バンダイナムコグループの4社は、ガンダムシリーズのプラモデル(ガンプラ)の新プロジェクト“ガンプラリサイクルプロジェクト”を2021年4月1日より実施する。
本プロジェクトは、“ガンプラ”のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、ケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化を目指すもの。4月1日より、バンダイナムコアミューズメントの直営アミューズメント施設約190店舗に専用の回収ボックスが順次設置される。
以下、リリースを引用
ファンとともに世界初のケミカルリサイクルによるプラモデルの循環スキーム確立をめざす「ガンプラリサイクルプロジェクト」始動。バンダイナムコグループ4社共同プロジェクト、全国のバンダイナムコアミューズメント約190店舗にて4月1日より順次回収スタート
バンダイナムコグループのBANDAI SPIRITS、バンダイナムコアミューズメント、バンダイロジパル、バンダイナムコホールディングスの4社は、BANDAI SPIRITSが生産販売するガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、ファンのお客さまとともに世界初(※)のケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化を目指す「ガンプラリサイクルプロジェクト」を2021年4月1日よりスタートします。
「ガンプラリサイクルプロジェクト」では、全国のファンが「ガンプラ」を組み立て終わったあとに残るランナーを回収し、最先端技術であるケミカルリサイクルによって新たなプラモデル製品へと生まれ変わらせることを目指します。プロジェクトが実現すると、世界で初めてケミカルリサイクルによるプラモデルの循環スキームが確立することになります。
ランナーは、全国の「namco」をはじめとするバンダイナムコアミューズメントの直営アミューズメント施設約190店舗に専用の回収ボックスを設置し、4月1日より順次ファンの皆さんからの回収を受け付けます。
集まったランナーは、「ガンプラ」の生産工場「バンダイホビーセンター」(静岡県静岡市)から生産工程で排出されるプラスチックと合わせて、一部をケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験用の材料として、残りをマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルにより再活用します。なお、本プロジェクトの物流業務は、バンダイロジパルが担当します。
2020年に40周年を迎えた「ガンプラ」は、発売開始以来、累計7億個以上を販売するヒット商品となっています(2021年3月現在)。「ガンプラ」は、ファンとつながり、ファンの意見を取り入れるなど、ユーザーの垣根を超えた存在としてファンの皆さんと一体となって事業を展開することで、長きにわたり愛され続けるブランドへと進化してきました。
本プロジェクトにおいても、「世界初となるケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化」という夢を、プラモデルを愛する多くのファンの皆さんとバンダイナムコグループが一体となって推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
本プロジェクトで実現を目指す「ケミカルリサイクル」とは
本プロジェクトでは、BANDAI SPIRITSと合成樹脂の製造・販売及び研究開発を行うPSジャパンが連携し、一般的なプラモデルで主に用いられているプラスチックであるポリスチレンを熱分解し、その原料であるスチレンモノマーに戻す最先端の「ケミカルリサイクル」の実証実験を行います。使用済みのプラスチックを破砕・溶融・固形化して再利用を行う「マテリアルリサイクル」では、再生後の素材の強度や色の再現性などの面で、プラモデル製品への使用に課題がありました。「ケミカルリサイクル」では、使用済みのプラスチックを新品のプラスチックへ再生することが可能なため、製品化が容易となります。実証実験は2022年度より開始予定で、プロジェクトで回収したランナーの一部をケミカルリサイクル実現のための材料として利用し、製品化を目指します。
プロジェクトの流れ
- 全国の「namco」をはじめとするバンダイナムコアミューズメントの対象店舗約190か所に専用のボックスを設置し、ファンの皆さんからのランナー回収を受け付けます。
- 回収したランナーは、静岡県静岡市のガンプラ生産工場「バンダイホビーセンター」から工程上排出されるプラスチックと合わせて、以下の3つの形でリサイクル活用します。
- ケミカルリサイクルの実証実験のための材料として活用し、将来的にケミカルリサイクルによって再生されたプラスチックを使用したプラモデルの製品化を目指します(2022年度より着手予定)。
- マテリアルリサイクルにより「エコプラ」(次頁【参考】参照)として生まれ変わらせるほか、マテリアルリサイクルの新たな活用方法を研究するための材料として使用します。
- 1・2を行わなかったランナーはJFE グループのJ&T 環境によりサーマルリサイクル(※)され、同グループのアーバンエナジーが調達する電力に生まれ変わります。「バンダイホビーセンター」は、アーバンエナジーより購入した電力を用いて「ガンプラ」の生産を行います。(詳細は参考資料をご参照ください。)
※サーマルリサイクルの原料は、「バンダイホビーセンター」から排出された廃棄物も含みます。
バンダイナムコグループの環境への取り組み
バンダイナムコグループでは、グループのミッションとして掲げる「夢・遊び・感動」を次の時代につなげるために、地球環境に配慮し、事業活動におけるエネルギー削減や商品・サービスにおける省資源化に努めています。その一環として、アミューズメント施設において業務用ゲームや店舗の照明で使用しているハロゲンランプ・蛍光灯のLEDランプへの交換を推進しているほか、工場の稼働効率化、ライブイベントにおけるLEDの積極採用や資材のリサイクル、エコドライブの推進など、さまざまな施策に取り組んでいます。
プラモデル事業においては、現在、成形時に出る不要部分をマテリアルリサイクルした「エコプラ」を商品化しているほか、石灰石を主原料とする新素材「LIMEX」(開発:TBM)の一部製品への採用など、プラスチックの再利用や削減の取り組みを積極的に行っています。