エレクトロニック・アーツのサッカーゲームシリーズ最新作『FIFA 21』では、2020年12月4日(日付は北米基準)にプレイステーション5およびXbox Series X|S版を発売する。
今回、発売に先立ってオンラインで行われたプレゼンテーションに参加してきたので、その内容をご紹介しよう。
プレイヤー描写の新たなリアリズム
今世代での進化は、プレイ面よりもビジュアル面の比重が大きいものとなっている。例えば選手の3Dモデルでは、髪の毛などがストランド(毛の束)ベースの処理に変更。髪の流れや質感の違いを微細に表現できるようになっているほか、リプレイ時などにアップにすると選手の動きに合わせて飛び出した髪が少し揺れている様子が見られたりする。
キック時の筋肉やボールの圧縮なども表現
また細かい部分では、ボールのキック時の脚の筋肉の盛り上がりや、インパクトによってボールが変形するといった様子も描写される。ただし、ボールの変形によってシミュレーションが影響されて軌道が変わるとか、インパクト時の描写のためにボールが離れるのが遅れてレスポンスが悪くなるといったゲーム的な影響はない模様。
パスコースを指示したりレガースを直すなどのオフボール時の仕草も
オフボール時のプレイヤー描写も細かくなっており、手振りでパスを展開すべきコースを指示したり、試合終盤にずれてきたレガースを直すといった、実際の試合中に見られるような仕草をするようになっている。
新たなゲームカメラ視点と、次世代のライティング&スタジアム演出
人によってプレイに影響してきそうなのが、試合中の新たなカメラ視点の追加。これはメインスタンド中腹から広角にピッチを幅広く捉えた実際の試合中継により近いものとなっており、見た目はかなりそれっぽい感じ。気分が燃えるというだけでなく、より大胆なロングボールの仕掛けをやりやすくなるだろう。
ただしこの手の視点ではよくあることだが、両ゴール前の攻防はカメラを左右にパンさせて映す形となり、斜めに角度がついて見えるので、ゴール前でごちゃつく展開に対処できるようになるには慣れが必要そうだ。
また演出の点では、タイムアップ直前のゴールなどのセレブレーション演出が強化され、ベンチメンバーも含めてもみくちゃになるようなシーンが入ってくるほか、スタジアム内のライティングなども一新。
そして試合開始前に空のスタジアムに徐々に客が入っていく様子が見られたり、リーグによってはカラーの発煙筒が焚かれるといった演出も。
Q&Aではコロナ禍での無観客試合を再現できるかといった質問も出たが、「現実味のある描写をしていきたいとはいえ、あくまでベストな形で行われる試合を見せたいので」と、こちらは対応しないそう。個人的には独特な雰囲気の中で行われる無観客試合を選べたら面白そうだったが……。
より密度の高いプレイ感を実現。DualSenseのハプティクス等にも対応
プレイ感に関わってくる部分の進化もある。ボールをトラップしてからドリブルでコントロールしていく際のモーションが細かくリアルになり、見た目上の反応もよく流れるようなプレイ感でゲームを進められるようになるという。
そして競り合いの処理もより細かくなって、ボールやポジションを巡ってお互いに引っ張ったり押したりする攻防が、よりはっきりとした形で行われる(比較動画を見たのだが、確かに旧世代版のごちゃっとした感じの競り合いと比べるとより現実に近いものになっていた)。
右足で蹴るとDualSenseの右側が振動、疲労するとトリガーが重く
そういった競り合いの攻防やシュート時の反動などは、プレイステーション5版ではDualSenseコントローラーのハプティクス機能を通じてプレイヤーに伝わる。右足で蹴ったり競り合いで右側に衝突が発生すれば右側に、強ければそれだけ強く振動で伝わるようになっているそうで、これは早く触ってみたいところ。
また海外PS Blogに掲載された記事によると、選手の疲労が溜まってくるとアダプティブトリガーが重くなるといった機能も。ちなみにこれらの機能はオプションからオフにすることもできる。
無償アップグレードに対応する一方、クロスプレイは非対応
最後に、旧世代版の所有者に関連する部分もおさらいしておこう。
本作の発表時点で明かされていた通り、新世代機版はそれぞれプレイステーション4版とXbox One版からの無償アップグレードに対応しており、次作『FIFA 22』の発売までは例外となるケース(※)を除き無料で移行できる。
(※ゲームを購入したのが旧世代版のディスク版なのにディスクドライブがない次世代機を買っている場合など。詳細は公式FAQを参照のこと)
一方、プレイデータの移行に関してはモードによって異なり、FUTモード(Ultimate Team)とストリートサッカーのVoltaモードの進行状況や獲得コンテンツのみ。キャリアモード勢の筆者としては大変悲しいのだが、キャリアモードやプロクラブモードなどのデータは移行できない。
またプレイステーション4版とプレイステーション5版間、Xbox One版とXbox Series X|S版間のような世代間クロスプレイには対応していないというのも注意しておくべきポイントだ。