モニター、換え忘れてない?
最新のハードやゲーミングPCを手に入れても、いっしょに買い替えようとなりづらいのがモニター。数年前から同じモニターを使っていて買い替えるのがおっくう、そもそもゲームをするときにはテレビを使っている、そんな人も多いでしょう。
ですが、ゲームやPCと同じくモニターの世界も日進月歩。さまざまな点が進化し続けています。この記事ではそんなモニター界の最先端商品のひとつ、MSIのゲーミングモニター“Optix MAG321CURVJP”をご紹介。
実際にこのモニターでプレイステーション5(PS5)版『Demon's Souls(デモンズソウル)』(以下、『デモンズソウル』)をプレイし、その性能に迫っていきます。
モニターは湾曲している方が自然に見える? その理由とは
“Optix MAG321CURVJP”は湾曲率1500Rのゲーミングモニター。4K UHD(3840×2160)の高解像度・高画質で表示することができ、プレイステーション4 Proやプレイステーション5などの4K出力でゲームをプレイすることが可能です。さらに、HDRにも対応しており、暗いシーンでの黒つぶれ、明るいシーンでの白飛びがない映像表示を実現している……とのこと。
やはり何よりの特徴は、モニター自体が内側に湾曲している点。電源を入れる前からして「本当に曲がっている」と、すこし感動します。ゲームプレイはもちろん湾曲モニターに触れること自体が初めてだった自分は、正直なところモニターの前に座ったときに違和感を覚えました。
ただ、同時にはっきり意識したのは、むしろ「こっち(湾曲しているモニター)のほうが正解だ」という感覚。長年、モニターは平面であることを当たり前としてきて、この原稿もノートPCで書いており、まさにいまも平面の液晶を見ているという状態(きっと皆さんのほとんどもそうでしょう)。そのくらい、平面モニターに慣れ親しんでいる自分でも、湾曲モニターのほうが「ゲーム画面の見え方として正しい」と感じました。
というのも、平面モニターは画面中央と左右では目と画面の距離にわずかな差があります。湾曲モニターは画面端がこちらにせり出している構造なので画面のどこを見てもモニターと目の距離に差が生じにくいのが特徴。この距離の差が少ないゲームプレイが非常に心地よいのです。そのため、モニターの形状としては初めて見るからこその違和感がありつつも、目に映る映像は初めて見る湾曲モニターのほうが正解だという印象を抱きました。
そして、ゲームプレイ中に余計なものが目に入りにくいのも湾曲モニターのメリット。極端な話ですが、ゲームをプレイする際にはゲーム画面以外のあらゆるものがノイズになります。視界の隅で誰かが手を振っていたら気になりますし、モニターの横に本が置いてあったとしてもゲームプレイ中なら目に入らない方が集中できるでしょう。
モニター自身が湾曲していることでノイズを物理的に隠してくれます。しかも隠した結果、目に入るようになるのはゲーム画面。通常のモニターよりも“すこし横”にまでゲーム画面があるという感覚になり、明らかにゲームに没入しやすくなりました。
とくにPS5などの次世代ハードになると、映像表現も格段に向上。性能を最大限まで生かしてゲームを遊ぶという意味で、テレビ以外に“Optix MAG321CURVJP”のような専用モニターを選択肢に入れるのはぜんぜんアリだと思います。
ただ、モニターが湾曲しているとなると、「通常のモニターと違う画面の反射が気になりそう」と考える人もいるかもしれません。ですが、天井に反射しやすいオフィス用の蛍光灯が光る部屋で試遊していたにもかかわらず、プレイの妨げになるような光の反射は感じられません。ちなみに液晶表面はノングレアタイプ。
少しずつモニターの横へ回り込みながら画面の反射を確認したのですが、ゲームプレイの邪魔になるほど反射が気になると感じられたのはモニターのほぼ側面まで回ったところ。普通に使う範囲では、反射がゲームの妨げになることはないでしょう。
4KかつHDR対応の映像美はトレーラーそのまま
そして、ハイクオリティなゲーミングモニターと言えば欠かせないのが4K解像度とHDRへの対応。もちろん“Optix MAG321CURVJP”はそのどちらにも対応しています。PS5のタイトルを4K&HDRで遊ぶという体験も初めてのものだったのですが、最新ハードと最先端のモニターのタッグはとにかく鮮烈!
『デモンズソウル』に限らず、ゲームタイトルは発売前にトレーラーが公開されることが多々あります。美麗な映像や魅力的なキャラクター、そこに気になるシーンがすこしだけ入っているトレーラーは、プレイヤーをワクワクさせるものです。ただ、実際に遊んでみるとキレイではあるけれど、トレーラーの映像と比べると、少し物足りないということもありますよね。
ですが“Optix MAG321CURVJP”で体験したPS5の映像は、トレーラーそのままのクオリティ。暗いシーンでHDRオン状態とオフ状態を比較すると、HDRをオンにしていると黒のなかにも明るい黒や暗い黒、黒に染まった赤や黒に染まった青などさまざまな色が見て取れます。
また、暗さと同様に明るさの見え方も大きく異なる印象。日陰から日なたに出たときのまぶしさに一瞬目がくらんでからしだいに目が慣れていく、現実では当たり前の感覚をゲーム画面から認識できたことには驚きました。画面上の影や暗い室内の表現も際立ち、黒がくっきりと鮮やかに描写されています。もしいま、PS5で「トレーラーと比べると映像が……」と感じている方がいたとしたら、ひょっとするとその原因はモニターにあるかもしれません。
さらに“Optix MAG321CURVJP”はゲーミングモニターだけあって、ゲームジャンルに合わせた明るさやコントラストなどのプリセットがいくつか用意されています。この映像出力の調整を含めた各種調整は、モニター自体に用意されたスイッチで行えるほか、PCをつなげばPC上で変更可能。
モニターのみで各種設定を行う際には、画面上に設定周りのメニュー画面が表示されるので遊びながら設定を変えるならあらかじめPCを接続しておいたほうが遊びやすそうです。
高クオリティなモニターがプレイヤーの能力を高める
映像の美しさや没入感だけでなく、ハイクオリティなゲーミングモニターはプレイにも影響を及ぼします。その例として『デモンズソウル』で実際に体験したのが、タイミングよく行うと敵の攻撃を弾く“パリィ”というアクション。
このパリィが“Optix MAG321CURVJP”で遊ぶと、普段とは比べ物にならないほど成功しやすかったんです。もちろん失敗することもありますが、それでも敵のつぎの攻撃に備えてタイミングを調整し直すこともしやすくなりました。
これは4KやHDRといった機能、画面の精細さでゲームの動きが見やすくなったことによるものと思いますが、自分の動体視力が急に上がったかと錯覚するほど。『デモンズソウル』は難度の高いゲームとして有名ですが、だからこそハイクオリティなモニターで遊ぶべきだと感じました。
ちなみに、本レビュー用のプレイ後、シビアなアクションが必要なタイトルをふつうのモニターで遊んでみました。「ひょっとして、自分の知らないあいだにゲームがうまくなったのでは……?」と思いましたが、残念ながら腕前は“Optix MAG321CURVJP”で『デモンズソウル』をプレイする前に逆戻り。敵の動きが手に取るようにわかる強い自分は“Optix MAG321CURVJP”が見せた束の間の夢のような存在でした。
そして 『デモンズソウル』などのアクションゲームなどに限らず、PS5向けに今後発売されるタイトルは美麗な表現もウリとなるはず。そうしたとき、“Optix MAG321CURVJP”ならば、そのグラフィックを最大限楽しめるのではないでしょうか。
いつもよりも美麗な映像で、いつもよりも気持ちよくゲームをプレイでき、そしていつもよりも視界いっぱいにゲーム画面が広がっている。月並みな表現ですが“Optix MAG321CURVJP”でのゲームプレイは間違いなくひとつ上の体験でした。一度遊んだら、旧来のモニターでのゲームプレイには戻りたくない。“Optix MAG321CURVJP”は誰が触れてもそういった感想を抱くゲーミングモニターだと思いますよ!
商品画像
スペック
- パネルサイズ:31.5インチ
- アスペクト比:16:9
- 最大解像度:4K UHD(3840×2160)
- リフレッシュレート:60Hz
- 応答速度:4ms(GTG)
- パネル種類:VA
- 表面タイプ:ノングレア
- 画素ピッチ(H×V):0.18159×0.18159mm
- 色域:sRGBカバー率94%、DCI-P3カバー率78%
- 最大表示色:約10億7300万色
- 視野角:178°(H)/178°(V)
- パネル表面曲率:1500R
- コントラスト比:2500:1
- 最大輝度:300
- 消費電力:使用時53W/スタンバイ時0.38W
- サイズ(W×H×D):710.5×266.5×513.6ミリ
- 重量:7.3キロ
- 電源タイプ:90W ACアダプタ
- 電源入力:100 ~ 240V、50 / 60Hz
- 走査周波数:147~148KHz(H)/47~60Hz(V)
- 上下角度調整(チルト):-5° ~ 20°
- 高さ調節:0~130ミリ
- VESAマウント:VASA100(付属のスペーサネジにて対応)