『ストリートファイター』シリーズのエグゼクティブプロデューサーとして、長年世界中のファンから愛されてきたカプコンの小野義徳氏が、2020年夏にカプコンを退社することを明らかにした。この発表は、小野氏のTwitterにて、英文で発表されている。

 小野氏は、1994年にカプコンに入社。『ストリートファイターZERO』シリーズや、『ストリートファイターIII』シリーズでサウンド、および、サウンドプロデューサーを担当した後、『新 鬼武者 DAWN OF DREAMS』、『モンスターハンター フロンティア オンライン』などでプロデューサーに。

 『ストリートファイターIV』以降は、『ストリートファイター』シリーズの責任者であり、“顔”として世界中で行われる数多くのイベントに出演。キャラクターのコスプレなども積極的に行い、多くのファンから愛されるクリエイターになっていった。また、ブランカのフィギュアを必ず持ち歩いており、小野氏の写真でほぼ必ずいっしょに写っていたこと覚えている人も多いだろう。

 小野氏はTwitterにて、新型コロナウイルスによって、オンライン開催となった『ストリートファイターV』の世界大会“CAPCOM Pro Tour 2020”について、開催できることへの感謝を延べつつ、自身が今夏(2020年夏)を持って、カプコンを退社すること、および、『ストリートファイター』など、さまざまなタイトルのブランドマネージャーを辞任することを発表。

 合わせて、「今後『ストリートファイター』シリーズは、新体制に移り、さらにすばらしいものになっていく」と小野氏退職後も、『ストリートファイター』シリーズが変わらず発展していくことを伝える一方、小野氏はいちプレイヤーとして今後を見守っていくことを明らかにした。

 また、文章の締めに、2020年の各イベントでユーザーといっしょに「昇龍拳!」の掛け声ができなかったことが心残りだと伝え、最後に「3,2,1,昇龍拳!」のメッセージを残している。

 小野氏の退職理由や、今後の活動については明らかにされてはいないが、ファミ通でも数多く取材をしてきたクリエイターだけに、できることならば、今後についても取材をしていきたいと思う。

 最後に、小野氏のTwitterに投稿されたメッセージの中から、退職にまつわる部分の翻訳をお届けする。

これまでカプコンで30年以上働いてきましたが、私はこの夏に会社を辞めることになりました。

これにより、私は『ストリートファイター』を含むカプコンのさまざまなタイトルのブランドマネージャーを辞任することになります。

新体制になったカプコンのスタッフは、今後も『ストリートファイター』のブランドを守り、ワールドウォリアーズ(編注:コミュニティ大会の名称)を牽引していくと思いますし、『ストリートファイター』をよりすばらしいものにしていくと信じています。また、今後は、レジェンドゲーマーのひとりとして、新たな『ストリートファイター』ブランドがどのように展開していくのか、楽しみにしています。

30年以上のキャリアの中でお付き合いのあった方々に個別に連絡を取るのはなかなか難しいので、いっしょに仕事をする機会のあった個人や会社の方々には、ここで温かいご挨拶と感謝の気持ちを伝えたいと思います。

改めまして、多くのプレイヤーの皆様、FGCと運営スタッフの皆様、そして『ストリートファイター』ファンの皆様、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

『ストリートファイター』シリーズのエグゼクティブプロデューサーとして、2020年の各イベントで皆さんといっしょに「昇龍拳」を行うことができなかったことが心残りです。最後の締めくくりとして、このメッセージを叫ばせてください。

3,2,1
昇龍拳!

『ストリートファイター』シリーズ エグゼクティブプロデューサー
小野義徳
出典:“Yoshinori Ono”Twitter