2021年3月25日、ライアットゲームズとNTTドコモは、スマートフォン向けアプリ『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』(以下、ワイルドリフト)の2021シーズン大会開催について、メディア向けのオンライン説明会を開催した。本稿では発表会の内容とともに、4月から開催される『ワイルドリフト』の大会情報をお届けする。
モバイルゲームのeスポーツシーンの確立を目指す
『ワイルドリフト』は、世界的な人気を誇るPC用オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)の世界観やゲーム性を、モバイル向けに再構築した作品だ。基本的なルールはPC版『LoL』を踏襲しているが、タッチ機能を活用した操作、短時間でもプレイ可能な早い試合展開など、モバイルならではの調整が行われている。
その高い競技性を活かし、ライアットゲームズは『ワイルドリフト』でのeスポーツ展開を構想。『LoL』と『ワイルドリフト』の高い親和性を活かし、クロスプロモーションとキャンペーンを展開しつつも、世界大会などの重要なイベントの重複は回避しながら、双方のタイトルを成長させていくという。
もちろん、日本国内だけでなく、グローバル展開も視野に入れている。各国でのモバイルeスポーツの需要を鑑みて、適切な投資を行い、シーンを成長させ、確立していくという。
発表によると、シーンの枠組みは、基本的にはPC版『LoL』を踏襲しているようだ。各地域で大会を開催して地域ごとにトップチームを決め、国際戦、世界大会を開催していく。
プロチームどうしのトーナメント以外にも、プロを目指すプレイヤーが集う高レベルの大会、初心者から中級者までが参加しやすい草の根大会など、4つの枠組みで競技シーンを作り上げていく。
ただし、『LoL』の枠組みをそのまま真似するのではなく、モバイルゲームならではの施策を用意するという。たとえば、大会を配信する際に、ふだんゲームをプレイしている端末でそのまま視聴しやすいような工夫を取り入れるなど、インタラクティブで上質な視聴体験を用意していくとのことだ。
NTTドコモが設立した“X-MOMENT”と大会を共同開催
そこで白羽の矢が立ったのが、eスポーツ事業への参入を表明し、国内のeスポーツリーグブランド“X-MOMENT”を設立したNTTドコモだ。「モバイルのeスポーツシーンの発展」という両者の狙いが合致。『ワイルドリフト』の日本国内での大会運営は、ライアットゲームズとNTTドコモの共同開催という形で実施されることになった。
今回の発表会では、以下の3つの大会の概要が発表された。
プロチームによる招待制大会“WILD RIFT INVITATIONAL”
約1か月後となる4月24日に、8つのプロゲーミングチームを招待して開催される大会。招待チームは現在選定中で、実績のあるチームや有力な選手を抱えているチームが対象になるという。参加チームは4月上旬に公開される予定だ。
誰でも参加できる“WILD RIFT OPEN TOURNAMENT”
計4回に渡って実施されるオープントーナメント。募集は4月26日から開始される。応募はチーム単位のため、チームを組んだうえで参加を検討してほしいとのこと。なお、応募数が多い場合は、制限をかける場合があるので、散会したい場合はお早めに。
世界大会への出場権を賭けた日本地域大会
国内で最上位となる位置付けの大会。優勝チームは世界大会への出場権を獲得できる。詳細はまだ検討中とのことだが、7月~10月ごろに開催される予定。
これらの大会の開催以外にも、NTTドコモは、5Gを使った安定した通信環境の提供、5Gならではのマルチアングルでの配信など、シーンを盛り上げるような施策を検討中だという。さらに、モバイルeスポーツのメインターゲットとなりうる若年層へのアプローチも行っていくとのこと。
ライアットゲームズとNTTドコモの共同開催により、これまでのeスポーツシーンとは異なる展開も期待できる。モバイルeスポーツの夜明けとなるか、要注目だ。