象
- キャラクターデザイン:乾和音
- シナリオ:株式会社C-Garden
- 企画原案/プロデューサー:臼田裕次郎
- 発売元:ゲームブランド“qureate”