ファミ通グループの編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ』です。
【こういう人におすすめ】
- 自分に合う遊びで、たっぷりと遊びたい
- のんびりと生活系コンテンツを楽しみたい
- 人といっしょに遊びたい
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。
ゆーみん17のおすすめゲーム
『ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ』
- プラットフォーム:PS4、PC
- 発売日:2019年7月2日
- 発売元:スクウェア・エニックス
- 価格:4620円[税込]
- パッケージ版:あり
- ダウンロード版:あり
- 『ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ』公式サイト
※データはPS4版のものです。
※本製品は『ファイナルファンタジーXIV』の最新拡張パッケージであり、本製品単独ではご利用いただけません。本製品をご利用いただくためには、フリートライアル以外の手段で『ファイナルファンタジーXIV』をプレイする権利が必要です。
週刊ファミ通編集部のゆーみん17です。以前はピチピチの新人を名乗っていたのですが、もう5年目になります。時の流れは恐ろしいですね。
今回、私がオススメしたいゲームは『ファイナルファンタジーXIV』、 このコラムのテーマが“いまオススメしたいゲーム”とのことで。オンラインゲームなので、いくらでも時間を費やすことができますし、現役のプレイヤーも多いので、いつ遊び始めても“遅くない”。ログインすれば自分以外の“人”がたくさんその世界で生活しています。ご時世的になかなか外に出づらい部分もあるのですが、この世界では“もうひとりの自分”であるキャラクターを通して人とチャットしたり、壮大な冒険に出かけたり、のんびりしたりと、さまざまな生活が送れます。
新しいことを始めたいという方や、家にいてやることがほしいという方には「いまもってこい!」なゲームだと思います。
本作は『ファイナルファンタジー』シリーズにおいて、2作目のMMORPG。 プレイヤーの数は全世界で2000万人(※)を突破。メディア展開も積極的に行われており、「やったことはないけど、聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
※プレイヤー数は、日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む。
プレイヤーは主人公として“光の戦士”となり、“エオルゼア”と呼ばれる大地を始め、広大な世界を冒険することになります。メインストーリーを進めつつ、世界観やキャラクターの生きざまを楽しむもよし、バトルで“高難度コンテンツ”に燃えるもよし、“ハウジング”で家を飾ったり、お店を作るのもいいし、“ギャザラー・クラフター”で大金持ちになることもできる。はたまた、“麻雀”もできるし、フレンドとしゃべってその場にいるだけでも、写真を撮るのも楽しい!
そもそも、自分が本作を遊ぶことになったキッカケは、友だちに「フリートライアルをいっしょにやろう」と誘われたからです。また、当時ゲーム友だちの中で、弊誌でもコラムをお書きいただいているマイディーさんというプレイヤーの方のブログ内記事“光のお父さん計画”が話題になっていたのも理由のひとつでした。「私もこんなふうに、友だちがたくさんできて遊べるのかな」とワクワクしていて。
実際、ゲーム内で初心者の自分に親切にしてくださっている方に出会い、レベルが高いモンスターがいるけど、自分が見たことがないキレイな風景があるフィールドへ、歩いて連れて行ってもらったり、その方が作ったハウスに招待してもらったり。バトルを教えてもらって高難度コンテンツに連れて行ってもらったり。未知の世界はワクワクでいっぱいでした。
さて、「具体的にこのゲーム、何するゲームなの?」と聞かれることが多々あります。が、前述のようにやれることが多くて、実生活で「ふだん何しているの?」と聞かれているようなものなのです。そんな中から、自分が楽しいと思っているものをいくつか例にあげますね。
ストーリー
「いままで、この世界で冒険してきてよかった」。これが“いまの自分”のストーリーに対する想いです。正直に言うと、世界設定などを理解するのが得意なほうではなく、オンラインゲームにストーリー性を求めてはいませんでした(バトルができればいい派)。最初はストーリーを進めながらも、「ストーリーが楽しくてゲームをやっている」という感覚ではなくて(楽しんでいた部分も、もちろんありますが!)。
ですが、プレイ5年目になり発売された拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』。オンラインゲームでこんなに「先が気になってしかたがない」、「早くレベルを上げてストーリーを見たい」となったことは初めてで、我ながら驚きました(自分がプレイしてきた中では、です。きっと人によって感覚は異なるハズなので、ほかのパッチ、ほかのオンラインゲームが、という意図はありません!)。純粋に話がおもしろかったのはありますが、“いままでプレイしてきた時間の冒険がストーリーに深みを持たせている”という点が、オンラインゲームならではの体験で、本当にすばらしかった。もちろん、いまから始めた方でも十二分に楽しめるはず(実際、数ヵ月ほど前にイチから始めた友人がドハマリしていました)。
『漆黒のヴィランズ』は、いままでいた原初世界の“エオルゼア”とは別の世界、第一世界の“ノルヴラント”が舞台です。これまで“光の戦士”として原初世界を救ってきた我々は、今度は光の反乱により夜が訪れない第一世界に、“闇”を取り戻す“闇の戦士”として冒険を始めます。
『漆黒のヴィランズ』のストーリーの個人的に“よかった”と感じた部分は大まかに下記です。
- いままでの冒険の蓄積による、伏線回収の気持ちよさ。
- 自分(主人公)から見た“正義”だけが世界の“正”であるのか、“ヴィランズ”とは誰のことを指しているのか、という多角的な題とともに、“世界を救う物語”という“わかりやすい”読み応えがあったこと。
- キャラクターの深堀りがされ、いままで以上にキャラクター性を理解ができて、魅力的にみえるようになっていたこと。
- クエストで行うこと、バトルコンテンツなどにストーリーとのつながりや意味を感じられて、演出も含めて楽しめたこと。
などなど、たくさんあるのですが、書ききれない……。さらに、冒険を彩る音楽も本当にすばらしい。『漆黒のヴィランズ』のキーキャラクターである“水晶公”という人物と迎えるとあるシーンでバックに流れる音楽に、何度心をわしづかみにされたことか。ストーリーやキャラクターのよさはもちろん、その思い出とともに心に残る音楽も魅力のひとつです。
(上記には関係ないですが、『FFXIV』は“世界で最もBGMの曲数が多いビデオゲーム”としてギネス記録に認定されています。音楽を聴くだけで冒険の思い出がよみがえります。曲のつくりはもちろんのこと、アレンジの仕方と使いどころに心を奪われるのです……。)
バトル
自分が本作に費やしている時間のほとんどは“コレ”です。ただ、ストーリーを進めるうえでは、プレイヤースキルはほとんど関係ありません(スキルの効果や遊びかたなど、最低限覚えることはありますが)。自分が主に楽しく遊んでいるのは“高難度コンテンツ”と呼ばれるもので、8人のプレイヤーでボスに挑む遊び。“レイド”などと呼ばれたりもしますね。
このゲームにはいわゆる“練習”が必要なコンテンツがあり、それはギミックやタイムラインなどを覚え、かつ“火力(ダメージ)”を出し、ヒールワークも、受けるダメージの軽減もしっかりとしないとクリアーできないのです。こう見ると「めんどくせーじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、何度も練習してクリアーしたときの達成感がたまらなくて、やめられないんですよね。
個人的には、過去のコンテンツを、人数やアイテムレベル(装備のレベル)などに縛りを設けたりしてプレイするのも、楽しい。さらに“複数人で挑む”という部分もミソで。自分は基本的に友だちと8人でコンテンツに挑んでいるのですが、これが、学生時代の部活動を思い出すんですよね。いっしょに攻略法を考えたり、声を掛け合って息を合わせたり、ときには関係のない笑い話をしたりして。このようなコミュニティーを持てるのも、魅力のひとつだと思います。仲間と、難関を突破できたときの一体感がうれしくて! いいオトナたちが仕事終わりに集まって、ワイワイ“大人の部活動”を楽しんでいます。
生活系コンテンツ
本作ではバトルやストーリーのほかにもできることがたくさんあります。自分がいちばん活用しているのが“(ドマ式)麻雀”。レートをかけて遊ぶのもいいし、友だちと軽く遊びたいときに、気軽に誘える遊びの幅が広がりました。まぁ、麻雀のゲームはたくさん出ているので、『FFXIV』でわざわざ遊ばなくとも……と思われる方もいるかもしれません。でもつい手を出しちゃうんですよね。この世界で大体生きているので、ふと時間が空いた瞬間に雀荘に遊びに行ってしまう、と。逆に、麻雀を目当てに初めて、「ついでに、世界救ってやるかー」なんていうのもアリ!
“ハウジング”に着手して、自分だけの部屋を作るのもいいですね。ハウジングを持つと、より“エオルゼアに住んでいる”という意識が高まる気がします。こだわっている方の作品は本当に「同じゲームか?」と思うほどクオリティーが高いものもあって、遊びに行くだけでもワクワクします。また、FC(フリーカンパニー。ギルドのようなもの)でハウスを買うと、“みんなが戻ってくる場所”となるので、「ただいまー」、「おかえりー」、などのやり取りが生まれるのも「ハウスっていいな」と思うところのひとつ(所属するFCによりますが)。ハウスにお店などを作って、RP(ロールプレイ)している方もたくさんいらっしゃいますよ。(Twitterで“FF14 ハウジング”と検索してみると、それはそれはすごいクオリティーのおうちのSSがたくさん見られます!)
“釣り”でのんびり時間を過ごしたり、はたまた「この世界のヌシを全部釣ってやる!」とプロの漁師を目指すこともできるし、オシャレな服を着て写真(スクリーンショット)を撮って、友人と交流を深めている人を見るのもほほえましい。できることがとにかく多くて紹介するのが難しいですね。
できることは多いけれど、いまは初心者でも随分遊びやすくなっていて、2020年8月11日に実装されたパッチ5.3からは、“新生編”と呼ばれる、最初のパッケージぶんのストーリーやエリアの改修も入り、より進行しやすくなっています。昔プレイして「ちょっと面倒かも」と思った方は、改修によって遊び心地が変わっているかもしれません。
そして、「月額課金制って少しハードルが高い」と思われる方もいるかもしれないですが、なんとフリートライアルでレベル60まで遊べるようになりました! “エオルゼア”という世界の基礎を知ることができる『新生エオルゼア』編、ドラゴンと人の戦争の話『蒼天のイシュガルド』をまるっと遊べてしまうのです!! これは遊ぶしかない。『蒼天のイシュガルド』のストーリーはとくにプレイヤーからの評判もよかったように思います。
時間制限もなく、レベル60、『蒼天のイシュガルド』までの範囲内ならずっと遊ぶこともできます(一部機能に制限あり)。ぜひともお時間がある際に、少しずつプレイしてはいかがでしょうか?