子どものころ、ゲームの攻略本に描いてある武器のイラストを眺めるのが大好きでした。いろいろな形の武器にワクワクしましたし、なんなら学校で使っていたノートにオリジナルの武器を描いていた覚えもあります。うっ……軽く中二的黒歴史が脳裏をよぎって心にダメージを受けましたが、振り返ってみると、どうもそのころから武器のロマンに魅了されていた気がします。
こんにちは、ライターのコウです。iOS、Android向けシミュレーションRPG『Zold:Out~鍛冶屋の物語』は、そんなロマンあふれる武器を自分で作り出し、それを手に冒険に繰り出すシミュレーションRPG。自分で使う武器を作るとか、個人的に燃えポイントですぜ!
本作の開発は、3方向へ流れる画期的な譜面が話題を呼んだ音楽ゲーム『Dynamix』などを手掛けたC4Catが担当。斬新な発想とやり込みの深さでひと味違った体験をプレイヤーに届けようとする、C4Catらしいタイトルとなっています。
現実の人間に近い姿をしたオヴェン族、プライドの高い翼人族、人との関わりを嫌うエルフ族などなど……。さまざまな種族が混在する世界が舞台となる本作。
倒産の危機に瀕した鍛冶屋を営む2人の主人公が、店を繁盛させるためにさまざまな施策に挑むものの、なにやら大事に巻き込まれていき……といったストーリーが展開します。
キャラクターと武器を組み合わせて自分だけの戦術を生み出そう!
さて、本作の遊びのメインとなるバトルですが、戦略性と爽快感のバランスがよくとてもおもしろい。というのも“一枚のフィールドマップにチームを出撃させて敵をすべて倒せばクリアー”というSRPGの基本を踏襲しつつ、“武器をデッキ化して使う”という独自性が組み込まれているんです。これによってカードゲームのような構築の楽しさが加わってやりごたえのあるバトルになっているのですが、「突然言われてもナンノコトヤラ」だと思うので、順を追って説明していきます。
まず、本作の武器はカードゲームでいうカードに相当し、各々に威力や射程、追加効果が設定されています。各キャラクターには10個の装備枠があり、そこに武器をセット。そして、バトルでは“出撃したキャラクター(最大4人の1チーム)が装備している武器のすべてを1つのデッキとして扱う”という感じです。バトル中は、デッキからランダムに抽出された6枚を手札にして戦い、消費したカード枠は次の味方の行動時に自動的に補充。デッキ自体も武器がなくなりしだい補充されます。
武器には、剣・弓・杖・魔導書の4つの種類があり、それぞれで“近距離攻撃が得意”“詠唱が必要だが強力な範囲攻撃が可能”といった特徴があります。
装備できる武器種はキャラクターごとに決まっていて、使いたい武器種やキャラクターを選んでチームを編成していきます。キャラクターにも奥義や特技といった個性があるので、個性と武器の性能を見つつシナジーを考えながら武器をセットしていくのですが、これがまた楽しいんですよ! 個人的には、チームのバランスを考えている時間がいちばん楽しいかもしれません。
シナジーの例を挙げると
- 武器使用時に敵をノックバックさせるキャラクター&踏むと大ダメージの地雷を設置する武器→敵の真後ろに地雷を設置して即座に踏ませる
- 武器使用時にHPを回復するキャラクター&防御力をアップさせる武器→敵陣に突っ込ませて囮にする
といった具合です。もちろん、キャラクター同士のシナジーもあるので、チーム全体でコンセプトを決めるのもアリ! デッキに込められた作戦がうまく機能したときの達成感は、かなりものもですよ。
バトルの話になったので、このままバトルシステム全体の話もしていきましょう。まず、本作はいわゆる行動コスト制のバトルを採用しています。敵味方含めたバトルに参加しているメンバーは各々が最大12の“行動値”を持っており、移動や武器使用で消費(コスト)します。消費した行動値は、ほかのキャラクターが行動するたびに1ずつ回復。行動値が12まで回復したら、再度行動可能になります。
要は、“使ったぶんだけ次の行動が遅くなるシステム”ですね。これによって、“強力な攻撃がきそうだから、今回は行動を抑えて次の攻撃に備える”といった戦略性が生まれています。また、その行動値を増減させる武器や状態異常もあるので、上手く扱えば戦場のコントロールすら可能に!!
鍛冶屋なんだから武器を作ってナンボでしょ!
バトルで使用するチームやデッキはどのようにして作っていくのか。そこで出番となるのが、冒険の拠点となる鍛冶屋です。鍛冶屋はいわゆるメインメニューの役割を担っていて、武器鍛造やキャラクターの雇用(ガチャ)、レベルアップ、チームの編成などが行えます。
本作は鍛冶屋がテーマということで、武器鍛造も重要な要素。もちろん、武器を作るためには設計図や必要な素材といったアイテムを集める必要があり、それらを集めるのが現状での主な周回要素になりそうです。
必要なアイテムを手に入れたら、メインメニューから鍛造炉に向かって作りたい武器を選択すればオーケー。あとは自動的に武器が鍛造されていきます。なお、武器鍛造にはランクに応じたリアル時間経過が必要になります(アイテム等で短縮可能)。
さらに通常のもの以外にも、“復元”と“専用武器製作”という特殊な武器鍛造が存在します。まず復元ですが、これはボスなどが落とす“破損した○○○(武器名)”というアイテムを元に特殊な武器を鍛造するというもの。ボスが落とすレア素材を使うのでカンタンにはいきませんが、作ることができれば心強い味方となってくれます!
もう1つの専用武器は、その名のとおり特定のキャラクターにのみセット可能な武器。使用自体は他者も可能ですが、対応したキャラクターが使えば+αの効果を発揮します。こちらは、ガチャ等で雇用済みのキャラクターがダブった際に特殊素材を入手。それを使うことで鍛造が可能です。
デッキ構築とコスト制が奥深いバランスを生み出した良作SRPG
本作は“キャラクターと武器のシナジーを考えつつデッキを組み、SRPGとしてのバトルを楽しむ”のがメインの作品。デッキ構築とSRPGの画期的な組み合わせは他ではなかなか味わえない魅力が詰まっているので、ぜひダウンロードして遊んでみてください。超オススメですよ!!
最後に、それなりにやり込んだ俺によるちょっとした攻略情報を掲載して本レビューを締めたいと思います。ではでは。
初心者向け基本攻略情報
キャラクターのレベルはイベント画面にある“筋肉師匠の道場”で上げよう
本作は、キャラクターのレベルによる恩恵が非常に大きいです。レベルを上げるための経験値稼ぎ手段としては、バトルをクリアーする・特定のアイテム(+資金)を使うの2つがあります。基本的に後者のほうが効率がよいので、レベルを上げたい場合は経験値獲得用アイテムの入手を目指しましょう。
その際に利用したいのが、イベント画面にある“筋肉師匠の道場”。クエストの推奨レベルに対して敵が弱く、クリアーすると多くの経験値獲得用アイテムが手に入るのでオススメです。ちなみに資金は、同様にイベント画面で月・金・日曜日に挑める“怪盗ひよこアジト襲撃”を活用しましょう!
ちなみに、キャラクターの奥義や特技のランク上げに使う強化アイテムや武器鍛造の素材が手に入るイベントも、曜日替わりで開催されています。これらのイベントは1クエストにつき1日5回まで挑戦可能。また、挑む際には“古い飛行船の鍵”というアイテムを消費しますが、これは1日8つ補充されます。それ以上挑みたい場合はデイリーミッションや課金等で入手可能な“飛行船の鍵”が必要です。
フィールドにある宝箱や手記を入手しよう
特定のクエストでは、バトルのフィールドに宝箱や手記が落ちていることがあります。宝箱は一定回数攻撃することで破壊でき、中身をゲットできます。
手記はフィールドに直接落ちているので、味方をその上に移動させればオーケー。手記を入手すると、世界観がわかる小話を読むことができます(入手後はメインメニューの設定で読み返せる)。
各章の難易度ノーマルのクエストをクリアーすると仕事派遣が開放
メインシナリオで各章をすべてクリアーすると、その地方の仕事派遣も同時に開放されます。仕事派遣は、キャラクターを派遣することで一定時間ごとに素材やお金などを入手できるシステム。一度設定しておけば自動で稼ぎを行ってくれるうえに、デイリーミッションの課題にもなっているので有効活用しましょう。
ちなみに、派遣拠点のレベルを上げると、よりよい派遣先が選べるようになります。拠点レベル3以上は、難易度ハードをクリアーすることで開放されます。
クエストのサブターゲットを全達成するとスキップが可能に!
各クエストには3つのサブターゲットが用意されていて、これをすべて達成するとクエストの掃討(スキップ)ができるように。スキップすると、経験値は入りませんが敵を倒した際に得られる素材や資金などがバトルをせずに入手できます。
スキップは1日10回まで無料、それ以上(最大25回)のスキップには“掃討券”が必要となります。なお、スキップでは宝箱から手に入るアイテムは入手できないので注意!
有料だけど永続カードは超オトクなのでオススメ!
本作のいわゆるガチャ石に相当するのが、“虹の鋼”というアイテム。この虹の鋼は、ガチャチケットだけでなく資金や掃討券、飛行船の鍵の補充など、かなり多くの用途に使えるので、いくらあっても困りません。
そこでオススメしたいのが、ショップ→セットパックにて1600円で購入できる“永続カード”。これを購入すると、ゲームを続けていく限り毎日100個の虹の鋼が受け取れます。しかも、1回買えば永続ですよ永続。本作に触れてみて気に入ったという人は、購入を検討してもよいかと思います。そこまで高い買い物でもないですしネ。