2020年12月11日、東京・六本木のDMMオフィスにて、サイバーエージェントとEXNOA(DMM GAMES)によるアニメとゲームのメディアミックスプロジェクト『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』(以下、『プラオレ!』)の制作発表会“プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~制作発表会”が開催された。
まずは、制作総指揮を務めるサイバーエージェントの落合雅也氏が登壇。まずは本プロジェクトを立ち上げた理由として「僕は幼稚園から大学までアイスホッケーを続けていたのですが、こんなにおもしろいスポーツなのに、なぜ人気が出ないのかと、ずっと感じていました。そこで、大学時代までお世話になったアイスホッケーへの恩返しという思いを込めて、アニメとゲームを制作することになりました」と解説。
本作は、サイバーエージェントとDMM GAMESのタッグで取り組んでいくプロジェクト。このことについて落合氏は以前からDMM GAMESと交流があり、つねづね協力してコンテンツを作りたいという話をしていたという経緯を明かす。
また、「ゲーム部分は、おもにDMM GAMESさんに担当していただいております。いまは情報公開ができない状態ではありますが、非常にデキがよいと感じていますので、楽しみにお待ちいただければと思います」と、落合氏はそのクオリティーに自信を見せた。
『プラオレ!』の舞台となっている日光市については、日光市ではアイスホッケーが盛んなスポーツであることを理由に挙げる。ほかにも落合氏自身が日光市にプライベートで訪れることが多く、大好きな街であることから、本作の舞台として選んだとのこと。
ちなみに、日光市のプロアイスホッケークラブ“H.C.栃木日光アイスバックス”には、落合氏の大学時代の先輩・後輩が多数所属しているそうで、同チームは本作におけるアイスホッケーの設定考証という形で参加していることも明かした。
『プラオレ!』のアニメは、2021年10月より放送開始予定となっているが、司会者より本作のアニメのポイントについて聞かれると、「アイスホッケーの魅力を伝えたいということだけでなく、作品に登場する女の子たちが成長していく青春ドラマもしっかりと描きたいと思っています。安齋剛文監督や脚本の待田堂子先生、そしてアニメの制作会社であるC2Cの皆様に、丁寧に青春ドラマを描いていただいています」と、本作のアニメの魅力を語った。
落合氏によれば、作中でアイスホッケーの演出をしっかりと表現するため、昨年末に安西監督とともに、アイスホッケーの本場アメリカへと足を運び、北米のプロリーグ“NHL”の試合を観戦したことも明らかにした。
本作を通じて、主演キャストたちによるYouTube上での活動も積極的に行われるとのこと。落合氏はYouTubeでの活動について「コロナ禍における最適なプロモーションをしっかりとやっていきたいなと思っています。声優さんたちには、声優かYouTuberかわからないくらい、本気でやってほしいとお願いしています。YouTubeを通して、声優さんたちの個々の魅力や、ロケで栃木や日光にも行きますので、そちらの魅力もぜひ感じ取っていただきたいです」とコメントした。
ここで、いったん落合氏が降壇すると、本作のプロモーションビデオが上映される。
【PV】プラオレ!アニメPV第1弾
プロモーションビデオ上映後は、安齋剛文監督と増田里紅さん(水沢愛佳役)、青山吉能さん(小野真美役)、相良茉優さん(水沢彩佳役)、汐入あすかさん(高木尚美役)、北守さいかさん(鷲沼梨子役)、本郷里実さん(清瀬優役)、森山由梨佳さん(柳田薫子役)という、主要キャストが登壇し、アニメに関するトークがくり広げられた。
まずは、アニメで注力している点について質問が飛ぶと、日光市とアイスホッケーという組み合わせには、“ふたつのギャップ”から生じる魅力があると、安齋監督は語る。ひとつは、ゆったりとした街の時間の流れかたと、アイスホッケーの展開の早さ。もうひとつは、真夏の日光市の暑さと、試合が行われるアリーナの寒さ。このふたつのギャップによる魅力を、主役の水沢愛佳たちを通じてアニメでも表現していきたいと意気込む。
2019年3月に、初めてアイスホッケーの試合を観戦したという安齋監督。当時は、ルールを知らない状態だったそうだが、同席していた落合氏に解説してもらいながら観戦したのだそう。
その際、落合氏から「本場のアメリカのNHLの試合は、こんなものじゃないよ」という話があり、12月に実際にNHLの試合を観戦。そこでスタジアムでの演出の派手さや、音響のクオリティーが、日本のアイスホッケーとは桁違いであることを感じたという。取材を通じて感じたことは、作品にも影響しているとのことなので、映像でどのように表現されるのかにも注目だ。
続いてはキャスト陣の話題へ。本作が声優デビュー作となる増田さんは、作品のオーディションを受けるのも初めてだったそうで「すごく緊張しました。まさか自分が受かるとは思っていなかったので、ここに立てているのがめっちゃ嬉しいです! 皆さんと素敵な作品が作れるよう、がんばります!!」と意気込みを語る。
『プラオレ!』に出演するにあたり、キャスト陣は実際にアイスホッケーの試合を観戦したのだそう。本郷さんは「人生で初めてアイスホッケーの試合を観戦したのですが、先ほど安齋監督もおっしゃていたとおり、なにより試合のスピードがすごくて、攻防の移り変わりが激しく、みんなで“ぜんぜんパックに目が追いつかない!”と言いながら観戦しました」と、観戦を通じての感想を語る。
また、ゴール裏からも試合を観戦したそうで「格闘技さながらの体当たりのようなプレイもあり迫力満点で、そういった熱いプレイも、仲間にパスをつなげるためのものだと思うと、応援する気持ちもよりいっそう高まりました。そしてなにより、プレイを通じて、作中にも出てくる“心の絆でパックをつなげっ!!”という意味も肌で感じられました」とコメントした。
増田さんと同じく、オーディションによって本作への出演が決まった森山さん。「とても緊張感がありましたが、『プラオレ!』のオーディションは5人で掛け合いを行うものだったので、新鮮でもありました。また5人でお芝居をすることで、そのシーンの具体的な空気感を感じ取ることができ、キャラクターの特徴が鮮明に見えてきました。お芝居もアイスホッケーと同じく、チームプレイですので、お互いに協調性を高めながら演じていこうという気持ちも高まりました」と、オーディションを通じて得たものがあったと話していた。
YouTube上での活動について話題が移ると、相良さんは「できる限りのことはがんばっていきたいと思っています。それこそYouTuberっぽい企画だったり、『プラオレ!』の聖地である日光へ行って、食べ歩きや温泉に入ったり。日光の素晴らしいところを発信していきたいです。アイスホッケーもぜひやってみたいので、いつかプレイして、上達する姿もYouTubeで流せたらいいなと」と語る。
本作では、Craft Eggがキャラクターデザイン、衣装デザインを担当しているが、北守さんは、Craft Eggがデザインしたキャラクターたちを見て、オーディションで受けたいと思ったのが、鷲沼梨子であったという。北守さん自身は、梨子ほどパワフルではないかもしれないとしつつ、身長がいっしょだったり、誰かに自分の思いを伝えたくてたまらないという性格は梨子と共通していると感じているそうで、「そう考えると、運命的なのかなと思っています」と、梨子への思いを明かしていた。
ここで、日光市の大嶋一生市長からのメッセージVTRが上映。「アイスホッケーのアニメが始まるということで、たいへんワクワクしています。市としても、この作品を通じて、日光市の魅力が視聴者の皆様に伝わり、日光市や栃木県を元気づけていく作品になってくれるものと信じています」と、本作への期待を寄せていた。
発表会には、“H.C.栃木日光アイスバックス”の土田英二氏、衣笠伸正氏も登壇。アニメ、ゲームともに同チームが監修を行っているが、土田氏は「今回のお話をいただいたときに、我々にとってもすごくチャンスだなと感じました」とコメント。衣笠氏も「こういったお仕事をさせていただけることに、驚いていますし、本当に光栄な機会をいただいたなと思っています。ひとりでも多くの方に、アイスホッケーの魅力が伝わればいいなと思っています」とコメント。
最後に、落合氏より「アイスホッケーを盛り上げたいという気持ちと、栃木県日光市は都心からもアクセスがよく、世界的に誇れる素敵な街だと思っています。日光を舞台にした青春ドラマを通して、アイスホッケーの魅力を皆様に伝えられたらと思います」とコメントし、発表会は締めくくられた。
発表会後には、質疑応答も行われた。本作への思いを聞かれた小野真美役の青山さんは「じつはメインのオーディションには一度落ちているんです。一度落ちた後に、改めて“小野真美ちゃんという子がいるんですけど”とお話をいただいて、皆様の仲間入りを果たしました。だから、私はここにはいなかったかもしれないという経緯もありつつ、いまこの場に立たせていただいています」と、オーディション時のエピソードを明かしながら、「小野真美ちゃんという子がどのようにみんなと関わっていくのか、どんな物語になるのか、楽しんでいただければうれしいです」と語る。
続けて青山さんは「YouTubeでいろいろなことをやっていきます。すでに撮影なども始まっていて、みんなでいっしょにがんばっていくという、私にとってもうれしいコンテンツになっています。皆様にとっても楽しいものなればいいなと思っております」と、今後の活動への意気込みを語った。
アイスホッケーに関するイメージについての話題では、汐入さんが、ほかのキャスト陣とともにH.C.栃木日光アイスバックスの試合を観戦した当時のエピソードについて触れながら「パックが氷の上を滑っていくのかなと想像していたのですが、ドカーン! バコーン! と空中を飛んでいたので、すごくびっくりしました。“氷上の格闘技”と言われている理由がわかりました。私はあまりルールもわかっていなかったのですが、ルールに詳しくなくても、初心者でも観戦が楽しめるスポーツだと思いましたので、アニメを通じてアイスホッケーが楽しそうだと感じていただけたら、ぜひ会場に足を運んで観戦していただきたいです」と、アイスホッケーの魅力をアピールした。
最後に、本作のタイトル『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』に込められた意味について、H.C.栃木日光アイスバックスの試合会場に掲げられた垂れ幕“Pride of 日光”と、H.C.栃木日光アイスバックスの特徴的なオレンジ色のユニフォームから来ているのだと落合氏は語った。
テレビアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』
心の絆でパックをつなげっ!!
日光市に本拠を置くアイスホッケーチーム、ドリームモンキーズ。そのドリームモンキーズが開催する体験教室の門を叩いたのは、地元に住む中学生、愛佳と彼女に強引に誘われた妹の彩佳、幼なじみの薫子と真美。同じ参加者には梨子と尚美の姿もあった。
練習後、皆、すっかりアイスホッケーに魅せられてしまい。「来週も参加しようよ」と言うまでになっていた。
やがて監督の羊子から誘われて、愛佳、彩佳、薫子、そして梨子と尚美はドリームモンキーズに正式に所属することになる。そんな中、強豪チーム釧路スノウホワイトに所属していた有名選手、優がチームを辞めるだけでなくアイスホッケーさえも辞める決意を固め祖母の住む日光へとやってくる。
「もう二度とリンクに立つことはない」そう思っていた優を再びリンクに引き戻したのは、羊子と愛佳たちだった。こうして優を迎えた愛佳たちドリームモンキーズ新人チーム。練習試合、合宿などを経て、皆、それぞれ成長していき、またチームも一丸となっていく。
「心の絆でパックをつなげっ!」を合言葉に、大会に臨む愛佳たちドリームモンキーズ。果たして、その結果は!? これは少女たちの、汗と涙の成長物語なのである。
番組概要
放送時期:2021 年10 月~
放送局(予定):とちぎテレビ/ABEMA ほか
出演者:青山吉能、相良茉優、汐入あすか、北守さいか、増田里紅、本郷里実、森山由梨佳 ほか
スタッフ
原作:プラオレ!メディアミックスパートナーズ(CyberAgent/EXNOA)
原作キャラクターデザイン:Craft Egg
原作衣装デザイン:Craft Egg
製作総指揮/エグゼクティブプロデューサー:落合雅也(CyberAgent/CAAnimation)
エグゼクティブプロデューサー:東條寛(EXNOA)
ゼネラルプロデューサー:田中宏幸(CyberAgent/CAAnimation)/村上浩一(EXNOA)
プロデューサー:村上貴志(CyberAgent/CAAnimation)/瀧田弘(EXNOA)
監督:安齋剛文
シリーズ構成:待田堂子
アニメーションキャラクターデザイン:田中紀衣
音響監督:藤田亜紀子
アイスホッケー設定考証:H.C.栃木日光アイスバックス
音楽:MONACA/木皿陽平(StrayCats)
アニメーション制作統括:山田良輔(C2C)
アニメーションプロデューサー:早坂一将(C2C)
アニメーション制作:C2C
協力:栃木県/日光市/株式会社 下野新聞社
株式会社とちぎテレビ/株式会社エフエム栃木/CRT 栃木放送/タウン情報もんみや
※一部の画像は配信をキャプチャーしたものになります。