ユービーアイソフトが、2020年9月11日配信の“Ubisoft Forward”第2回において発表した新作オープンワールドアドベンチャー『イモータルズ フィニクス ライジング』。本作はギリシア神話の世界をテーマにした、これまで『ゴッズ アンド モンスターズ』の仮称で呼ばれていたタイトルで、Ubisoftケベックの『アサシン クリード オデッセイ』の製作陣が開発を手掛ける。対応機種はNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X、XBOX One、PCで、2020年12月3日発売予定。
プレイヤーは主人公のフィニクスとなって、テュポンによって支配された黄金の島を取り戻し、ギリシアの神々を救うべく、立ちはだかる試練を乗り越えていく。
フィニクスは冒険を進める中で、アキレスの剣やオデュッセウスの弓、ヘパイストスのハンマーといった伝説の武器を手に入れ、モンスターに対抗する。そして神々を救うごとに、特殊な技(神の力)を習得でき、さらなる強敵や試練に挑むことが可能だ。ダイダロスの翼を入手すれば、高所から飛び立って空を滑空することだってできる。
『イモータルズ フィニクス ライジング』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『イモータルズ フィニクス ライジング』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)広大な黄金の島の1地域をプレイ
今回のデモでは、広大なマップのひとつの地域、ヘパイストスの力が宿った“鍛冶の聖地”をプレイ。この地域だけでもクエストやダンジョン、数々のチャレンジや謎解きなどが豊富に用意されており、やり応えあるものだった。
なお、フィニクスのステータスはゲーム中盤程度のものに調整されており、滑空や二段ジャンプが可能で、戦闘用のスキルもかなり盛りだくさんとなっていた。ゲームの難易度設定はノーマルとイージーを選択できたが、製品版ではさらに多くの難易度を選べるようになるとのこと。今回のデモ版では、ほかにも実際の製品版とは異なる仕様となる可能性がある点に注意してほしい。
コンボとスキルを駆使するテンポの速いバトル
戦闘での基本的なアクションには、弱攻撃と強攻撃、弓攻撃、ジャンプと回避、近接用の特殊技(神の力)と遠距離用の特殊技がある。さらに、十字キーで回復用・スタミナ用・攻撃用・防御用のポーションがそれぞれ使用可能。
弱・強攻撃でコンボをつなぎ、ここぞというときにスキルで大ダメージを与えていく。スキル使用時にはスタミナを消費するため、乱発はできない。複数の敵が相手の場合は、特定の敵をロックオンすることで、攻撃対象やカメラ視点をその敵に固定しておける。
弓の使用時は、照準を合わせて矢を放つ。放てる矢の数には上限があるが、時間経過で徐々に回復する。またヘッドショットが決まれば、大ダメージを与えられる。
強攻撃や特殊技を当てると敵の青ゲージ(スタンゲージ)を溜めることができ、ゲージが満タンになると敵がスタン状態となる。このときにコンボを稼いで一気に仕留めたいところだ。
敵の攻撃をジャストのタイミングで回避すると、敵の動きがスローになる。乱戦時はタイミングをつかむのがなかなか難しいものの、使いこなせればかなり戦闘が有利になる。
また、敵の攻撃に対してパリィを成功させると(デモではLB+RB同時押し)、ダメージを無効化して多くのスタン値を獲得できる。一部の遠距離攻撃を跳ね返す効果もあり、空中から遠距離攻撃をする敵にも有効で、攻撃を跳ね返してダメージを与えられる。ただし、赤い光を放ちながらくり出す敵の攻撃に対しては、パリィは無効なので回避するしかない。
ステータスがゲーム中盤程度とのことで、アビリティが複数ある状態だったので、ダッシュ攻撃で間合いを一気につめたり、回避で離脱したりと戦闘ではかなり動き回れて楽しい。ジャンプ中に攻撃を行うと空中に留まれるので、そのままコンボをつなげて空中戦を持続できるのもおもしろかった。
単体のザコ敵が相手なら簡単に倒せるものの、多くの場面でワラワラと集団で襲ってくるうえに、空中から遠距離攻撃を仕掛けてくる敵もいて、戦闘はなかなかシビアに調整されている印象だ。敵の攻撃は別の敵に対してもダメージ判定があるため、うまく位置取りして敵どうしで潰し合いさせるのもアリ。
受けたダメージは一定時間経過すれば自然に回復するが、ボス戦や集団戦では回復薬を使わないとキツい場面も。回復薬は素材の果物を集めて特定の場所でクラフトする必要があるため、貴重になりそう。戦闘中にも騎乗動物を呼び出せるので、あぶなくなったらさっさと離れたほうがよさそうだ。
攻撃や特殊技などのスピード感は心地よく、戦闘が苦にならないと感じた。アクションが苦手な人でも回復薬を多めに使えばゴリ押せるし、ゲームに慣れれば特殊技やパリィ、ジャスト回避の使いどころも覚えられるので、存分に腕が振るえるはず。そこまでの上達も含めてやり応えがありそうだ。
おもな特殊技を紹介(カッコ内は筆者の直訳)
メインクエストで謎解きとボス戦に挑戦
今回のデモでは、鍛冶の聖地を治めるヘパイストスを救い出すメインクエストがプレイできた。クリアー方法はふた通りあり、神々の炉に火をつけるか、通気口を開通させるか。ここでは、炉のほうを選んだ。
マップから目的地を確認して進むと、“クエストゾーン”にたどり着いた。神々の炉は全部で4つあり、すべての炉に石炭を入れて火をつければオーケー。このクエストは軽い謎解き風のものになっていて、まずは石炭を見つける必要がある。石炭はだいたい周辺に転がっているが、敵が複数いるのでまずはそれを排除。石炭はつかんで持ち上げたり、特殊技で運んだりできるので、それを炉の中にポイッと入れる。
つぎに炉に火をつけるのだが、近くに燭台があるものの、つけかたがわからない……。正解は、燭台の炎に矢を放ち、燃えた矢を炉に撃ち込むこと。弓用の特殊技“Apollo's Arrow”を使って矢を撃つと、放った矢の視点にチェンジ。矢をうまくコントロールして誘導し、炉に火をつける必要がある。
4ヵ所の炉に火をつけると、別の場所にボスが出現。ボスは遠くにいるとレーザーやミサイルを放ってくるし、近くにいるとふみつけやジャンプ攻撃をしてくるのでなかなかやっかい。“Phosphor's Attack”がかなり便利な特殊技で、これはフェニックスを召喚して攻撃させるもの。ダメージとスタン値を稼げるので、これを放っておいて、隙をついて通常攻撃を叩きこんでいく。2度目のスタンを取ったところでボスを撃破できた。
広大なマップを散策。あちこちにチャレンジが!
デモではひとつの地域のみプレイできた。ここだけでもけっこう広いが、騎乗動物を呼び出して移動すれば苦にはならない。また、高所から滑空を使うとまわり道をショートカットできたりもした。
高台でカメラを広域視点に切り替えると、マップ上の“何かある場所”を探すことができる。何かある場所では、ステータスアップ用のアイテムや宝箱などが発見できた。
マップを散策していると、気になるダンジョンがあったので、さっそくイン。内部は謎解きパズルが多数あり、最深部まで進むと“ゼウスの稲妻”がゲットできた。これはスタミナをアップさせるためのアイテムのようだ。
マップ上にはモンスターのほかに野生の動物も生息している。一部の動物はテイムすることで騎乗動物として手に入る。テイムするには気づかれないようにそっと近づく必要がある。
そのほかにも、マップ上には多数の施設やチャレンジが存在している。マップにアイコンが表示されているもの以外にも、さまざまなポイントがあるとのことで、かなりのボリュームが期待できそう。
軽快なアクションと雰囲気のいいアートとストーリー
全体的にアクションのテンポがよく、軽快ながら歯ごたえあるバトルが楽しめたというのが率直な感想。ほどよく難しい謎解きが豊富で、アクションRPGのパズルが好きな人にもおすすめ。ゲームシステムのみに限って言えば、(デモ版では)目新しさは特別見当たらなかったものの、オープンワールドアドベンチャーとしての完成度は高く、誰でも素直に楽しめる作品になっていると感じた。同社のAAA作品でいうと、CERO Z(18歳以上のみ対象)でないことは貴重(!?)であり、幅広いユーザーがプレイできるタイトルであることは特筆すべき点か。
また、絵画的なグラフィックで彩られた世界や、ファンタジー作品でなじみ深いギリシア神話をモチーフとしている点も、ゲームとしての間口の広さを感じるところ。神様どうしのノリのいいやり取りもおもしろく(実際、ギリシア神話の神ってヘンだし)、すんなりストーリーに入っていける。いい意味で万人受けするタイトルだと思うので、オープンワールドを敬遠しがちな人にもぜひ。