世界的に人気のPC用オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』の開発・運営で知られるライアットゲームズ。同社のオンラインFPS『VALORANT』では、2020年10月14日に開始する新シーズン・ActIIIに向けて、メディアとインフルエンサーを招待してのオンライン体験会が開催された。
来たるActIIIでの大まかな追加要素や変更点は3つ。新エージェントと新マップの追加に加えて、コンペティティブの仕様に変更が加わるというものだ。ここでは新たに参戦するエージェントに焦点を当てつつ、そのほかの2要素についても紹介したいと思う。
新エージェントはサポート型
スカイ(イニシエーター)
新エージェントの名は“スカイ”。勇猛なオーストラリア出身の戦士で、戦闘エリアで戦う味方をサポートする。10月28日に実装予定だ。
ガイディングライト(Eキー)
鷹を操り炸裂させることで、効果範囲内の敵の視界を奪うことが可能。鷹を操作するときはラジコンのように使用するため、操作性にやや難アリ。効果範囲はかなり広く、体をさらけ出している敵にはほぼ確定で目眩ましの効果が生じる。ボックス越しの牽制や、定点スナイパーに対して使用すると戦局を有利に進められるかもしれない。
ただし、鷹の操作時にその場で立ち尽くすことになるので、反撃されないようにカバー要員がほしいところ。
なお、敵に効果を与えると専用のボイスとして「BLINDED!(眩ませた!)」というセリフが流れ、不発であれば何も喋らない。この音声を判断基準として、つぎの行動に移るとよさそうだ。
ガイディングライト
トレイルブレイザー(Qキー)
狼を召喚して操作するアビリティ。発動時に召喚した狼の視点で操作でき、敵を攻撃可能。
この能力が本領発揮するのは前線での索敵用途としてだろう。というのも、動きの素早い狼を操作することで敵の配置状況を探ることができ、さらにテレポートゲートも利用できるのだ。使いかた次第では敵を丸裸にできる可能性がある。
トレイルブレイザー
リグロース(Cキー)
周辺の味方のみを回復させるアビリティ。マウスクリックをし続けることで円形状の効果範囲が広がり、その中にいる味方に効果を及ぼす。ただし、対象となるプレイヤーはSKYEから体の半分以上が見えてなければならないため、壁越しや遮蔽物を隔てた味方には効果がない。
使用中は画面下部に表示されるゲージを消費してしまうため、多用しすぎると肝心な場面で使用できず……なんてこともあるかもしれない。なお、自分を回復することができない点には要注意。
リグロウス
シーカー(Xキー)
発動させると索敵をしながら一定時間浮遊する物体を召喚するウルト。この物体は敵がいそうな場所へと飛んでいき、補足されたプレイヤーは接触するか効果時間が途切れるまで追尾され続ける。接触してしまったプレイヤーは一定時間、視界が不良状態になり、敵にアドバンテージが生じてしまう。
シーカー
“アイスボックス”は交戦距離が短いガチンコマップ!?
10月14日から導入が始まり、コンペティティブでは10月28日から登場予定の新マップ“アイスボックス”。開発者は、このマップのために過去数ヵ月間に渡って注力してきたという。
全体の構造を見てみると、これまでのマップと比べて交戦距離が近く感じられそうだ。ターゲットエリアどうしをつなぐ通路がほかのマップとくらべてワイドスペースになっている印象。AサイトとBサイトは高低差のある障害物が多数設置されているため、これまで以上にクリアリングや連携が要求される。攻守ともに難しそうだ。
アイスボックスへ // 新マップ紹介 - VALORANT
ここではアイスボックスの名称と攻防の要となりそうな場所を写真で紹介する。
そのほかのスクリーンショット
コンセプトアート
ランクシステムをアップデート
これまで開発陣にはユーザーからランクシステムについて多数の意見が寄せられてきた。そこで、ActIIIではマッチングされるプレイヤーのランクの差を6から3へと変更。これまでは実力差が開いたマッチングが発生しやすい問題を抱えていたが、幅を狭めることで解決を図りたいということだろう。
そして、ランク“イモータル”以上になると、ランクの変動は勝敗差により影響される形式に。この勝敗差によるランク変動は試験導入段階となっており、結果によっては2021年に予定されているエピソード2ですべてのランクに適応することも検討中だ。
また、サーバーの選択機能が新たに追加。ただし、マッチングの円滑化等のために、必ずしも選んだサーバーでプレイできることを約束するわけではないとのこと。
Act III コンペティティブの変更 | Dev Diaries - VALORANT
精力的なアップデートに期待大
以上がActIIIにおける大きな追加要素と変更点となる。サポート能力に優れた新エージェント・SKYEの実力は未知数ではあるものの、『VAROLANT』の世界で新たな息吹となるのではないだろうか。
新マップは交戦状態に至るまでのプロセスに変化が見られるため、これまであまり使用されなかったエージェントが日の目を見る機会があるかもしれない。プロプレイヤーがどう戦略を組み立てていくのか、早く見たいものだ。
ランクシステムに関しては、今回のテストサーバーではマッチング機能がなかったので正直なところは不明である。ただ、実力差がでかい相手と当たることで心が折れてプレイを辞めてしまうということが起こりにくくなるのであれば、歓迎すべき変更点と言えるだろう。
なお、今回の記事では動画撮影等に数々のeスポーツ大会でキャスターを努めているOooDa氏(@OooDa)に協力していただいたことに謝意を述べておきたい。
ローンチからまだ間もないとも言える『VAROLANT』。精力的にアップデートを重ねており、何としても市場のシェアを取りたいという意思がハッキリと見えている。新たに訪れるActIIIはもちろん、2021年に予定されているエピソード2にも注目していきたいところだ。