3Dメガネなしで楽しめる立体映像に誰もが驚き酔いしれた
2011年(平成23年)2月26日は、ニンテンドー3DSが発売された日。本日で発売から10周年を迎えた。
ニンテンドー3DSは、任天堂から発売された携帯型ゲーム機。名前から察せられるとおり、ニンテンドーDSシリーズに続いて登場したマシンとなっている。本体の形状も2画面で下画面がタッチパネルになっているなど共通する機能も多い。
最大の特徴は何と言っても3Dメガネなしでも立体映像が楽しめる“裸眼立体視”に対応していたこと。立体視というだけなら任天堂はファミコンの時代から幾度も取り組んでいて、最近ではNintendo Switchでも『Nintendo Labo: VR Kit』を発売したので覚えている人も多いと思われる。しかしながら本機は、それらの過去の機器や『VR Kit』とは異なり特殊な機器を通さずとも立体映像が見られてしまうのだから、発売されたときは本当に驚かされたものだった。
本機が初めて公式に発表されたのは、折しも3Dブームの真っ只中の2010年3月。3D映画の『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』が大ヒットし、テレビメーカー各社がこぞって3Dテレビを発売していて“3D元年”などとメディアに称されていた時代(いずれも3Dメガネが必要)。そんなときに裸眼で立体視を実現したなんて言うもんだから、筆者などは「一般に市販される機器で本当にそんなことができるの?」と疑ってしまった。恐らくは多くのゲームファンも似たような思いだったに違いない。ゆえに、実物をこの手にしたときは驚くとともに、ちょっとした感動すら覚えたほどだった。
当初は25000円と当時の携帯ゲーム機としては少し高額だったせいか、発売後しばらくは期待されていたほどの普及はしなかったが、2011年8月11日から10000円もの大幅値下げを敢行。以降は爆発的に普及が進んで人気ハードの仲間入りをし、最終的には世界累計で7594万台の販売を記録した。発売から半年足らずでの大幅値下げは異例のことだったし、その後の売上の伸びも凄まじかったので印象に残っている。
また、短い期間で急な値下げだったこともあって価格改定前に購入したユーザーには“アンバサダー・プログラム”の特典が付くことになった。合計20本のレアなバーチャルコンソールソフトがもらえたので、逆にこれを目当てに購入に踏み切った人もいたんじゃないだろうか。
ニンテンドー3DSでは、時代に即したインターネット通信にも本格対応。いまや当たり前の欠かせない機能だが、現代と遜色ないレベルで対応したのは本機から。ニンテンドーeショップを通じてソフトを購入はもちろん、世界のプレイヤーたちとゲームのオンラインプレイも思うがままだ。
2012年7月28日には大画面でバッテリーのもちもいいニンテンドー3DS LLが、2014年10月11日には性能が向上したNewニンテンドー3DSとNewニンテンドー3DS LLが同時発売された。加えて、2016年9月15日には海外で先行発売されていた3D表示非対応のニンテンドー2DSが、2017年7月13日にはNewニンテンドー2DSが発売となっている。
そして2020年9月16日には、ニンテンドー3DSすべてのシリーズが生産を終了したことが発表となった。