バンダイナムコオンラインは、バンダイナムコエンターテインメントの100%子会社として、2009年に設立された。もともとはPC向けオンラインゲームの企画・開発・運営を担う会社として設立され、いまでは各種デバイス向けタイトルを手掛けている。タイトルとしては『機動戦士ガンダムオンライン』や『アイドリッシュセブン』などがあり、いまはバンダイナムコスタジオとの共同開発タイトル『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』を正式サービスに向けて鋭意開発中だ。
そんなバンダイナムコオンラインではただいま、新規人材を募集しているという。同社の社風や求められる人材などについて、CVO(チーフビジュアルオフィサー)の高橋守氏に聞いた。聞き手は、クリーク・アンド・リバー社にて、バンダイナムコオンラインを担当するデジタルコンテンツ・グループの古尾谷和朗氏。
高橋守氏(写真左)
バンダイナムコオンライン
CVO(チーフビジュアルオフィサー)
1995年にナムコ(当時)に入社。『エースコンバット3 エレクトロスフィア』、『セブン モールモースの騎兵隊』、『ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~』でキャラクターデザインを担当。バンダイナムコオンラインでは、『機動戦士ガンダムオンライン』のデザイン統括や、『グラフィティスマッシュ』のアートディレクションを手掛ける。いまは新規IPのオリジナルプロジェクトで、アートディレクターを担当している。
古尾谷和朗氏(写真右)
クリーク・アンド・リバー社 デジタルコンテンツ・グループ
グループの中でも、すべての機能を統合してできるのはバンダイナムコオンラインだけ
古尾谷我々もクリエイターの方々と話しているなかで、バンダイナムコオンラインさんの事業についてもっと知りたいという声をいただくことが多いので、この機会にバンダイナムコオンラインさんの事業内容や特色を教えていただければと思います。
高橋バンダイナムコオンライン設立の目的は、PCオンラインゲームの事業をグループ内でより積極的に展開していくというものでした。いまはスマートフォン向けにもゲーム開発を行っていますが、元々はPC用のオンラインゲームに特化する会社だったんです。
当時は他社さんに比べて、バンダイナムコグループはPCオンラインゲーム事業の立ち上がりが遅れていたので、もう少し小規模でスピーディーに運営を決定していけるように、ということで、大きな組織からスピンオフする形で立ち上がりました。
古尾谷そこから時代の流れを受けて、モバイルのオンラインゲームも開発するようになっていったわけですね。
高橋そうですね。モバイルのオンラインゲームも市場でかなり人気が出てきたので、スマートフォンでの開発も同時に行うようになっていきました。『グラフィティスマッシュ』や『アイドリッシュセブン』なども弊社のタイトルになります。
古尾谷PC用オンラインゲームで言えば、近年では新作の『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』が話題ですね。
高橋まだ詳細は発表できないものも多いのですが、『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』を含め大型の新規プロジェクトは複数立ち上がっておりますので、他のPCオンラインゲームの開発も現在進行形で大きく進んでおります。
古尾谷ちなみに、現在開発されているタイトルでは、モバイルとPCの比率はどのようになっているのでしょうか?
高橋弊社には内部開発ラインで開発を進めるパターンと、外部の開発会社さんをプロデュースして運営するパターンがあるのですが、内部開発に関して言えば、9割がたがPCです。逆に外部会社さんと共同で開発したり、プロデュースしているものについては、スマートフォンのタイトルが多くなっています。
古尾谷グループ会社のバンダイナムコスタジオさんはいわゆるデベロップ機能が強い印象ですが、御社ではパブリッシュ、プロデュースからの開発、運営も多いのでしょうか?
高橋そうですね。バンダイナムコグループの中でも、ゲーム事業の企画開発からパブリッシュ、プロデュース、そして運営まで、すべての機能を一貫してできるのは、唯一バンダイナムコオンラインだけです。そこがグループ会社の中でもいちばんの特色になると思います。
一気通貫で開発、運営を行うことによって、お客様からのご意見などを開発に反映し、改善するサイクルが早くなる。そこが弊社の強みです。
古尾谷そうなると、入社された場合はプロジェクトの立ち上げから開発、運営などさまざまなフェイズに携われるチャンスがあるということですね。
高橋はい。たとえばデザイナーとして入社した方でも、働くうちにプロデュースの仕事をしたいと思うようになり、社内でジョブチェンジをしてプロデュース方面にチャレンジしている方もいます。キャリアを広げるという意味でも、さまざまな職種をひとつの会社で経験できるというのは、社員にとっても魅力のひとつだと思います。
古尾谷なるほど。御社ではとくにオンラインゲームに重点を置かれているということですが、オンラインゲームの市場としては国内よりも海外のほうが大きいという印象があります。そうなると、開発されているタイトルの市場へのアプローチも少し変わってくるのでしょうか?
高橋おっしゃる通り、PCもモバイルも、オンラインゲームでは海外も非常に大きな市場となります。企画の段階から世界で勝負できるかどうか、というのは立ち上げの判断基準のひとつになります。そういった面もあり、いま開発しているプロジェクトには非常に大きい、チャレンジしがいのあるタイトルがいくつもあります。
古尾谷やはり基本的に最初から世界を見据えられているのですね?
高橋ただ、すべてが最初からワールドワイドというわけではありません。まずは国内で展開して、そこから世界に広げていこう、といったパターンもあります。そのあたりはさまざまですが、我々としては国内のお客様はもちろん、世界中のお客様により幅広く遊んでいただけるようなタイトルを目指しています。
古尾谷バンダイナムコグループということで、『機動戦士ガンダムオンライン』など既存IP(知的財産)を扱うイメージを持つ方も多いと思いますが、実際のところ既存IPと新規IPのどちらをメインにしていくか、といった方針は決まっているのでしょうか?
高橋弊社のHPなどを見ていただくと、既存IPのタイトルを多く開発している印象が強いかもしれませんが、今後の方針としては、新規のオリジナルIPを自社で立ち上げるところに力を入れていくつもりです。
『アイドリッシュセブン』はバンダイナムコオンラインで社員がゼロから企画を立ち上げ、バンダイナムコオンラインで育ったIPです。『アイドリッシュセブン』のように、PCオンラインゲームだけでなくモバイルやアニメ、ほかのメディアにも派生していけるような大型タイトル、IPを創出していくのが、私たちの大きな目標のひとつです。
マインドは、“ゲームプレイ第一、クオリティー第一、お客様第一”
古尾谷スキル面ではハイエンド開発の経験というものが求められる一方で、マインド面ではどのような部分が求められますか? やはり新しいツールの習熟についても前向きな方が御社にマッチしているのでしょうか。
高橋そうですね。実際に入社された方も、プライベートで最新技術を追いかけていたり、ZBrushなどのツールを仕事以外の部分でコツコツと研究されていた方が多いです。弊社の掲げている行動指針に、“ゲームプレイ第一、クオリティー第一、お客様第一”というものがあるのですが、この指針に合う方は入社後も非常に溶け込みやすいと思います。
古尾谷クオリティーを求めて技術を追求できるような方が向いているということですね?
高橋いま我々が作っているゲームは、カジュアルなユーザーさんから本当にコアなゲーマーの方にも遊んでいただけるようなものを目指しています。ですので、本当におもしろいゲームを、本気で作りたいという熱意のある方がうれしいです。
とくに、プライベートでもオンラインゲームやバトルロワイアルのゲーム、あるいは海外のシューターのゲームで遊んでいる人は、すぐになじめると思います。弊社でも開発陣が仕事の後にプライベートでチャットをつなげてゲームを遊んだりしていますから。
古尾谷キャリアが長くなってきたデザイナーさんは最新のゲームに触れる機会が少なくなったり、あくまで仕事としてデザインをしているという方も多いような印象があるのですが、御社ではデザイナーの方もゲームを積極的にプレイされるケースは多いのですか?
高橋そもそもバンダイナムコオンラインは文化として、テストプレイを非常に多くやる会社なんです。転職されてきた方にも、「自分が開発したゲームを、全員でここまでテストプレイをする会社は見たことがない」と言われるぐらいです(笑)。
古尾谷それはすごいですね。具体的にはどれくらいの頻度でテストプレイを行われるのですか?
高橋多いときには週2回、全員で集まってチャットで盛り上がりながら開発中のゲームをプレイします。いまはリモートワークなのでチャットでやり取りをしていますが、全員が出社していたときは、盛り上がりすぎて、声がうるさいと、ほかのプロジェクトチームから注意されたこともありました(笑)。
古尾谷そこまでですか(笑)。もしかして、自分のデザインさえ目標を達成できていれば、というのではなく、結果的にそのデザインがゲームのおもしろさにどう反映されていくか、みたいな部分のこだわりが全体的に強い感じですか?
高橋そうですね。やはり、開発しているゲームをプレイヤーとして知らないと、企画開発にあたっても、なかなか積極的に、主体的にアイデアを出して行けないですからね。自分たちが開発しているゲームだけでなく、競合のゲームも仕事の中に組み込んで、みんなで遊んで研究するような時間も作っています。仕組みとしてもゲームに触れやすくなっているので、手を出すのが億劫な方にはそこで手助けをして、プライベートでも遊びやすいようにしています。
古尾谷職種によってゲームへの接しかたが異なったりすると、感じるものやモチベーションも変わってくると思いますが、いっしょにゲームをプレイすることでそのあたりを共有できるというのは貴重な気がします。
高橋採用のフローでも、ゲームを本当に好きで開発をしたいと思っているのか、ただ作業としてデザインをやりたいだけなのか、みたいな部分は重要視しています。「自分は本気でゲームを作りたい。それこそが本当の目的で、デザインはそれを実現するための手段だ」みたいなマインドの方は、弊社のビジョンとすごくマッチしていると思います。
熱意のある人に任せてみようという空気がある会社
古尾谷これまで新卒や中途で入社された方で、とくにこういった方がステップアップしていった、という共通点のようなものはありますか?
高橋やはり、任された役割の範囲内だけで仕事をするのではなく、何か困難な状況が生まれたときに、自分の範囲外であっても手助けできそうであれば自分が解決してみようか、といったように担当範囲を超えて手を出したりするような人は、非常に活躍している印象があります。
あとは、課題を解決したり新しいアイデアを実現したりするために、まわりを巻き込んでいける人ですね。そういった人は、若くても新規プロジェクトを立ち上げたりもしています。がんばっている人に対してもまわりも手助けしたくなるというか、上司や先輩も協力的なので、やはりゲームを作りたいという熱意や自分が何とかするんだという主体性がある人は活躍しています。
古尾谷自分の作業範囲に留まらないという意味では、デザイナーの方でも企画に対してアイデア出しをしたり、むしろこういうゲームを作りたいんだ、と企画の立ち上げに動くようなケースもあるのでしょうか?
高橋ありますね。先ほども少しお話しましたが、デザイナーとして入社して、アシスタントプロデューサーを経てプロデューサーになった人もいるんです。その人は企画を立ち上げている人を見て、自分も参加したいと声を上げてプロトタイプを作る現場に入っていきました。ただ、オンラインゲームは継続して運営していくので、抜けるタイミングが難しい部分もあります。やりたいことがある人は、はっきりと自分から意見を言って主張する必要はあるとは思います。
古尾谷ちなみに、バンダイナムコオンラインさんで活躍される方々は、やはり入社以前にPCオンラインゲームの開発経験を積まれていたのでしょうか?
高橋弊社はPCオンラインゲームが開発のメインではありますが、必ずしもPCオンラインゲームの開発経験がないといけないというわけではありません。家庭用ゲームであっても、大規模のプロジェクトやハイエンド開発を経験している方であれば、十分に開発の戦力になります。
最近では基本的に開発自体は家庭用もオンラインゲームも、ほとんど変わらなくなってきていますよね。もちろん運営フェイズに入ってからのアップデートサイクルなどは違いますが、そのあたりは入社後に覚えていくのでも問題ないです。
古尾谷PC、あるいはオンラインであるかどうかではなくて、規模の大きな開発に携わっていた経験が重要だということですね。
高橋そうですね。大規模なプロジェクトやスケジュールがタイトなものなど、そういった修羅場を経験している方は、開発で壁にぶつかったときにも、何をすれば壁を越えられるのか、ということを冷静に考えられると思うんです。
前職がどの会社さんであったとしても、チャレンジできるようなプロジェクトを求めて、自分から積極的にそこに関わってきた、関わろうとしてきた人は頼りになるのかなと。それこそ先ほどお話した自分の作業範囲に留まらない人ですね。
古尾谷御社に入ることでこんな経験を積める、スキルを磨ける、といったPRポイントはありますか?
高橋弊社はいま200人ぐらいの規模の会社ですが、まだまだチャンスがある会社だと思っていて、新しく入った方でも若手でも、重要なポジションを任される可能性が高いです。経験が少ない方には教育もしてくれますし、自分の一段上のレベルで仕事をしたいと思っている方なら、未経験の分野でも熱意があれば任せてもらえるような空気があります。自分のスキルを伸ばしたいと思っている方にとっては非常に魅力的な環境です。
古尾谷仕事の領域や幅を広げていきたいという、野心溢れる方にとっては、活躍できる場が整っているのですね。
高橋整っている、というよりは熱意のある人に任せてみよう、という空気がある会社です。この10年で会社の制度も整ってきて、スタッフも揃ってきましたが、まだまだバンダイナムコオンラインは成長途上というか、目標としているところが高い会社です。弊社のビジョンに共感して、いっしょに会社を作っていけるような方にぜひ来ていただきたいです。
キャリアパスは、スタッフの嗜好も踏まえて幅広く用意されている
古尾谷御社でのキャリアパスについて伺いたいのですが、実際にどのようなキャリアを歩まれる方がいるのでしょうか?
高橋さまざまなケースがありますが、順当にいくとデザイナーから各セクションのリードデザイナー、そこから最終的にはアートディレクターを目指す方もいます。アートディレクションではなく技術面に特化する方だと、リードデザイナーからテクニカルアーティストに進むキャリアもあります。
あるいは、運営フェイズに長く関わり、プロデュースの作業にも深く入ってくると、デザイナーからアシスタントプロデューサー、そしてプロデューサーと、デザイナーではない職種に進む方もいます。ほかにもコミュニケーションを重視する人であればマネジメントコースに進んでデザインのマネージャーになることもあります。
古尾谷同じデザイナーからのスタートでも多岐にわたりますね。
高橋ほかにも、自分の技術に特化して極めたい方であれば、プロフェッショナルポジションという制度があるので、マネジメントとはまた違ったキャリアを歩んでいくこともできます。
古尾谷社員になったら必ずマネジメントラインに乗らないといけないのではなく、その方の嗜好や経験も踏まえたうえで多くの選択肢が用意されている、ということですね。たとえばですが、職種ではなくハイエンドのPCタイトルを経験した後にモバイルに異動したり、プロジェクト間での異動などはあるのでしょうか?
高橋運営をしているタイトルもあるので、異動に関しては区切りのいいタイミングで上司に相談して希望を出してもらったり、あるいは会社全体としてこのポジションが不足していて、ほかのプロジェクトにいるこの方が適任ではないか、と判断してプロジェクトのほうから声をかけることもあります。
古尾谷希望や状況がうまく噛み合えばプロジェクト間の異動もあり得るんですね。
高橋そうですね。毎月行う上司との1対1の面談であったり、年に2回の評価のタイミングで異動についての希望などは丁寧にヒアリングしていますので、その情報をマネージャー間で共有し、なるべくご本人の希望に沿う形で異動を行えるようにしています。
古尾谷毎月ひとりひとりと面談をするのはたいへんだと思いますが、そういったコミュニケーションは各メンバーのやりがいややりたいことを把握するためにも、積極的に行われているのでしょうか?
高橋はい。とくにリモートワークになってからは、コミュニケーションを密に取らないとすぐにつながりが途切れてしまうので、上司からも部下からも、どちらからも積極的にコミュニケーションを取る姿勢が必要になってくるかと思います。
毎月行っている面談のように仕組み的なものもありますし、ほかにもオンラインでゲームイベントをやったり、オンライン懇親会の施策を管理部門が提案してくれたりするんです。まだ模索しながらではありますが、会社全体でコミュニケーションには取り組んでいます。
新しい技術に取り組みたい人は、それができる環境がある
古尾谷ところで、今回はデザイナーの募集を強化されるということですが、応募しにくるデザイナーさんが研究しているとうれしい技術、あるいは御社が注目している技術などはありますか?
高橋やはりHoudiniはまだまだ経験豊富な方が少ないので、Houdiniを習熟している方は求めています。最近はMAYAがメインツールではあるのですが、Blenderとかも非常に有効な機能があるので、併用して使ったりもしています。コンセプトアートの下地にBlenderを使っている方もいらっしゃいますね。
Unreal Engine 4についても、リアルタイムフェイシャルキャプチャーやメタヒューマンなど、新しい技術が出てきているのですが、弊社にはそういった新技術にも敏感で、試してみたいという意欲のある人が多いんです。ですので、そういった技術を研究したい人には、それができる環境があります、ということはお伝えしたいです。
古尾谷Blenderももともとは無料で使えるということで話題になっていましたが、いまや海外のスタジオで公式ツールとして導入されたりもしていますし、新しいものがいつ主戦力になるかわかりませんからね。そういう意味でも積極的にチャレンジできる環境というのは貴重だと思います。
高橋そうですよね。あと、弊社で研究している技術ということであれば、Character Creator 3という、簡単に人体のモデルを作ったりカスタマイズしたりできるツールもあります。
古尾谷そういった研究の成果は、勉強会などで共有されるのですか?
高橋Houdiniに関しては、いまのところ本格的に取り入れているプロジェクトがひとつなので、プロジェクトの中で情報共有をしている状態です。ほかのプロジェクトでも使ってみたいとか、使う用意がある場合にはプロジェクト間での情報共有もしていこうと思っています。社内での研究だけでなく、社外からもHoudiniの情報を仕入れていかないといけないので、外部の経験者の方と共同でHoudiniの研究をしたり、そういうことが実現できるコネクションも作るようにしています。
古尾谷実際に触れる確証があるわけではないかもしれないですが、そういった新しい技術、ツールを使ってみたいというマインドがある方々にとっては、仕事で新技術に携われるチャンスがあるとも言えそうですね。
高橋そうですね。あと、弊社はグループ会社のバンダイナムコスタジオが1000人規模の開発会社でもあるので、こことも定期的に情報共有をしています。バンダイナムコオンラインの中だけでは足りていない情報はスタジオのほうに聞きに行ったりもしていますし、そういうことができるのはグループ会社ならではの大きなメリットですね。
古尾谷その場合、実際にどのようなかたちで技術交流をされているのでしょうか?
高橋コロナ禍前であればお互いの会社に行って、プレゼンして、それに対して質問を投げてもらうようなことをしていました。いまはスタジオのほうもテレワークになっているので、オンライン会議で定期的にテクニカルアーティストどうしで定例会みたいなものを開いたりしています。
以前であれば情報共有のために向こうまで足を運ばないと、というのがあったのですが、物理的な行き来ななくなったぶん、より気軽につながれるようになりました。あとはSlackなどのチャットツールでつながって、そこで情報を交換するようなこともしています。
コロナ禍での働きかたは……
古尾谷では、コロナ禍での働きかたについてお聞きしたいと思います。まだまだこれからどうなっていくかわからない部分もありますが、御社としての今後の方針などをお聞かせください。
高橋いまはほぼ100%リモートワークです。開発に関して言えば基本的にリモートで対応可能なので、開発スタッフはほぼ在宅です。
今後の方針としても、リモートワークは自分の作業に集中できる、プライベートの時間を有効に使えるという声もありますし、リモートでもコミュニケーションなどを工夫しながら十分に効率よく進められることもわかってきたので、コロナ禍が収束した後もリモート中心にシフトしていこう、というのが会社全体の方針です。
古尾谷リモートとの相性がよかったということですね。
高橋そうですね。ですので、会社のエリアも少し縮小しまして、いま会社の座席はフリーアドレス化しています。リモートワークでゲーミングPCを使っている方もかなり多いので、出社するときはそのゲーミングPCを使って好きな席に座って作業をするようなスタイルになっています。
いまはまだ自由に出社というわけにはいかないのですが、コロナ禍が収束した後は、たとえば週1で会社に集まってミーティングを行って、その後飲み会に行こうとか、そういう風な働きかたができるのではないかなと思っています。
古尾谷デザイナーさんだとデュアルモニターで机に資料も置いていて、というイメージがあるので、フリーアドレスで作業をするというのはちょっと衝撃的ですね。
高橋実際にコロナ禍が収まって、自由に出社できるようになれば、そこから効率のいい働きかたもだんだんわかってくると思うので、そういった流れに応じて会社としても柔軟に環境整備などを考えていければな、と思います。
今回の緊急事態宣言もそうですが、去年4月の緊急事態宣言でも短期間で社員全員がリモートワークできるように、経営陣も社員も自律的に動いてくれたんです。いざというときに一丸となって柔軟に動けるのは弊社のいいところかなと思いました。
カレー作りのイベントや社員旅行など、和気あいあいとした社風
古尾谷今回はバンダイナムコオンラインさんの開発に関するお話や文化などについてお聞きしてきましたが、最後に通常業務以外の面でこんなおもしろい文化などありましたらお聞かせください。
高橋いまはコロナ禍ということもあって一部できていないものもあるのですが、以前はボードゲーム同好会や英語同好会、デザイナーであれば造形同好会などの活動もよく行われていましたね。
あとは、ゲームジャムを年に1度か2度開催していました。休日にやったり業務時間内にやったり、タイミングはまちまちなのですが、プロジェクトに関係なくメンバーをミックスして、4人ぐらいのチームを組んで2日でひとつのゲームを作ったりするんです。
古尾谷職種も問わずバラバラに組むんですか?
高橋そうです。ゲーム開発部門だけではなくて、管理部門のスタッフも参加するんですよ。作るのもゲームだけではなくて、ゲームのリアル実況みたいなことをしたグループもありました。管理部門のスタッフからも非常に楽しかったという意見をもらいました。
あとは、イベント的なもので言うとカレー作りもありましたね。
古尾谷カレーですか?(笑)
高橋全社員を5、6人のチームに分けて、みんなでカレーを作るんです(笑)。本当にすごくいろいろなカレーができて、弊社らしい感じがしました。買い出しから個性が出るのですが、あるグループはカニを買ってきてハサミをガンダムのズゴックの手に見立てていたりして、すごくクリエイティブなカレー作りイベントでした(笑)。あれもやってみたらすごく盛り上がったので、よかったです。
古尾谷そういうイベントには皆さん積極的にご参加されるんですね。
高橋そうですね。社員旅行も2年に1回、沖縄や長崎に行ったりしたのですが、そのときもみんなで盛り上がっていました。旅行中に新作ゲームのガチャが更新されたときは、バスのなかでみんなで引きまくって盛り上がっていましたね(笑)。
古尾谷距離感が近くていいですね。仕事だけの関係ではないというか。そういった一体感みたいなものが伝わってきます。
高橋コロナ禍がひと息つけば、またそういったリアルでのイベントがまた開けるので、早くそういう環境になってほしいなと思います。設立5周年、10周年のときには社員だけじゃなくて、社員のご家族も含めてお祝いしたんです。メンバーのご家族やお子さんも来てくれて、非常に和気あいあいとしていました。
古尾谷すごいですね。逆にプライベートを切り分けたい方もいるかとは思いますが、やはりどちらかというとイベントなどにも積極的に参加したい方のほうが、御社の文化にはマッチしているのでしょうか。
高橋どちらかと言えばそうですね。もちろんそういうのが苦手な方もいるので、強制するような文化ではないのですが、参加率は本当に高いですね。
古尾谷仲間内で勉強したり趣味をいっしょに楽しんだり、という風に気軽に楽しまれているんですね。
高橋そうですね。Slackにもイベントごとに人を誘うチャンネルがあって、「今日はこういうイベントをやりたいので、参加したい人は来てください」みたいなメッセージが投げられて、それで人が集まるんです。
古尾谷そういったつながりが自発的に生まれるというのはすごいですね。では最後に、バンダイナムコオンラインさんに応募しようと考えている転職希望者の方にメッセージをお願いします。
高橋今後は『BLUE PROTOCOL(ブループロトコル)』も控えていますし、まだ発表はされていませんが期待していただけるようなタイトルを鋭意開発中です。ワールドワイドで勝負できるオンラインゲームを本気で開発していますので、そういったチャレンジをしたいという方をお待ちしています。
シューターやバトルロワイアルが好きなメンバーも多いので、最新のゲームが好きなメンバーといっしょにワイワイ楽しみながら開発ができる会社です。ぜひとも、皆さんのご応募をお待ちしております。
株式会社バンダイナムコオンライン
- 代表取締役社長:関口昌隆
- 設立年月日:2009年10月1日
- スタッフ数:177名(2020年3月末時点)
- 事業内容: インターネットを利用したオンラインゲームその他ソフトウェア、サービスの企画・開発・運営
クリーク・アンド・リバー社担当が語る!
「ゲーム作りも、働く環境作りも全力で取り組んでいる会社です」
既存タイトルの運営はもちろん、新規タイトルも絶賛開発中です! 中でもハイエンド開発に力を入れていますので「最新のツールを使いたい!」という方におススメです。とくに“新しいゲーム作り”に前向きな方は大歓迎です。ゲーム好きな方が職種問わず多く在籍しており、デザイナーが企画提案することもございます。また、就労環境においては時勢にあわせて柔軟な対応をされており、現在は在宅勤務を導入しています。在宅勤務でもチームになじめるよう、オンライン懇親会などの交流の場も積極的に設けております。開発環境、就労環境ともに整備されているバンダイナムコオンラインさんに、ぜひご応募ください! (デジタルコンテンツ・グループ 古尾谷和朗氏)