2021年2月18日(米国時間)、Facebookは、Oculus Questにて“マルチユーザーアカウント”と“アプリ共有”のふたつの機能を、一部の利用者を対象にテストを開始したことを明らかにした。

 ワイヤレスによる利便性の高さが特徴のひとつであるOculus Quest 2にとって、友だちなどにヘッドセットをわたして体験を共有できることは大きな魅力で、事実気軽に体験してもらえることを、Oculus Quest 2の訴求ポイントに挙げるクリエイターも多かった。

 ただ、現状Oculus Quest 2はいちアカウントしか登録できないため、ヘッドセットの貸し借りに抵抗がある人も多いようで、ユーザーからの大きな要望として挙げられていたようだ。

 今回、“マルチユーザー”と“アプリ共有”の機能によって、1台のヘッドセットで複数のアカウントを設定することが可能になり、複数のアカウント間で、Oculusストアで購入したアプリを共有することができる。攻略したステージや獲得したポイントは、アカウント別に保存される。“同じゲームでもヘッドセットを借りた利用者が最終ステージに到達するまで待つといったことが必要なくなる”とのこと。また、友だちリストや閲覧履歴、プライバシーなどの設定をアカウント別に管理して切り替えることができ、ヘッドセットの共有者に自分のアカウント情報を見られたり変更されたりしないようにロックを掛けることもできる。

 なお、“マルチユーザー”と“アプリ共有”機能を利用するには、親アカウントと子アカウントの各利用者が共有するデバイスにそれぞれ自身のFacebookアカウントを使ってサインインする必要がある。また、“アプリ共有”は、2月18日(米国時間)以降にOculusストアから購入したすべての新しいアプリに自動的に適用されるとのこと。現在、既存のゲームの中には、“アプリ共有”が利用できないものがあり、それらのタイトルについては、個々の利用者による購入が必要となる。いずれはそのほぼすべてのアプリが追加したアカウントをサポートできるようになることを目指しているという。

 “マルチユーザー”と“アプリ共有”はテストとして開始された機能のため、今回はまずOculus Quest 2の利用者を対象に提供を開始しつつ、改良を続けるとのこと。最終的には、すべてのQuestの利用者が使用できるようになる予定だ。Oculus Quest 2の家族間の共有なども、より便利になりそうだ。

 “マルチユーザーアカウント”と“アプリ共有”の詳細は以下の通り。

  • 現時点においては、親アカウント(ヘッドセットを設定する際に使用したアカウント)に3つまで別のアカウント(子アカウント)を追加し、1台のヘッドセットでアプリ共有を有効にすることができる。この機能はまだテスト段階であり、今後Questデバイスを利用している世帯数の増加に伴って変更する場合があるとのこと。
  • “マルチユーザー”と“アプリ共有”機能を利用するには、親アカウントと子アカウントの各利用者が共有するデバイスにそれぞれ自身のFacebookアカウントを使ってサインインする。
  • 子アカウントの利用者は、“アプリ共有”が有効になっているデバイス上でのみ親アカウントの利用者が共有しているアプリにアクセスすることができる。子アカウントの利用者がすでにデバイスを所有していたり新たに購入したりした場合、自身のヘッドセットからは、管理者のアカウント上で共有されているアプリにアクセスすることはできない。
  • 子アカウントの利用者は、共有しているデバイスからもアプリやコンテンツを購入することができるが、これを管理者やほかの子アカウントの利用者と共有することはできない。
  • 複数のデバイスに同時にログインすることは可能。しかし、複数のデバイスにおいて同じアカウントを利用して同時に同じアプリを実装することはできない。異なるアカウントであれば、同時に複数のヘッドセットを使って共有されているアプリにアクセスすることができるが、現時点において、“アプリ共有”は、1台のヘッドセットからのみ有効にすることができる。
  • 親アカウントを変更するには、“factory reset”(ファクトリーリセット:工場出荷時の状態に初期化すること)が必要となる。親アカウントに子アカウントを設定することはできるが、子アカウントからさらにアカウントを追加することはできない。
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