農場&牧場シミュレーションの先駆け的存在
いまから24年前の1996年(平成8年)8月6日は、スーパーファミコン用ソフト『牧場物語』が発売された日。
『牧場物語』は、パック・イン・ビデオ(当時)から発売された牧場運営シミュレーションゲームで、現在も続く人気シリーズの記念すべき第1作。資金をやりくりするような経営要素は少なく、作物の育成や動物の世話などをしながら生活を楽しむタイプのゲームになっているのが大きな特徴。現在までに数多く発売されている農場&牧場シミュレーションの先駆け的存在で、後続作品に多大なる影響を与えている。
初代『牧場物語』の舞台は“花の芽村”。祖父が残した牧場を3年で再建するため、プレイヤーは主人公の男の子を操って荒れ地を開拓し、理想の牧場作りを目指していく。カブやジャガイモ、トマトなどの農作物を育てつつ、牛やニワトリといった家畜を飼育。木材を調達して自宅を増築するなど、都会人が憧れるような牧場生活がギュッと詰まっているので、日々の生活を送っているだけなのに楽しくなってしまうから不思議なもの。筆者の同僚は昼はふつうにファミ通で働き、夜は『牧場物語』で牧場仕事……という謎の二重生活に夢中になっていたが、似たようなユーザーも多かったのではないかな。
町に住む花嫁候補の女の子たちと恋愛をして結婚するというのも、初代から始まったシリーズ恒例のお楽しみのひとつ。当時ブームだった恋愛ゲームとはさすがに毛色がぜんぜん違うのだが、徐々に交流を深めていき最終的に結婚して子をなすまでできるのが、本作の魅力的なポイントと言えるだろう。シリーズの初期は主人公が男の子のみだったため、『for ガール』と題した女性向けバージョンも発売されていたが、2007年発売のニンテンドーDS用『牧場物語 キミと育つ島』からは主人公を男女から選べるようになったのがありがたい。
シリーズの10周年を記念して作られた『新牧場物語』を冠する作品群は意欲作揃いで非常におもしろい。『イノセントライフ -新牧場物語-』は何と舞台が近未来で主人公は人工生命体というから驚き。『ルーンファクトリー -新牧場物語-』はファンタジーRPGの要素を有する作品で、こちらはシリーズ化されたので知っている人も多いことだろう。筆者は『ルーンファクトリー』シリーズのファンで、2020年発売予定の『ルーンファクトリー5』が楽しみでしかたない。
正統シリーズは全部で30作以上発売されており、最新作は2019年10月17日発売のNintendo Switch用『牧場物語 再会のミネラルタウン』。これは2003年発売の『牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち』のリメイク作品となる。
また、『ポポロクロイス物語』や『ドラえもん』とのコラボレーションを果たしたタイトルも発売されていて、2020年7月30日にはプレイステーション4用の『ドラえもん のび太の牧場物語』が発売されたばかりだ。