格闘ゲームブーム真っ只中でリリース。サターン初のミリオンセラータイトルに
1995年(平成7年)12月1日は、セガサターン用ソフト『バーチャファイター2』が発売された日。本日でちょうど発売から25周年を迎えた。
『バーチャファイター2』はセガ・エンタープライゼス(当時)から発売された、3D格闘アクションゲームの移植作。オリジナル版はセガ・AM2研(当時)が開発を行い、1994年11月から稼動を開始したアーケードゲームなのだが、これが凄まじいムーブメントを巻き起こしていた。
どこのゲームセンターも『バーチャ2』目当てのゲームファンで溢れ返り、異常とも言える熱気に包まれていて、世はまさに格闘ゲームブームの真っ只中といった風情。多くのスタープレイヤーも生まれ、彼らの試合を見るために遠くのゲームセンターまで足を運んだなんて人も多かったのではないだろうか。そんな作品の移植だったこともあり、本作はセガサターン初のミリオンセールを記録。サターン本体の普及にも大きく貢献したことは言うまでもない。
初代『バーチャファイター』は3D対戦格闘という新たなジャンルを生み出した傑作だが、見た目はいかにもポリゴンという感じで顔などもカクカクしていた。しかし『バーチャ2』では、テクスチャーマッピングを施したことで表現力が格段に向上。リアルなモーションだけでも十分な凄みを感じたが、見た目の美しさも加わってしまったのだから、その衝撃たるや筆舌に尽くしがたいものだった。
移植版である本作で注目されたのは、そんなビジュアルをサターンでどこまで表現できるかという点。当時の家庭用ゲーム機はアーケード版を遜色なく移植できなかったため、「あの美しいビジュアルで遊ぶのは無理か……」と思っていた人も少なくないはずだ。しかし、発売された本作の移植はすばらしい出来栄え。パイやラウ、舜帝の刺繍もしっかりと再現されていて、筆者などは思わず感動してしまったほどだった。
モーション関係も(恐らくプロ級のプレイヤー以外はわからないレベルで)完璧だったと思われる。移植版が発売された時点でもゲーセンは大盛況だったため、練習用として本作をプレイしていた人もいたんじゃないかな。筆者は確かゲームパッドで崩撃雲身双虎掌、通称アキラスペシャルを出せる境地に至った記憶があるのだが、いまとなっては定かではない……。
現在、『バーチャファイター2』はプレイステーション3及びXbox 360のダウンロード版、またはプレイステーション4やPCのPS Nowでプレイできる。ハードルが低いのは後者といったところか。『龍が如く5』や『龍が如く7』のプレイスポットでも遊べるので、こちらもオススメ。筆者は『龍が如く7』のゲーセンで懐かしい気分に浸りながら『バーチャ2』を遊び尽くした。
ちなみに、『バーチャファイター』と言えば、2020年9月の“東京ゲームショウ2020 オンライン”で、セガ60周年記念企画として“バーチャファイター×esportsプロジェクト”が発表。プロジェクトの詳細は不明で、続報の発表が待たれる。