いまから29年前の1991年(平成3年)12月12日は、メガCDが発売された日。
メガCDは、セガ・エンタープライゼス(当時)から発売された周辺機器のひとつでメガドライブ及びメガドライブ2用のCD-ROMドライブ。本機をゲーム機本体に取り付けることで大容量のCD-ROMソフトで遊べるようになる。
当時のゲームファンにとって、大きな可能性を秘めたCD-ROMソフトというのは憧れの存在と言っても過言ではなかった。オープニングムービーが見られ、キャラクターがボイス入りで喋るという現代では当たり前のことが、容量の問題などでロクにできない時代だったのだから、それらを可能にするCD-ROMソフトはまるで夢のよう。しかし、高価という欠点があったので、遊びたくても遊べない人が大半だったのではないだろうか。筆者は残念ながらメガCDを所持していなかったが、持っている友だちの家に大勢で押しかけて遊ばせてもらった思い出がある(笑)。
メガCDは上部にメガドライブを積み重ねるように装着して起動するのだが、メガドライブ自体が横280ミリ、奥行き212ミリもあったため、なかなかのサイズ感。フロントローディング方式で音楽CDはもちろん、CD+G規格のディスクも読み込めた。外観的には高級なCDプレイヤーと言っても差し支えない感じだっただろうか。
メガドライブ本体よりも高性能なCPUを備えていて、回転・拡大・縮小機能が使えるようになるほか、PCM音源を追加してサウンド面も強化。メガドライブを大幅にパワーアップできるといったメリットもあった。
当時、話題を呼んだゲームと言えばゲームアーツの作品が多かったように思える。とくに『ルナ ザ・シルバースター』と『ルナ エターナルブルー』はRPG好きにとっては羨望の的。窪岡俊之氏がデザインしたキャラクターが魅力的で、音楽やアニメムービーシーンも非常にかっこよかった。ほかにもポリゴンを使った3Dシューティングの『シルフィード』は、メガCDのマシンパワーを見せつけるのに十分なグラフィックだったと記憶している。マンガ家の竹本泉氏がキャラクターデザインやシナリオなどを手掛けた『ゆみみみっくす』もいい出来栄えだった。ナムコ(当時)の『スターブレード』もポリゴンを使った3D表現が当時としてはかなり新鮮で凄かったのを覚えている。
1992年4月24日には、メガドライブとメガCDが一体化したワンダーメガが発売。こちらはなんとカラオケ機能を備えていた。セガからの発売に先立ち、日本ビクター版のワンダーメガも発売されている。
1993年4月23日には、廉価版となるメガCD2が発売。初期型の49800円から29800円まで価格ダウンされたので、このタイミングで購入した人もいるだろう。