いよいよ明日(2020年12月26日)から始まる、東急線沿線を巡るリアル謎解きゲーム“東急線謎解きラリー×ペルソナ5 ザ・ロイヤル「ミステリアス鉄道QQQ」”。当記事では、ファミ通の『ペルソナ』シリーズ担当である筆者が、謎解きのテストプレイしてみたので、その感想をネタバレ無しでお届けする。(※本イベントの開催概要についてはこちらの記事をどうぞ)

『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
東急線各駅の窓口(世田谷線、こどもの国線を除く)にて購入できる謎解きキット。描き下ろしイラストをあしらった謎解き冊子、クリアファイルバッグと、ペグシル、P5Rオリジナル東急線ワンデーパスが同梱される。

 皆さんは、リアル謎解きゲームというものを経験したことがあるだろうか。自分は何を隠そう、今回が初めてだった。…とはいえ、『ペルソナ』シリーズをそれなりに長年嗜んできた自負があったので、絶対に誰の助けも借りずにクリアーしてやるぞ! という気概で挑んでみたら、その「ガチ」な内容に開始直後から驚かされた。

 「ガチ」の方向性は、大きく2つある。
 まずは、“『ペルソナ5』らしさ”の作り込みだ。謎解きの参加者は、自身のスマホから専用サイトにアクセスし、チャット機能で展開される怪盗団メンバーとの会話も手掛かりにしながらストーリーを進めていくのだが、その内容もボリュームもかなりの本格派。ここで描かれる「事件」が起こるのは、明智吾郎が怪盗団とともに行動している時期となっており、このイベントだけで見られる彼らの会話がたっぷり用意されているのは、『ペルソナ5』ファンには嬉しいところだろう。

『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
原作ゲーム内にもあった“SNS”さながらに展開していく会話。本イベントは『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』の謎解きゲームなので、あのかわいい後輩もしっかり登場する。

 本イベントを開催するにあたっては、アトラス・ペルソナチームが相当にガッツリと協力・監修を行っている。イベントの企画者(言い出しっぺ)であるKADOKAWA関係者の話を聞くかぎり、完成するまでには結構な時間を要したらしく、そんな舞台裏はプレイヤー目線では知ったこっちゃないが、いちおう同じ会社にいる筆者の身としては労ってあげたい(笑)。さすがはアトラス、こういうところにも妥協が無い。

『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リアル謎解きゲームが明日(12月26日)からスタート! ひと足先に体験してみたら想像以上に「ガチ」だった…!【ネタバレ無しレビュー】
謎解きに加えてのお楽しみ要素として、東急線沿線に散らばっている謎解きパネルのARマーカーにスマホのカメラをかざすと、怪盗団メンバーのARフォトフレームが画面に現れる。パネルごとに異なるキャラクターが現れるので、あなたの“推し”をぜひ激写しよう。(※謎解き専用サイトのリンクからダウンロードできるアプリが必要です)

 もうひとつの「ガチ」なポイントは、謎解きの内容だ。
 『ペルソナ5』ファンの皆さんには予め、ご留意(というか、覚悟)をお願いしたい。本イベントで挑むことになる謎は、単に『ペルソナ5』の知識を持っていれば解けるという性質のものではない。むしろ、「ビデオゲーム」における謎解きに慣れている人ほど、「リアル謎解きゲーム」で苦戦する恐れがあるかもしれない…と、リアル謎解き初体験の筆者は感じた。

 どういうことかと言うと、『ペルソナ5』的に例えるなら、いま攻略しているパレス(ダンジョン)の謎を解くカギは、当然ながらそのパレスのどこかにあるに違いない、と普通は考えるだろう。だが、リアル謎解きは、いま解こうとしている目の前の謎を見るだけでは絶対に解けないこともある。もしかしたら、すでに解いたつもりの謎の中に、新たな謎のヒントが隠されているかもしれない……のだ。これ以上言うとネタバレになりそうなので控えるが、筆者はこの点でまんまと頭を抱えてしまい、ヒントを貰ってようやく解けたときに「その発想は無かったわー!」という達成感と敗北感を同時に味わうこととなった。リアル謎解きに慣れている人からすれば基本的な思考回路なのかもしれないが、自分にとってはまさに目が覚める心地がしたのである。

 本イベントの謎を手掛けたのは、これまでに多数のリアル謎解きイベントで高い評価と実績のあるNAZO×NAZO(ナゾナゾ)劇団。制作ディレクターを務めた曽根智宏氏へのインタビューに同席する機会があったので、上記の感想をぶつけてみたところ、「ぜひ、今回の謎解きをひとつの大きなダンジョンと捉えて、広い視点と柔らかな頭をもって挑んでみてほしいですね」とのアドバイスをいただいた。なるほど、してやられたぜ!w(※曽根氏へのインタビューはこちらで公開中)

 …というわけで、リアル謎解きの経験の有無にかかわらず、『ペルソナ5』が好きな人にはぜひ、本イベントにチャレンジしてみてほしい。たとえ頭を抱える謎にぶつかったとしても、謎解き専用サイトにこっそり載っているヒントを参照すれば、きっと手掛かりが得られるはずだ(もちろん、見たくない人は見なくてもいい)。また、外出する際は細心の注意を払っていきたい昨今において、東急電鉄をはじめとする鉄道各社は感染症対策を徹底しているが、本イベントに参加される皆さんにおかれましても、マスク着用などの対策をなされたうえで楽しんでいただけたら嬉しい。開催期間は、2021年3月16日(火曜)までだ。

 最後に、本イベントの紹介映像でナレーションを務めた声優・大谷育江さん(モルガナ役)から、音声収録時に1問1答のコメントをいただいたので紹介しよう。

──謎解きはお好きですか?

大谷 謎解きは大好きです。でも、図形パズル、数式パズル、なぞなぞは解ける時もあるけど、解けない時もある。得意と言ってはいけないレベルかもー。ミステリーの登場人物たちの、微妙な言動や目線等で心理戦を読み解くのはわりと得意。今回の謎解きラリーには使えるだろうか。

──大谷さんが街を歩くときの楽しみが何かあれば教えてください。

大谷 ウィンドウショッピング! 心の休憩。お洒落な喫茶店とか、噴水のベンチとか、可愛いものがありそうな雑貨屋さんとか。あと、素敵な家具を扱ってるお店も大好きです。

──今回の謎解きラリーを楽しみにしているファンにひと言お願いします。

大谷 電車に乗って街に繰り出し、「心の怪盗団」となって謎を解く! いつもとは違う街の風景や食べ物に出会えますように。よそ見して深呼吸! 忘れずにね! どんな「オタカラ」が盗めるのか。楽しんでください!