角川ゲームスから2020年9月10日に発売予定のNintendo Switch、プレイステーション4向けソフト『メタルマックスゼノ リボーン』。

 ここでは、本作の序盤を実際にプレイした感想を交えたレビューをお届けします。

 『メタルマックスゼノ リボーン』は、形として前作『メタルマックスゼノ』のリメイク作に当たりますが、タイトルにある通りの“リボーン(再誕)”を見事に果たしています。

 バトルシステムなどゲームの根底にあるシステムまで作り直されており、もはや完全新作。荒廃した世界をクルマとともに駆ける、『メタルマックス』シリーズらしさを全力で楽しむことができるうえに、従来作にはない新しさもたっぷりと盛り込まれたタイトルになっています。

ダイナミック・マルチレンジバトルが爽快&奥深い!

 本作の目玉システムのひとつ“ダイナミック・マルチレンジバトル”。簡単に説明すると、敵とエンカウントして戦闘が始まる前から、先手を取って不意打ちやロングレンジ射撃で攻撃でき、戦闘に入った後も自由に移動しながら戦えるバトルシステムです。

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マップ上にいる敵と、シームレスに戦闘が行われます。

 このシステムにより、エンカウントがシームレスで敵との遭遇時のストレスが少なく、バトル中も敵の攻撃をただ待つだけになりません。また、ロングレンジ射撃時の視点も、シューター系のゲームのようで新鮮です。このように、触っているだけで楽しいのですが、上手く活用するとバトルをグッと有利にすすめられる要素も散りばめられているんです。

 まず、本作の戦闘システムでは、敵に感知された状態で一定時間経つか、敵に攻撃を当てるとターン制のバトルに突入するんですが、不意打ちやロングレンジ射撃で1撃で倒せばバトルに突入せず、すぐに次の敵を攻撃することができるのです。

 実際にザコ敵なら簡単に一撃で倒せたりするので、群れで行動する敵もロングレンジ射撃で攻撃していくと、一方的に蹂躙することもできちゃいます!

 ゲームを進めて強力な範囲攻撃ができる装備を持ったころには、嬉々として敵の群れを追いかけまわすハンターが誕生しているはずです。

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ロングレンジ射撃で敵を狙うときは専用の画面に切り替わります。
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範囲攻撃で敵を一掃する瞬間が気持ちいい!

 さらにもうひとつ重要な要素が、敵に感知されている最中でも移動して敵から見えない位置に移動すれば戦闘に突入せず、戦闘状態も解除できること。つまり……。

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攻撃(バレる)。
隠れる(見失う)。
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攻撃(バレる)。
隠れる(見失う)。
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撃破!

 上の画像のようなこともできるのです! しかも、これがボス級の敵相手でも可能。もちろん、地形や敵の動きかたにもよるのでいつでもできるわけではないですが(調子に乗って反撃を食らうこともしばしば)。

 このように、ダイナミック・マルチレンジシステムを活用することで戦闘を有利に進められる敵が多く、攻略の自由度もかなり高そうです。

 非常にズルい感じの戦いかたですが、本作の世界ではモンスターのせいで人間が絶滅の危機に追いやられているわけで、過程よりも結果が大事な世界。勝てば官軍ですよ!

 実際、本作序盤に出てきたボス級の敵は、筆者がストーリーを素直に進めている状態で真正面から対峙した際はかなり苦戦を強いられました。いい思い出です。

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いい思い出です……。

不意打ちでも、ズルしても勝てないならもう逃げるしかない!

 ボス戦でのズル~い勝ちかたについて語ったところですが、残念ながら(?)ズルしてもなかなか勝てない敵が本作序盤からゴロゴロ登場します。では、そんなときどうするか。

 本作はRPGですし、「勝てない相手がいるなら勝てるようにレベルを上げる」とするのも大正解なんですが、「いまは勝てなくても、未来の自分は勝てるようになっているはず」そう信じて強敵の脇を駆け抜けるのも手です。

 逃げる際に何発か攻撃を食らうことになりますが、乗っているのは強固な装甲の戦車。ある程度の攻撃はなんとか耐えてくれます。

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攻撃されても焦らず冷静に逃げれば意外と切り抜けられます!
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脇道から攻撃して横を向かせることで、脇を安全に抜けることができる敵も。

 強敵の横を抜けた後はたとえ乗っている戦車がボロボロでも、戦闘状態を解除さえできれば拠点であるアイアンベースにファストトラベルで帰ることができ、帰ることさえできれば戦車もキャラクターの体力もバッチリ回復してくれます。

 そして、決死の逃げで開放したファストトラベルポイントへは、いつでも無傷で瞬間移動できるようになっています。いずれ戦力が増強できたら、前は倒せなかった強敵のところへ帰ってきて戦いを挑んでみてもいいでしょう。強くなったことを実感できるはずです。

 筆者は準備をしっかり整えて挑んだボス戦で、かなりの割合で返り討ちに合いました。『メタルマックス』シリーズらしい歯ごたえある難易度にしびれます。

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「何で挑んじゃったんだろう……」と泣きそうになっている時間が最高に『メタルマックス』。

ポチがとにかくかわいい

 かわいいんです。ポチが。すごく。見た目といい、動きといい、柴犬としてパーフェクトなかわいさを持っているんです。

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お座りしているポチを見ているあいだは、人類が絶滅しそうになっていることすら忘れそうになります。

 ポチは人間のキャラクターたちよりも早く、ゲーム最序盤に仲間になってくれる頼もしい相棒です。ものすごくかわいいですが、やはりポチは戦闘犬。武器や防具を装備させてあげれば戦力としても大活躍してくれます。耐久力が高めでやられづらいですし、装備によっては主人公顔負けの大火力で敵をなぎ倒してくれます。

 とはいえ、先ほど話したように格上の敵と相対するときは、戦車外で戦うポチが敵の大火力に耐え切れなかったりするので、時には冒険の拠点となるアイアンベースで適宜お留守番させてあげてもいいかもしれません。

 ポチが戦闘不能になった姿をみると、なんだかものすごく悲しい気持ちになるので愛犬家の方はとくに注意してくださいね……!

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おしりもかわいい。
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アイアンベースでは撫でてあげることもできる。かわいい。
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主人公に健気についてくるポチ。かわいい。この瞬間、デストキオはドッグランへと変貌します。

 ここまで戦闘システムとポチの存在について語ってきましたが、このほかにも、クルマで荒野を駆ける気持ちよさや、クルマを降りて進むダンジョンの存在、アイアンベースの仲間たちの存在などなど、本作の魅力はまだまだ語りつくせないほどあります。

 実際にプレイしてみて、前作『メタルマックスゼノ』のリメイク作品としても、ひとつの新作ゲームとしても十二分に楽しめる内容になっていると感じました。

 気が早すぎるのはわかっているのですが、もはや作りは完全新作とはいえ形としてはリメイク作である本作でこの内容なら、真の意味での完全新作となる次回作『メタルマックスゼノ リボーン2』がどうなってしまうのか、ワクワクが止まりません!

 そんな『2』を100%楽しむためにもまずは本作。強敵との戦いをどうやってズルく賢く超えていくか、そしてポチとどんなお散歩をするかじっくり考えながら発売を待ちましょう!

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