2021年2月12日、Wii Uで人気を博した『スーパーマリオ 3Dワールド』が、新モードを搭載してNintendo Switchで登場。Wii U版の移植となる“3Dワールド”と、新要素の“フューリーワールド”が収録されており、ふたつのモードはタイトル画面で選択できる。
“3Dワールド”は、3Dで表現された世界を2Dマリオのような感覚で遊べるモード。“ようせいの国”で多彩なギミックが仕掛けられたコースを巡り、クッパに捕まったようせい姫を助けるのが目的だ。
一方、本作から追加された“フューリーワールド”は、マリオとクッパJr.の異色のコンビが“ネコの国”で冒険をくり広げる新モード。“3Dワールド”とは独立しており、最初からプレイできるので、ゲームを始めてすぐに新モードを楽しめる。
今回は親子でマリオが大好きな、ライターのジャイアント黒田による本作のプレイレビューをお届けします!
マリオがネコにふたりに大変身! 昔懐かしいパワーアップアイテムも!
“3Dワールド”で初登場となったのが、パワーアップアイテムの“スーパーベル”を入手すると変身できる“ネコマリオ”。同アイテムは『スーパーマリオメーカー 2』(2019年6月28日発売のNintendo Switch向けソフト)に登場したので、“3Dワールド”を遊んだことがなくても、ネコマリオをご存知の方は多いだろう。
ネコマリオは、見た目のキュートさはもちろん、能力の高さにも驚かされた。ひっかき攻撃やスライディング、とびつきといった多彩なアクションができるうえ、なんと壁まで登れてしまうのだ。壁をするする登ってショートカットをしたり、隠されたアイテムを入手したりしたのはいい思い出。しかも本作では、ネコマリオの壁のぼりやとびつきの滞空時間が長くなっており、操作性が改善されている。地味ながらも、ゲームのテンポがますますよくなっていると感じた。
また、分身が増えて“ダブルマリオ”になるユニークな“ダブルチェリー”も、“3Dワールド”が初出のパワーアップアイテム。マリオが2体いるだけでもインパクト抜群なのに、アイテムを取るたびに分身が増えていくのは痛快だった。マリオの人数が増えるほど、操作が難しくなるのは当時のままだが(苦笑)、うまく操作できたときの感動は“3Dワールド”でしか味わえない。
“3Dワールド”は、ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ3』で活躍した“スーパーこのは”が使えるのも往年のファンにはうれしい。このアイテムを取ると、ご存知“タヌキマリオ”に変身でき、しっぽ攻撃や空中を滑空するアクションが使える。あくまで個人的な意見だが、マリオはネコよりもタヌキのほうが合う気がする。ピーチは、絶対ネコ派だけど!
ゲームのテンポがますます向上し、マルチプレイの駆け引きがアップ!
最大4人でマルチプレイが楽しめるのも“3Dワールド”の魅力。マルチプレイは、ローカルプレイはもちろん、フレンドどうしなら、インターネットを介したオンライプレイも可能。協力プレイはもちろんだが、獲得したスコアによってクリアー時に順位が発表される要素があるのもポイント。1位のキャラクターには王冠が贈られるうえ、王冠をかぶってクリアーするとボーナスが得られるので、“3Dワールド”では味方のジャマをするプレイも楽しめるのだ。
うちの場合、アクションゲームの『マリオ』シリーズをプレイするときは、家族で遊ぶことも多い。『スーパーマリオ オデッセイ』や『Newスーパーマリオブラザーズ U デラックス』など、妻や8歳の息子とわいわいプレイすると、ひとりで遊ぶときとは違った楽しさがある。そんなわけで、本作もひとりプレイはもちろん、マルチプレイでの体験にも期待していた。
“3Dワールド”は、Wii U版でもマルチプレイが実装されていたが、本作では移動速度がアップしたことで、スコアを競い合う楽しさが増した印象に。編集部のスタッフとマルチプレイをしたときのこと。決して悪気はなかったものの、誰かを置いてきぼりにしてミスしてしまう場面が何度かあった。移動速度がアップし、どんどん先に進めるがゆえに起きてしまった悲しい事故(本当にわざとじゃないよ)だったのだが、これを利用することも考えられる。
たとえば、わざと味方を置いてきぼりにしてミスを誘ったり、先にゴールしてスコアを伸ばしたり……。Wii U版にも実装されていた味方と王冠を奪い合って順位を競う遊びが、本作ではますます盛り上がりそうだ。妻と息子を相手に姑息な手を使うと、自分のおかずだけさみしくなるばかりか、父親の威厳も失われるので、うちではやらないけど……。
そうそう、“3Dワールド”のマルチプレイと言えば、キノピオ隊長を操作できる特別なコースがマルチプレイに対応していたのもうれしい。このコースの目的は、ステージ上の“グリーンスター”をすべて集めること。マリオたちとは異なり、キノピオ隊長はジャンプができないので、敵や仕掛けをうまく避けながら進む、パズルゲームを解くような楽しさが体験できるのだ。
キノピオ隊長のマルチプレイでは、プレイヤーがそれぞれキャラクターを操作できる。そのため、ヒントを出し合うことはもちろん、アクションゲームが得意な人が、率先してグリーンスターを取りに行くといったプレイも可能。息子の知育によさそうなので、いっしょにプレイするのが非常に楽しみだ。
“フューリーモード”には手に汗握る仕掛けが満載!
続いては新要素の“フューリーワールド”について。冒険の舞台であるネコの国は、想像していたよりも広く、ネコシャインを集めるたびに新たなエリアが開放されていくのが魅力的。広大な世界を効率よく移動できるように、“3Dのワールド”でも活躍したプレッシーが登場するのもたまらない。プレッシーを操作すると、単純な移動もレースゲームのように楽しめた。
巨大なフューリークッパが目覚めると、美しい世界が不気味な雰囲気に変わる仕掛けもいいスパイスに。対抗策がない序盤は、フューリークッパがいなくなるまで逃げるしかないが、クッパの攻撃で解除できる仕掛けも用意されており、弱いなりにもできることがあるのは好印象。
さらに、ネコシャインを集めて“ギガベル”の封印を解いた後は、ギガネコマリオ対フューリークッパの壮絶なバトルの虜に。巨大なマリオとクッパが激突する様は圧巻で、特撮映画で観た大怪獣バトルそのものだと感じた。
また、“フューリーワールド”のマルチプレイはふたりプレイに対応しており、マリオとクッパJr.を操作できる。プレイした感覚は、『スーパーマリオ オデッセイ』のマリオとキャッピーをそれぞれ操作したときに近いかも。キャッピーと同じく、相棒のクッパJr.は無敵。マリオから離れて行動できるうえ、空を自由に飛べるので、地形の影響をほとんど受けないのも強みだ。
アクションが得意な人がクッパJr.を操作してマリオをサポートしてもいいし、アクションが苦手な人が無敵のクッパJr.を操作してマリオについていくのもいい。“フューリーモード”でも、任天堂らしい手触りのよさを感じた。
うちの場合、息子が大好きなマリオ、筆者がクッパJr.を操作することになりそうだ。筆者のキャッピーさばきはイマイチだった記憶なので、発売後も引き続きプレイして、立派なクッパJr.マスターになりたいと思う。
スタンプ収集がますます楽しくなる新要素のスナップショットモードも!
Wii U版と同じく、“3Dワールド”の多くのコースで、コレクションアイテムのスタンプを入手できる。プレイヤーが集めたスタンプは、“スナップショットモード”で背景に押せるようになった。スナップショットモード”は、ひとりでプレイ中に、いつでも時間を止めて自由に写真が撮影できる新要素。“3Dワールド”と“フューリーワールド”のどちらでも利用できる。本モードだけでも時間を忘れて熱中できるが、スタンプと連動したことで、コンプリートを狙うモチベーションに!
ほかにも、“3Dワールド”のあちこちに隠された、ドットルイージを見つける遊びも健在。カメラのアングルを変えたり、画面を注意深く観察したりするとドットルイージを発見できる。Wii U版で夢中になって探したドットルイージを、息子に自慢できる日が来ようとは。本作もほかの『マリオ』シリーズのように、家族皆でプレイするのが待ち遠しい。