Amazonがクラウドゲームサービス“Luna”を発表。まずは北米で招待制のアーリーアクセスを開始する。月額定額のサブスクリプションサービスとなっており、アーリーアクセス中は“Luna+”と呼ばれるランクのサービスが月5ドル99セントで提供される。

 対応プラットフォームは、PC/Macおよび自社製品であるFireTVデバイス、そしてiPhone/iPadでもSafariブラウザを通じてのプレイが可能だという。解像度は1080Pで秒間60フレームのプレイが可能で、今後の4K対応も予定する。サービス概要などは以下。

  • まずは北米から招待制で開始
  • 対応プラットフォームはPC/Mac/FireTV(専用のネイティブアプリ)、およびiPhone/iPad(Webアプリ経由)
  • 1080P/60fpsで、10メガビット/秒の通信速度が必要(今後対応予定の4Kは35メガビット/秒)
    • 1080Pでのプレイ時は1時間あたり10GBの転送量
  • 基本のLuna+メンバーシップはアーリーアクセス期間中は毎月5ドル99セントで提供
    • 時間制限なしでライブラリーに含まれるゲームを遊び放題のサービス
    • 1つの契約で同時に2デバイスまでプレイ可能
  • 独自チャンネルとしてユービーアイソフトチャンネルが発表
    • DLCを含むアルティメット・エディションの対応タイトルを遊べる
    • 1つの契約で1デバイスまでのプレイ
  • Lunaアプリ内にAmazon傘下のゲーム配信サービスであるTwitchのゲーム配信が組み込まれており、対応ゲームの配信を視聴したりプレイを始めたりできる
  • 対応コントローラーは独自のLunaコントローラーおよび、Xbox Oneコントローラー、DualShock 4、およびマウス&キーボード
    • Lunaコントローラーはアーリーアクセス招待者専売で49.99ドル
      • ゲームサーバーに直接繋がり、入力遅延を17ミリ秒から30ミリ秒低減する
      • デバイス間の移行なども毎回セットアップし直さずに簡単に行える
      • Alexa機能が入っており、ボイスコマンドでゲームを始められる
Sonic home
Mobile
iOSではクラウドゲームアプリに制限があるため、Webアプリを通じてプレイする形となる。

特色はメーカー独自の契約チャンネルとTwitch連携

 というわけでLunaは先行するGoogleのStadiaなどと似たような印象のサービスとなっており、カプコンの『バイオハザード7 レジデント イービル』や505 Gamesの『Control』、Deep Silverの『Metro Exodus』といった大作タイトルが対応タイトルとして挙がっているものの、マイクロソフトのxCloudと比較するとタイトルラインアップも弱め。

 もちろんこれはアーリーアクセス時点での話であり、正式ローンチに向けて強化されていく中で、仮にxCloudのようにAmazon Primeメンバーシップと連携するようなことがあればまた話も変わってくるだろう。

 一方ユニークなのは、ユービーアイソフトチャンネルの存在だ。これはAmazon Primeビデオなどで行われている映像系サービスの発想で、ユニークなカタログを持っている会社が大手サービスのインフラを利用しつつ、オールインワンの契約カタログに含まれることなく独自に課金を行えるというメリットがある。

 正直に言うと消費者としては別に契約しなければいけないので面倒くさいのだが、例えばアクティビジョンチャンネルを通じて常に最新の『コール オブ デューティ』を月額課金だけで遊ぶ、というような事も起こりえるんじゃないだろうか。

AC_Luna

 またTwitch連携も今後の展開次第では大きな可能性を持つ部分だ。Stadiaは当初YouTubeとの連携を示唆していたが、現段階ではそれはただのStadia内へのリンクにすぎず、例えば「配信者が呼びかけたらそのゲームに参加できる」というようなものにはなっていない。

 しかしTwitchはゲームメーカーとの連携がすでに進んでいて、ユービーアイソフトの『ハイパースケープ』ではTwitch配信者が視聴者を招待する機能が存在する。LunaアプリからTwitchで配信を見て、招待がかかったらダイレクトにクラウドゲーム版を起動して参加する、というようなことが可能になれば、配信と実際のプレイの関係に新たなものをもたらせるだろう(ユービーアイソフト側の公式記事でもハイパースケープの名を挙げてそれとなく示唆されている)。

_Control Twitch
Twitch配信を見ることも可能。そこで遊びたくなったら自分もゲームを始められる。