“ファブラ ノヴァ クリスタリス”のひとつとして生まれたアクションRPG
『ファイナルファンタジー零式』はもともと『ファイナルファンタジーXIII』と同様に、“ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジーXIII”という神話をもとにした作品として、『ファイナルファンタジー アギトXIII』として携帯電話用アプリとして発表されていましたが、2011年1月にタイトルが変更。プラットフォームもPSPになりました。
本作では“オリエンス”を舞台に、四カ国間の戦争と、それに立ち向かう若者たちのドラマが描かれていきます。
ストーリーの内容はネタバレになるため詳しくは語りませんが、戦争が題材になっているだけにハードなものでした。本作にはクリスタルの影響によって“死んだ人間の記憶が思い出せなくなる”という設定があり、それが物語をさらに切なくさせる要因でした。クリアー後に流れるBUMP OF CHICKENの主題歌『ゼロ』も見事に世界観を表現していて素晴らしかったです。
ゲームは魔導院ペリシティリウム朱雀の0組(クラスゼロ)に所属するキャラクターたちを操作してミッションに挑むアクションRPG。操作できる14人のキャラクターは性能が異なり、使う武器も弓や槍、ナックル、カード、笛など、それぞれ違うため、操作するキャラクターを変えれば新鮮にバトルを楽しむことができます。
バトルの難易度は全体的に高めですが、レベル上げによる成長要素もあるため、アクションが苦手な人でも楽しめるようになっています。また、隙があるときに敵に大ダメージを与える“ブレイクサイト”や一撃で敵を倒せる“キルサイト”があり、これらを駆使するのも攻略のテクニックでした。
キャラクターの使えるコマンドは通常攻撃のほか、“アビリティ”や“魔法”など『ファイナルファンタジー』シリーズおなじみのものが登場。さらに“軍神”のコマンドではイフリートやバハムートなどのおなじみの召喚獣を呼び出すことができ、自分で操作することが可能でした。
また、操作キャラクターたちは美形揃いですが、性格は情熱的だったりクールだったりと個性的です。豪華な声優陣は過去の『ファイナルファンタジー』シリーズでもキャラクターの声を担当していた人も多いのでファンならニヤリとするハズ。ちなみに自分はメガネッ娘のクイーンが好きでした………。
2015年にはプレイステーション4、Xbox One、PC(Steam)で『ファイナルファンタジー 零式 HD』が発売されました。HDになってキャラや背景が綺麗になっているほか、バトル部分も多数の調整が入っており遊びやすくなっています。PSP版にあったマルチプレイはなくなりましたが、そこで得られたものはソロで入手できるようになっているので、当時プレイしていなかった人は、ぜひこのHD版でプレイしてみてもらいたいです。