2021年3月14日、“第3回全国高校eスポーツ選手権”の『リーグ・オブ・レジェンド』部門の決勝大会がおこなわれた。
本大会は全国の高校生が競い合う大型イベントで、前日となる3月13日には『ロケットリーグ』部門の決勝大会を実施。そして2日目となる3月14日が、『リーグ・オブ・レジェンド』の決勝大会だ。2020年末の予選大会を経て、トーナメントを勝ち上がった4校のチームが、決勝大会で戦いをくり広げた。
『リーグ・オブ・レジェンド』は5対5のチームで戦う、MOBAと呼ばれるジャンルのタイトル。多彩なキャラクター(チャンピオン)たちを操作し、相手チームの陣地にある拠点(ネクサス)を破壊したチームの勝利。3つに分かれたレーンや、そのレーンを手助けするジャングルの存在など、本作にはさまざまな要素があり、腕前がゲームに反映されやすい。そして最も重要なのが、5人のチームワークだ。なお、試合は2マッチ先取したチームの勝利となる。
苦戦からの2連覇達成へ!
予選を勝ち上がり決勝試合に進出したのが、沖縄県・N高等学校のチーム“KDG N1”と、兵庫県・アートカレッジ神戸のチーム“アートカレッジ神戸A”だ。とくに“KDG N1”は、前年大会で優勝しているほか、すでにプロチーム“DetonatioN Gaming”の練習生として活躍する、まりも選手(3年生)プロチーム“Rascal Jester”の練習生であるShakeSpeare選手(3年生)がいる強豪校。予選も圧倒的な強さで勝利し、決勝開始前から大きな注目を集めていた。
本大会で特筆すべき点として、操作するキャラクターを選ぶ&使用禁止にする“BANピック”のフェーズや、試合中にチーム内のボイスチャットが視聴者も聞くことができた。プロリーグなどでもなかなかない仕様なので、試合の盛り上がりにひと役買っていたように思う。
予想通りと言ったところか、1試合目は“KDG N1”が勝利。そして2試合目、“アートカレッジ神戸A”は序盤からキルを取って有利を作るためにアグレッシブに仕掛けていき、6キル獲得。ドラゴンやリフトヘラルドなども“アートカレッジ神戸A”が獲得し、大きな戦力差を作る。
勢いづいて“アートカレッジ神戸A”は4体目のドラゴンバフを獲得するも、その代償として“KDG N1”が4キル&バロンバフを獲得する。ここがターニングポイントとなり、有利差は反転し“KDG N1”が逆転に成功。“KDG N1”はエルダードラゴンも獲得し、一気に攻め立ててそのまま勝利! “KDG N1”の優勝が決まり、“KDG N1”は全国高校eスポーツ選手権2連覇達成となった。
ちなみに、『ロケットリーグ』部門の優勝もN高等学校だった。全国高校eスポーツ選手権の結果を見ても、N高等学校はeスポーツ先進校と言えるのではないだろうか。
試合を終えて、まりも選手は「3年生なのでこれが最後というのがプレッシャーでした。最後にこういった大会を開催してくれて感謝しています」と、大会運営への感謝の気持ちをアピール。vann選手(3年生)は「決勝戦1試合目、調子が良くなったので交代しましたが、勝ってくれてよかったです」と、チームメイトに感謝。
VioIet選手(3年生)は「緊張していましたが、試合の途中からメンバーの誰かが大きな声を出してくれて、気持ちを切り替えられました」と、声出しの重要性を改めて感じたとのこと。shakespeare「最後までスレッシュ(shakespeare選手の得意チャンプ)を(BANされてしまい)使わせてもらえず、まりも選手を守れませんでした」と、試合の反省点を述べる。
唯一の1年生であるrre選手は、「2試合目があぶなかったですが、3年生たちを優勝で贈り出せてよかった」と、先輩たちの涙を誘うようなコメントを披露。ぷりも選手(3年生)は、「ジャングラー(役割のひとつ)として大会に出たのが初めてですが、調子が良かったです。ワガママでリー・シン(チャンプのひとり)を使わせてもらいましたが、ちゃんと勝てて安心しました」と、自身の活躍を振り返った。
これにて“第3回全国高校eスポーツ選手権”は閉幕。配信では最後に、つぎなる大会である“第4回全国高校eスポーツ選手権”の開催決定が発表された。各部門の予選は2021年秋におこなわれ、各部門決勝大会は2021年12月を予定している。
部門タイトルは引き続き、『ロケットリーグ』と『リーグ・オブ・レジェンド』。さらに今回より1タイトル部門が追加を検討中とのことだが、タイトル名は明かされなかった。こちらについては、続報を楽しみに待とう。
※画像は配信画面をキャプチャーしたものです。