カプコンが手掛ける新作スマートフォン用ゲーム『ロックマンX DiVE』が、いよいよ2020年10月26日から配信開始となる。
本記事では、『ロックマンX DiVE』のゲーム内容を担当ライターのプレイレビューを交えて公開します。さらに、本作を手掛けるプロデューサーから届いたメッセージも掲載。さまざまな角度からゲームの魅力を紹介していきます。
簡単操作で爽快感バツグン! 『ロックマンX DiVE』のアクションは誰でも楽しめる!
『ロックマン』シリーズは元祖も『X』も大好き、リプ斉トンです。いちばん好きなシリーズは『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』です(聞いてない)。
『ロックマンX』は『ロックマン』に続くふたつ目に登場したシリーズタイトルで、新主人公エックスが活躍。ナンバリングタイトルは、8作目までが発売されています。『ロックマンX8』が発売されたのが2005年のことなので、なんと15年ぶりの最新作! ファンとしては、胸が踊ります。
本作では、主人公となるのはエックスではなくプレイヤー自身なのが特徴です。舞台は『ロックマンX』のデータが保存されている“ディープログ”という世界。謎のバグによりディープログに保存されているデータがメチャメチャになってしまったため、プレイヤーはナビゲーターのリコのサポートのもと、データの修復をするというのが本作のストーリーとなっています。
このままでは、これまでのプレイヤーが遊んできた『ロックマンX』の思い出がすべて消えてしまうとのこと。筆者が『ロックマンX』で波動拳パーツが入手できたときの感動の思い出まで消えてしまったら、さあたいへん。早速ディープログの修復に向かうとします。
ゲームは、ディープログに保存されている原作のキャラクターのデータを呼び出し、プレイヤーキャラクターとして操作できるのが特徴。エックス、ゼロ、アクセルはもちろんのこと、敵キャラクターだったシグマや、歴代の女性キャラクターなどを操り、ステージを攻略することができるんです! 宿敵シグマをキャラクターとして操作できるのは感慨深いという人も多いのでは。
本作のメインとなるのは、過去の『ロックマンX』シリーズのステージを攻略していくアクションパート。ステージは計6つに分かれており、最後にはボスキャラクターとのバトルが用意されています。クリアーすれば、さらに先のステージに挑戦できる形式ですね。
スマートフォンの画面でアクションとなると、細かい操作はやり辛いのでは? と思う人もいるかもしれません。『ロックマンX』は、素早い操作、細かい操作を駆使して敵と戦っていく本格アクションゲーム。筆者もスマートフォンでの操作でそれらの醍醐味を発揮できるのかと思っていましたが、プレイをしてみたら、それは杞憂だったと気づかされました。
画面に表示されている各ボタンの感度は絶妙で、移動ボタンは操作を受けつける領域が広く、キビキビと動き回ることができます。各アクションのボタンは画面右にまとまっており、ひとつの操作からつぎの操作に移りやすい印象でした。
また、ボタンは指のスライド操作にも対応しているのが注目ポイントです。たとえば、ダッシュしている状態でジャンプをしたい場合は、ダッシュボタンからジャンプボタンに指をスライドさせれば操作を受けつけてくれます。いちいち指を画面から離して、再度ボタンをプッシュする必要なく操作を受けつけてくれるという仕組みです。細かいようですが、“ボタンを押す”という操作では刹那の操作切り換えが間に合わず、思わぬ被弾をしてしまうこともしばしば。素早い重要なアクションゲームのため、こういったシステムは非常にありがたく感じました。
さらに、攻撃アクションについても、新たなお役立ち機能を搭載。『ロックマン』シリーズは、基本的には真横方向にのみ攻撃ができる(武器によっては違うけど)というのがお約束でしたが、本作ではそのシステムを一新。敵をロックオンする機能が備わり、敵の方向目掛けて攻撃が放てるように。上方向やナナメ方向にも攻撃が可能になっています。また、攻撃をしたときに自動的に敵がいる方向に振り向いてくれる機能も! 近づいてくる敵の迎撃にモタつくということはなさそうです。
本作では過去シリーズよりもひと画面に出てくる敵の数が多い印象ですが、序盤は数発でザコ敵を撃破できるため、サクサクと敵を破壊でき、爽快感はバツグン。これらの機能のおかげで、サクサクと敵を倒しながらスイスイと移動ができるのが非常に楽しい。アクションが苦手という人にも遊びやすい仕組みだと思いました。
また、本作のもうひとつの特徴が、武器が装備品として登場する点。武器はキャラクターごとに固定ではなく、入手したものを使い分けることができるんです。同じキャラクターでも異なる武器を装備して異なるアクションで攻撃したり、鍛えた武器をほかのキャラクターに使い回すことができます。
キャラクターの攻撃力は武器の性能に左右されます。そのため、新しく入手したキャラクターでも、武器を使い回せばすぐに活躍できるというわけ。新しくキャラクターを入手したら、武器を装備させればすぐに活躍できるのはうれしいところですね。
鍛えて挑んで……挑んで鍛えて!
続いては本作の育成要素について解説。本作では、さまざまな要素で入手したキャラクターを強化できるようになっています。キャラクター本体には“スキル”が備わっており、キャラクターのランクアップを行うと少しずつ解放されていきます。アイテムを消費すれば、スキルの効果をさらに高めることが可能です。
また、武器についてもレベルを上げたり、チューンナップすることで性能を高めることが可能。武器にはレアリティの概念がありますが、武器によって個性があるため、レアリティが高いほうが優れているということはないと感じました。
そのほかにも、“アーマー”を装備させれば、キャラクターの能力を底上げすることができます。このアーマーも着脱が可能で、能力を鍛えることが可能です。
ゲームをやり込んでいくとこれらの絶妙なチューンナップが重要になると思いますが、とりあえずひとつの武器を集中的に鍛えれば序盤から中盤まではなんとかなりそう。ひとりのキャラクターを集中的に鍛えてもいいし、まんべんなく鍛えても攻略に詰まらないように調整されていると感じました。絶妙なバランスです。
本作には、メインのストーリーが展開するステージに加え、徐々に難度が上がるステージの登頂を競う“ヤコブタワー”、歴代のボスと戦える“BOSSチャレンジ”、ほかのプレイヤーとの協力・対戦プレイなどなど、さまざまなモードが用意されています。
モードによって入手できる素材が異なるので、いろいろなモードに挑戦してキャラクターを強化し、鍛えたキャラクターでさらなるモードに挑戦する……というのが、本作のプレイサイクル。ほかのプレイヤーと競う要素もあるので、コアなユーザーにとっては奥深い育成が楽しめそうです。
元気印のナビゲーター、リコ役の上田麗奈さんにインタビュー! さらに、プロデューサー橋本氏にゲームの魅力を聞く!
本作でプレイヤーのナビゲート役として活躍するリコ役を担当する、上田さんへのインタビューを掲載。担当声優が語るリコの魅力を見れば、さらに彼女を愛でたくなるはず!
また、本作のリリース開始を記念し、プロデューサーを務める橋本氏からのコメントを掲載。『ロックマンX』シリーズ最新作のコンセプトや魅力をうかがった。
上田麗奈さん(リコ役)
“81プロデュース”所属。代表作には、『鬼滅の刃』栗花落カナヲ役、『ハナヤマタ』関谷なる役など。
橋本賢一氏
カプコン『ロックマンX DiVE』プロデューサー。
上田麗奈さんへの一問一答
――リコ役を担当されると決まったときのお気持ちを教えてください。
上田歴史ある作品のナビゲーターを任せていただけるなんて、うれしいと同時に驚きも強かったです。そしてゲームを開始して最初に流れるのがリコの声ということだったので、ポジティブな聞き心地になるようにがんばりたいと思いました。
――リコの第一印象を教えてください。
上田キャラクターのイラストを拝見したときは、しっかり者な印象を受けていました。でも台詞を読んでいくと、実際はすごく快活で豪快な子なんだなということが分かってきて、ギャップにきゅんとしました。
――リコを演じるときに気をつけていることはありますか?
上田とても明るくて元気なキャラクターなので喜ぶときや落ち込むときも全力で! つねにポジティブな空気をまとっていられるようにがんばりました。
――リコのセリフで、印象に残ったものは?
上田プレイヤーさんのことを、このゲームでは「プレーヤさん」と呼びます。初めての呼びかたでしたし、とてもおもしろい響きだったので、すごく印象に残っています。
――本作でとくに気になったキャラクターはいますか?
上田リコが最初に呼び出すハンタープログラムでもあり、やはり『ロックマン』といえば! というところで、エックスが印象に残っていますね。その姿を見ただけでも、童心に帰れます。
――本作は王道のアクションゲームですが、アクションゲームはお得意なほうですか?
上田じつは、アクションゲームは得意ではないんです(笑)。ふだんは、ゆったりのんびりできるゲームをプレイすることが多いです。
――『ロックマン X DiVE』の配信開始を楽しみにしているファミ通読者に向けて、メッセージをお願いします!
上田まもなく配信開始となります。ゲーム内のさまざまなシーンでリコが皆さんをサポートさせていただきますので、いままで作品に触れたことがある方も、はじめましての方も、ぜひいっしょに『ロックマンX DiVE』の世界を冒険しましょう!
プロデューサー橋本氏への一問一答
――本作のコンセプトやアピールとなる部分を教えてください。
橋本本作はカプコン台湾が開発を担っていますが、日本のカプコンと連携して進めているプロジェクトになります。私は日本版のプロデューサーを担当しています。本作のコンセプトは、“スマホでいつでもどこでも手軽に本格アクションができる『ロックマンX』”。そして、“『ロックマンX』のおもしろさをたくさんの人に知ってもらう”というものを大きく掲げています。さらに、“『ロックマンX』でこんなことができたら、どんどん実現させていこう!”というコンセプトも共有しています。“こんなことができたら”という部分は、いろいろなキャラクターのプレイヤー化や協力プレイ、対人戦などがあり、本作のifの世界観ならではの要素となっています。
――海外ではすでにリリースされている本作ですが、日本のマーケットと比べてユーザー層やプレイ頻度など、スマートフォンゲームのプレイ環境などでの違いは感じますでしょうか。
橋本もっとも感じた違いは、海外では協力プレイよりも対戦プレイのほうが参加率が高いというところです。より上位の方は、スキルの倍率や組合せを研究し、どうすれば勝てるかを討論されて対戦を楽しんでいただいています。また、台湾のみですが、外でスマホゲームをプレイするという行動が、日本に比べて市民権を得ている印象です。キャラクターでいえば、日本では話題になった“夜祭のゼロ”の“ソーラン節”の演出ですが、海外ではこの演出に困惑されている方が多いように感じたのが印象的でした(笑)。
――さまざまなハンターを操作キャラクターとして使えることが魅力となる本作ですが、そういったシステムにしようと思われたアイデアはどんなところから生まれたのでしょうか。
橋本先ほどお話ししたコンセプトのなかに、いろいろなキャラクターのプレイヤー化がありました。これは開発チームが企画立案段階から考えていたアイデアになります。本作の舞台である電脳世界では、敵・味方・ハンター・オペレーターなども関係なく、過去シリーズ作品ではプレイアブルではなかったキャラクターも操作できるようになっています。
――ハンターがさまざまな武器を装備して戦うというのはシリーズでも珍しいシステムだと思われますが、そういったシステムを入れようと思われた経緯があれば教えてください。
橋本これについても “こんなことができたら!”がベースになっています。「エックスがライフルを装備してダッシュジャンプしたら!?」、「ゼロがガトリングガンを装備して……」、「シナモンがバスターを装備して……」といった夢が実現できます。キャラクターも武器もディープログで呼び出したプログラムですので、こちらの組み合わせも無限大です。
――『ロックマンX』をスマートフォンゲームに落とし込むことについて、苦労された点や注意した点があれば教えてください。
橋本本格爽快アクションの実現を、ゲーム内のすべてで体感していただけるように取り組んでいます。すでに『ロックマンX』を知っているファンの方でも初めての方でも、本作のどこを切り取っても“『ロックマンX』は、本格爽快アクションゲームである”ことを感じていただけると思っています。
――スマートフォンでアクションゲームを操作するのは難しいというイメージがありますが、本作はキャラクターのコントロールがしやすく、機敏なアクションもやりやすいと感じました。アクション面や操作性について、こだわりや開発するうえで注意された点などがあれば教えてください。
橋本とにかく、『ロックマンX』のゲームを作るなら、アクション要素はひとつも落とすことなく盛り込まなければいけないという理念で開発しています。操作性を重視するべく、難しいと思われるアクション、たとえば壁蹴りやダッシュジャンプを削ったほうがいいのではないかという議論もありました。ですが、その爽快かつスピーディーなアクションを再現するため、滑らかに操作できるようにトライ&エラーをくり返し、完成に近づけていきました。操作感だけでなく、ボタンの位置調整や大きさの変更、透明度調整なども自由にカスタマイズできます。極力ストレスを感じさせず、思いっきり『ロックマンX DiVE』を楽しんでいただこうという思いでチーム一同開発を行っております。
――ゲーム中には、他の『ロックマン』シリーズのキャラクターも登場していますが、今後もタイトル間のコラボレーションも行っていくのでしょうか。
橋本『ロックマンX』のファンの方にはもちろん、『ロックマン』や『ロックマンX』を初めて知ったという方にも喜んでいただけるように、今後も敵側のキャラクターや、他シリーズのキャラクターはコラボレーションという形で登場していきます! 本作は『ロックマンX』シリーズのストーリーとは異なるifの世界観のゲームなので、可能性は無限大です。
――いよいよリリースを迎える本作ですが、最後にファンに向けてメッセージをお願いいたします。
橋本日本の皆さまには、海外リリースから長いあいだお待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。しかし、日本からたくさんのご要望を頂戴したおかげで、皆さまのもとへお届けすることができることになりました。本作は「『ロックマンX』ってこんなにおもしろいんだよ!」というのを多くの方に伝えたいという思いで開発したタイトルになります。本格アクションをうたっていますが、初めて『ロックマンX』を知る方や、アクションゲームが苦手な人にも、スイスイとプレイできる体験を提供できると自信を持っています! すでに『ロックマンX』のファンの方には、どういった形で多彩なアクションの数々がスマートファンに落とし込まれたのかを確認していただきたいと思います。本作ナビゲーターのリコに誘われるがまま、ぜひ『ロックマンX DiVE』の世界にダイヴしてみてください!
キャラクターの育成要素を携え、これまでにない遊び心地のアクションゲームへと進化した『ロックマンX DiVE』。ほかのプレイヤーとの対戦要素もあり、コアユーザーの切磋琢磨が予想されますが、ひとりでまったりとアクションを楽しむこともできます。
いよいよ2020年10月26日よりリリース開始となります。久々のシリーズ作ということで、かつてのファンの方も、ぜひプレイしてみてください。あのころの思い出が、ディープログで蘇るはず!!