いまから17年前の2003年(平成15年)12月13日は、PSXが発売された日。

 PSX(ピーエスエックス)は、ソニーから発売されたハードディスク搭載DVDレコーダー。ゲームファンにおなじみのSCE(当時)からではなく、親会社のソニーのほうからの発売となったマシンだ。

 当時、主流だったプレイステーション2の機能を併せ持っていて、ゲームで遊ぶのはもちろん、アナログ放送のテレビ番組を録画して楽しんだりDVDに焼いたりすることができた。“スゴ録”を始めとするハードディスク搭載のDVDレコーダーが人気を博していた時期の発売だったこともあり、PS2と合わせてちょっとした欲張りセットの印象。どちらも欲しかった人には、まさに渡りに船といった感じだったのではないだろうか。筆者は両方とも別個に持っていたので少し羨ましかった記憶がある。ちなみに、250GBのHDD搭載モデルが99800円、160GBのHDD搭載モデルが79800円となっていた。

PSXが発売20周年。PS2の機能を併せ持ったHDD搭載のDVDレコーダーで、ゲームファンおなじみのXMBを最初に導入した製品としても有名【今日は何の日?】

 ソニーならではといった機能としてはPSPとの連動がある。PSXで録画した番組や、PSXに取り込んだ写真で作成したフォト作品をメモリースティック デュオに記録して持ち出し、PSPで視聴するなんてことができた。現代ではネット経由でそのまま番組視聴ができたりもするのでピンとこないかもしれないが、当時はこれも立派なセールスポイント。スマホもタブレットない時代なので、出先で番組視聴なんてちょっと憧れるレベルだった。また、ハードディスクの容量をゲーム用に割り当てて、プレイステーション BB Unitと同等の機能を持たせられるモデルもあった。

 じつは本機は“XMB(クロスメディアバー)”を最初に導入した機種でもある。PSPやPS3をはじめ、さまざまな電化製品にも採用されていたユーザーインターフェース(メニュー)なので、見れば「これね」とすぐにわかるはずだ。横軸はマシンの機能をカテゴリーで表し、縦軸は各カテゴリー内で実行できる項目を表す方式で、扱いやすさ・わかりやすさはともに折り紙付き、というかご存知のとおりか。2004年にはグッドデザイン賞を、2007年にはPSPのXMBが対象になるがエミー賞を受賞している。なお、筆者の感覚的にはPS4のUIも似たような印象でずっとXMBだと思いこんでいたのだが、あちらは“PlayStation Dynamic Menu”と呼ばれるものでまったくの別モノだった……。

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 初期型発売の翌年になる2004年には、実勢価格が約半額の40000円台になる2代目機種が登場。ネットなどで注目を集めて好セールスを記録した。

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