2020年7月17日、Nintendo Switchでアクション・アドベンチャーの『ペーパーマリオ オリガミキング』が発売される。本作はペーパークラフトのような世界で、紙のようにペラペラのマリオが“山折り谷折り”の大冒険をくり広げる人気シリーズの最新作だ。
本作では、世界をオリガミに作り変えようとするオリー王の野望を阻止すべく、マリオと相棒のオリビアがオリガミ軍団との戦いに挑む。この作品の魅力を、記事担当ライターのジャイアント黒田がお届けする。
オリガミだからこそキャラクターのあらたな魅力を表現
オリガミ王国の王を自称するオリー王が、本作におけるマリオの宿敵。オリー王は、ピーチ城を占領し、この世界をオリガミの王国に作り換えようと画策していて、オリー王の力によってピーチ姫やクッパ軍団の面々はオリガミの姿にされてしまう。
『ペーパーマリオ オリガミキング』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)ご覧の通り、本作に登場するオリガミのキャラクターたちは、実際に折れてしまいそうなほどクオリティーが高い。動き回るオリガミのクリボーやノコノコ、ヘイホーなどを見ていると、実際に折ってみたくてウズウズしてくる。
というのも筆者は小学生のころ、折り紙に夢中だった。折り紙の本を買ってもらい、定番のツルやカエル、兜はもちろん、背伸びをして恐竜なども折った記憶がある。羽ばたくツルをアレンジして、足つきのツルを折ったこともあったけ(といっても、子どもでも折れる簡単なものだが)。
とくに心惹かれたのは、オリー王によってオリガミに折られてしまったボスの“カミさま”だ。この敵は、土、水、火、氷のそれぞれの力を司る巨大なボスで、寺院や神殿の奥でマリオを待ち受ける。カミさまを倒すと、オリビアがカミさまの折り方を習得。フィールドやバトルの魔法陣で、オリビアがカミさまに変身して特別な力が使えるようになるのだが、このとき折り紙を折るような変身シーンが挿入されるのだ。
細部まで折り方を見せているわけではないが、この変身シーンを見ると、実際に折れるのではないかとワクワクしてこない? 任天堂さん、本作に登場するオリガミのキャラクターたちの折り方を解説した本を出す予定はないですか? ステイホームにもピッタリですし、発売されたら絶対に買いますよ!
話が少しそれてしまったが、オリガミにすることで敵としての不気味さが際立っているのも好印象。ハリボテ兵も非常に不気味で、マリオの作品が好きなファンならキャラクターの新たな魅力が体験できるはずだ。
旅の相棒を務める新キャラクターのオリビアもいい味を出していた。コロコロと変化する豊かな表情、小さな体を目一杯使った動き、ちょっぴり天然なセリフ。そのどれもが愛らしくて、つぎはどんな言動で笑顔にしてくれるのか、オリビアから目が離せなかった。プレイする際は、ぜひオリビアに注目してほしい。
探索するたびに新しい発見がある5つのワールド
オリー王が占領したピーチ城から伸びた、5本の不思議なテープ。これらのテープは5つのワールドにつながっていて、すべてのテープを解くことでピーチ城を目指せるようになる。マリオが冒険をくり広げる5つのワールドは、豊かな自然が広がる山、大小さまざまな島が存在する海、空中に浮ぶ温泉アミューズパークなど、バラエティー豊か。
各地のワールドには、紙でできた世界ならではの仕掛けも存在し、“カミッペラ”でスカスカ穴を修復したり、“カミの手”で仕掛けを解いたりできる。前者のスカスカ穴は、地面や壁などが破れてしまった危険地帯。この穴に落ちるとダメージを受けてしまうので、草木をハンマーで叩くと出現する“カミッペラ”で穴を修復する必要がある。
また、後者のカミの手は魔法陣で使える特別な能力。魔法陣を作動させるとカミの手が出現し、マリオの両腕が伸びて壁をめくったり、ハンドルを回したり、大きな木を叩いたりすることで、多彩な仕掛けを解除できるのだ。
やりこみ要素が充実しているのも、探索の楽しみを増やすうれしいポイント。各地のフィールドでは、オリー王やオリガミ兵によって追いやられたキノピオを探せるほか、宝箱からおたからフィギュアを見つけたり、特定の条件を満たしてトロフィーを入手したりできる。
本作は探索と発見のループがじつに見事! スカスカ穴を修復したい→カミッペラが足りない→木を叩いてカミッペラを入手しようとしたら、キノピオを発見……といった具合に、ある目的を遂行する道中でいろいろな発見があって、プレイしていて飽きさせない。キノピオ発見時のコメントも、思わずクスっとするものが多く、探索のモチベーションになった。
アクションとパズルが融合したユニークなバトル
フィールドのオリガミ兵に接触すると、マリオを中心とした円形のフィールドに移行してバトルがスタート。マリオの武器は、一列に並んだ敵を連続で踏んで攻撃するブーツと、近くに四角く並んだ敵を一度に攻撃できるハンマーのふたつ。どちらも範囲内の敵を一網打尽にできるが、敵は最初から整列しているわけではない。床(リング)の回転とスライドを組み合わせて、うまく整列させる必要がある。
敵を整列させて、攻撃するときにタイミングよくボタンを押すのがバトルのキモ。まさに、パズルとアクションが組み合わさったものに仕上がっていて、頭の回転と反射神経のよさが程よく試されるのが心地いい。最初は余裕だったパズルも、少しずつ難度がアップ。解けそうで解けない絶妙なバランスで、プレイ意欲を刺激してくれる。
バトルはサポート機能が満載なのも、パズルが苦手な人にはうれしい作り。コインやアクセサリーを使ってリング操作の制限時間を延ばせるほか、観客のキノピオに助けてもらえる。さらに、ファイアーフラワーやアイスフラワーなどのアイテムもバトルで頼りになる。いずれのサポート機能も便利だが、筆者はコインの(=お金)のためにがんばるキノピオが大好き(笑)。思わずコインをはずんでしまうが、頼りにしすぎると筆者のように金欠になってしまうので、プレイする際はご注意を!
ボスとのバトルでは、難度がアップしたパズルに挑めるほか、カミの手を使って爽快な攻撃がくり出せるのも魅力だ。本作ではカミさまとは別に、オリー王配下の文房具をモチーフとしたボスの“ブンボー軍団”が立ちはだかる。
ボスバトルは、マリオと敵の位置が通常のバトルと変化。ボスは中央に位置しており、マリオはリングの外側からスタートする。床の回転とスライドを駆使して、マリオをボスのもとに移動させると攻撃チャンスに。マリオが進む方向や攻撃を行うかどうかは、リングに置かれたパネルによって決まるので、ボスまでの道をうまく作る必要があるのだ。
フィールドの探索で活躍したカミの手やカミさまの力は、バトルでも大活躍! これらの力は魔法陣パネルを踏むと発動でき、ボスに大ダメージを与えられるが、強力なぶん、効果を発揮させるには特定の条件を満たす必要がある。アクションパネルで手堅くダメージを与えるか。それとも魔法陣パネルで大ダメージを与えるか。プレイスタイルやパズルを解く力に応じて、いろいろな攻略法が考えられるのだ。
ストーリーとキャラクター、ワールドの冒険と探索、パズルとアクションが巧みに融合したバトル。いずれの要素も間口は広い作りながらも、遊べば遊ぶほど新たな発見や、自身の成長が体感できる作りになっていると実感できた。『ペーパーマリオ』シリーズのファンはもちろん、本作から始める人にも自信を持ってオススメできるタイトルだ。
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